過去 Ⅳ
第十二期生の名前が決まった頃、G倶楽部は再編成を設えた。
今までは比較的短期で持ち回っていた基地局要員をある程度長期の体制で整え、その下で新人を教育する体制に入ったのだ。
欧州はコオハク、マレーシアはバード、アフリカはシュリ、バハマはディラン。
神藤中佐の補佐としてジ-ンが付き本格的に仕込まれ始めた。
外に眼が向かい出したG倶楽部にガバメントオーダーとして初めての国内任務が下ったのは九月末、俗に『池袋コールガール事件』と呼ばれる華僑対地元暴力団の抗争だった。
抗争が起こって直ぐに池袋周辺は一般人処かマスコミも立ち入れない状態となる。
火災が起きても消防も警察も踏み込めない状態に一地域では手も出せない中、依頼を受けたG倶楽部、神藤中佐が放った手は・・・ジ-ン以下、ローワン、ウルフ、モクの華の九期生に加え、シュリ、ボニとライラにギムリとケビン。
国内のG倶楽部員を総出で送り込んだ。
勿論実戦を知らない新人に手を出させる訳には行かなかったが、どちらもたかがヤクザ者、実際に動いたのは半数だったが僅か数時間で決着はついた。
だがモクには今はもう遥か昔の遺恨を晴らせたのは嬉しい驚きだった。
池袋のヤクザの兄貴分の一人に友希を襲い死なせた小杉栄太の姿が有ったのだ。
「久しぶりだな、栄太。俺をまさか忘れたとは云わないな。」
蒼白な顔をじっくり見ながら叩きのめし、それでも最後には手加減を加える事は忘れなかったが、果たしてそれが良かったのかどうか。
その後モクはアフリカに赴く事となった為小杉栄太が半年後、彼の弟分に殺されたのを知る事は無かった。
モクが着任したポートエリザベスは南アでは美しい港街だった。
ケープタウンの東側に位置する其処は、実情を知っていても内陸部の貧困とは無縁に感じられる。
相方のシュリはディランと同期で陸士大を卒業した理性的な男。
徒手の格闘訓練ではモクより良い腕を持っていて穏やかな性格だった。
「俺は初めての海外勤務だからよろしく頼むな。」
「此方こそ。」
戦闘専門職のモクだったがもとより頭脳派、しかも神藤中佐やジ-ンが太鼓判を押す冷静さを持っている。
二歳年上の後輩とモクは良いコンビとなりアフリカ大陸で伸びやかに仕事に励む事となった。
本来の予定なら二年の任期の筈が呼び戻されたのは赴任して一年にも満たない頃、ジ-ンとローワンの眼を掛けたG倶楽部候補者が初年兵訓練の真っ最中だった。
入った一報は、
『神藤中佐死亡、即時に帰還せよ。』
アフリカはアフリカで毎度バタバタしていて二人で何とか走り回って居た為抑えて来れたのだが、その為に他には眼が往かず本部の状況など気にもしなかった自分を罵りながらモクは帰国した。
「済まない。」
モクの顔を見てジ-ンはその綺麗な眼を伏せた。
「俺が出ると云ったんだが・・・」
南米で起きた日本人誘拐事件に神藤中佐はローワンと救出任務に赴いた。
重なった任務、人が足りず手も足りず、海外組もモク等同様周辺地域の押さえで手を割く訳には行かないと神藤中佐は云ったと云う。
『ローワンが一緒だ。』
笑ってジ-ンに云ったのはG倶楽部で最も多く怪我を負うジ-ンをおそらくは慮っての事だったに違いない。
『たまには神経すり減らす立場に立ってみろ、無茶が出来なくなれば儲けものだ。』
亡骸はローワンが無理やり連れて帰ったが、凄惨な状況に慣れて居る筈のG倶楽部員達でも思わず眼を背けるほどの傷を負っていた。
G倶楽部の生みの親、神藤直哉准将の葬儀は立川連隊葬として六月の晴れた日に滞り無く行われた。
その夜開かれた会合で神藤中佐の後任としてジ-ンが立ち、その他の細かい決定が幾つかなされた。
モクが心配していたのは神藤中佐を護れなかったローワンと、それに対してのディランの容赦の無い言葉だったがそれは杞憂に終わった。
葬儀が終わるとディランは初年兵の作業着に着替え、後をジ-ンに任せて出て行ったのだ。
「ディランは何をしている?」
モクが尋ねたのはウルフ、それまで沈痛な表情をしていたウルフは僅かにそれを緩めて答えた。
