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第1話 セックス嫌いな女

まだ未完成です。


少しずつ更新しますので、気長に見てください。

 私はセックスが嫌いだ。


 セックスなんて、誰かと付き合いが始まった時の『儀式』にすぎない。


 愛、という契約を言葉で交わし、それだけではなんとなく足りないから、互いに体を提供しておこうという、安易な行為だと思っている。


 だから、これまで付き合っている彼氏以外と、関係をもったことはない。


 今は当然旦那以外とはしない。


 それは今現在、旦那との生活にすごく満足しているとか、体の相性がいいとか、そういう問題ではなく、とにかく面倒くさいのだ。


 別の誰かとウワキしてまで、セックスする気になんかならないのだ。


 実際、旦那との夜の生活さえ、苦痛なのに。


 誰か別な人に、このくたびれた肉体を見せたり、気を使って反応しているように演技したりなんて、どう考えても労力の無駄にしか思えないのだ。



 自分から、誘ったことなんて一度もない。


 誘わなくてもいい。


 したいわけではない。


じゃぁなんでするのかっていうと。


 ある男性から、『自分が結婚することに決めた理由は、うまい飯を作ってくれる妻が欲しいとか、美人の奥さんを自慢したいとか、そんなことじゃない。いつでも好きな時にセックスできるパートナーが欲しかったからだ』などという言葉を聞かされたからだ。


 結婚して、専業主婦になるならば、旦那を拒んではいけないと、昔の人は言っていたそうだ。


 それは、「セックスをすることが結婚の条件」だと暗黙の了解で社会に認められているからなんじゃないだろうか。


 実際、結婚して子供が出来なければ「不妊」といわれる。


 セックスしてるかどうかも分からないのに、夫婦というだけで、まるで毎晩しているかのように、世間では見られているということになる。


 それでも仕方ない。どうでもいい。


 私には、それを拒む力もなければ、金もない。


 出ていくことも反抗する気力もない。


 ただ、言いなりになるしかない。


 それが私の人生なんだと、思おうとしてきた。



 しかし…どういうわけだろう。


 30代後半になって、段々と自分の考えに疑問を抱くようになっている。


 このまま、本当の『女』を知らずに、老いていくのだろうか…。


 自分は、女としての歓びとかいう、官能的な世界を見ることなく死んでいくのだろうか…。




 それを考えると、今にでも逃げ出したくなる。


 そして…あの日のことを…思い出して気が狂いそうになる。

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