あきらめ
その後も何度か、家庭内でのレイプがあった。
そのたびに、痛みと出血が数日間続き、今、私は出血が止まらない体になってしまっている。
どうして、そのときすぐに嫌だと言えなかったのか…。
そんなに私は、言いたいことも言えない人間なのか…。
旦那の行為以上に、自分に腹が立つ。
そのときのことは今も言えず、拒むこともできず、私は生きた人形のように、ここで毎日へらへらと笑っている。
ばかにされても、道具のように扱われても。
それが『結婚する』ということなのだ。
女が性を楽しんではいけない。
生活を楽しんではいけない。
生きていることだけでも、十分幸せなんだ。
そう考えると、自分は恵まれているのかもしれない。
住む家があって、一応食べることができて。子供もいる。
自分のことなんか、考えちゃだめなんだろう。
人形のように生かされて、老いていく。衰えていく。年をとっていく私をうすら笑いながら、旦那は力づくで私を犯す。
そんなの、ほんとうにだめだ。
今ならそう思う。
でも、その時は、黙って従うのが、一番いいと信じていた。
どこの男と一緒になったって、結局タダでセックスできるから、なんて意見が返ってくると思ってた。
結婚、というもの、異性に対する偏見、どのように言われてもいい。
だって確かに私は、そういう男を選んでしまったのだ。
子供もいるし、今更後戻りなんかできないじゃないか。
女として、人間として、徐々に感覚が麻痺しているのかもしれなかった。