「中佐とジ-ンの采配でガキ共を見ている。伏兵伍長としてジ-ンとローワン肝いりの戦闘兵士候補の育成だ。」
心底驚いた。あの気位が高く汚れ仕事などしそうも無いディランが汗と泥にまみれた初年兵訓練をやり直し、あまつさえ認めようとしない戦闘兵士を育てていると云うのか。
「嫌がっていたのは事実だ。四か月だけと云う条件だし、その後はバハマに戻ることに決まってるしな。だが・・・だいぶ雰囲気が変わって来た。馬鹿で呑気なガキ共だと云いながら結構可愛いらしい。認めようとはしないがな。」
何時かのジ-ンの言葉を思い出した。
人間はこうして成熟していくのだろうか。あのディランが馬鹿なガキ共を可愛く思えるなら、理屈や計算抜きで人を育てられるなら・・・
「ジ-ン、俺が居た方が良いか? シュリ一人ではアフリカはきつい、俺が戻るか誰か送るかしてくれ。」
神藤中佐を失ったG倶楽部は今やジ-ンの肩に掛かっていた。
ジ-ン体制を敷くまでは同期メンバーが多い方が良いが、だからと云って国外基地局を投げ出す訳にも行かない。
モクの進言にジ-ンは頷いた。
「ポートエリザベスにはライラを送る、シュリに仕込ませて独り立ちさせるつもりだ。欧州にはボニ、マレーシアは変わらずバード、バハマのハクはディランが戻り次第呼び返すが後は此処に残ってくれ。」
「承知。」
要だった神藤中佐が居ないと総ての案件がひどく重く感じられる。
モクでもそうなのだからジ-ンには相当きつかっただろうがジ-ンはそれを表には出さず堪えていた。
ローワンは入ったばかりの戦闘兵士候補を仕込む事で痛みを忘れようとしているようだった。
「お前も相変わらず容赦が無いな、持つのか?」
ローワンの眼は酷く暗い、まるで光の射さない洞の様でモクはそれを痛ましく見つめる。
だが、返された言葉は、
「あれは良いぞ。去年の池袋から眼を着けていたんだが、手に入るとは思わなかった。奴なら全力で仕込んでやる。」
「お前の後継と云う事か。」
気軽に尋ねたモクに、だがローワンは首を傾げた。
「いや・・・奴はジ-ンの弟子だ。俺の弟子は死んじまうから・・・」
ローワンの言葉は決して大げさでも悲観的でも無く事実だった。
今のギムリでやっと一年、如何に戦闘兵士がきついとは言えローワン以外で二年と生きた者は居ない。
育てて行けば情は湧く、だが育てて失うを繰り返すローワンにはどれほど辛い事か。
初年兵の頃の明るい眼をしたガキは今は何処にも居なかった。
ローワンが育成したキリ-が一人前になるとG倶楽部員総てが驚く戦闘兵士となった。
ジ-ンとローワンの眼の確かさが良く解かるし、ディランもよくぞ此処まで引っ張り上げたとさすがのモクでさえ認めるに足る出来だった。
キリ-だけでは無い。
同期のマッドもエラ-も呆れるほど腕が立つ。
だがジ-ンはキリ-を最後としてローワンが後継を育てるのを辞めさせた。
「もう良いだろう、ロゥにはこれ以上の負担は掛けたくない。任務だけだってキツイ筈だ。」
ジ-ンの言葉はローワンだけには伝えられなかったが、ローワンは当然気づいて居た。
「ジ-ンは甘いな。」
細身の葉巻を咥えたモクにロゥは皮肉そうに呟いた。
「仕方が無い、ジ-ンの性格からすればこんな物だろう。いつかお前が仕込みたい相手が出るまで休んでおけよ。」
モクの言葉にロゥは頷いたが、
「いつ出て来るかな、キリ-を超える様な奴はなかなか居ないだろうが・・・」
自分が仕込んだ奴に死なれる辛さを痛い程モクが知ったのはアフリカ全土を巻き込んだ内乱時だった。
ライラとエラ-の緊急出動要請に応えて飛び出したのはベテランのローワンとモク、そしてマッドの三人だった。
だが、その規模の大きさに巻き込まれ合流も出来ない内にマッドとも逸れてしまう。
ハクとドンが送られ何とか探し出した時にはエラ-は重傷を負い、ライラは死んで居た。
「済まない。俺が怪我をしたからライラは動けなくて・・」
泣きながら詫びるエラ-とマッドにモクは責める言葉を持たなかった。
(良くガキ共を護ったな、後は俺達に任せろ。)
帰国させられただけ良かったとしか言えない。
G倶楽部員は滅多に葬儀など出せる事は無かったから。
それでもやはり辛かった。
手塩にかけて育てた後継を失うのは身を裂かれるほど辛い。
「モク、マレーシアに出てくれないか。」
ジ-ンに云われたのはその翌月だった。
「何だ、良いのか?」
「今度は少し長期の編成になる。多少事が起きても動かさずに本腰を入れたい。アジア圏はバードのベースが出来てるが事が多いから頼んだぞ。」
おそらくジ-ンとバードの配慮だろうと察しはついた。
今後スナイパーをモクが仕込む事が無いように、これ以上辛い思いをしない様にと。
ローワンの言葉が思い出された。
ジ-ンは甘い・・・確かに親鳥が雛を護る様に抱え込む癖は初年兵の頃から知ってはいたが。
欧州の拠点がパリからベルリンに移ったのは翌年の真冬だった。
神藤中佐亡き後単発以外で連隊本部を動かなかったジ-ンが珍しくひと月も掛けて拠点の移動を指揮したと聞いて驚いたが、その訳をモクが知ったのはかなり後になってからだった。
バードと話すモニターのディランの顔をたまたま眼にしたモクは、そのやつれ具合に眼を見張った。
無論直接聞く気は無い。自身に未だ何処かに引きずるものが有るのは確かだが、それよりもおそらくディランが聞かれたくは無いだろうと思ったのだ。
案の定バードから聞いた内容はモクの感が当たっていた。
「初めて愛した女性が他所の男に嫁がされた挙句、初夜の夜に身を投げて死んだそうだ。ジ-ンは暫く日本に連れ戻そうとしたようだが、本人が嫌がっている。」
「それは辛いだろうな。」
素直に出た言葉にバードが眼を上げた。
「そりが合わないんだろう、ディランとお前は。」
「合わなくても気の毒だとは思うよ。時間が掛かるだろうな、そういうのは。」
精神的に大人のバードは同期でもモクやローワンには頼れる兄貴分だったし、最年長のディランでも事が起きると相談するのはジ-ンかバードであった。
「もし何ならベルリンに行って来ても良いぜ、一週間ぐらいなら大丈夫だ。」
黙ってモクの顔を見るバードに続けた。
「ディランが話せるのはお前とジ-ンだけだしな。こんな時ぐらい行ってやれよ。モニター越しじゃ無く傍に居てやる方が良い時も有る。」
眼鏡越しの瞳が優しく和んだ。
バードが留守にしたのは僅か五日ほどだったが、ジ-ンにわざわざ礼を言われたのには驚いた。
『ディランには云わないが今回は俺が礼を言う。お前がバードを送った事はディランには良かったようだ。気を使わせたな。』
「気にするなよ、そんな事。」
相変わらず部下には甘いジ-ンに笑いながらモクは素っ気なく答えただけだった。
マッドが死んだのはやはりアフリカだった。
救出任務で内陸深く入り込んだハクとシュリ、そしてマッドは対象の欧州在住の国連大使を救いはしたが囲まれたと聞いた。
仲間と大使を逃がす為にマッドは殿を護り、生命を失った。
その犠牲はやがて形を変えてG倶楽部に戻る事になるがそれは今では無かった。
同期のキリ-は表情ひとつ動かさず迎えに行き事後処理を果たして帰国し、MITでの短期留学をしていたエラ-の元に飛んで行ったらしい。
「やはりキツイな、同期に死なれると。そうで無くても奴等は仲が良いし。」
「少ないからなぁ、俺達みたいに多ければまだ気持ちは楽なんだが。」
キリ-もマッドも任務の為にクアラルンプールには良く訪れていたし、戦闘兵士との相性の良いモクからすれば他の誰よりも話もしやすい二人だった。
エラ-が留学を終えて情報管理官としてG倶楽部に居座ったのをモクはキリ-やローワンの為に喜んだ。
「これでキリ-も少しは気が楽になるだろう。」
ローワンが育てたせいかローワンそっくりの無表情、口数も少なく眼つきの悪いキリ-が翌々年の伏兵伍長になった時、モクとバードは思わず顔を見合わせた。
「おい、奴が伏兵伍長だと?」
「死ぬな、初年兵。」
ところが八月に一人、九月に五人を上げたと聞いて二人は腰を抜かすほど驚いた。
しかもG倶楽部初の女性兵士が二人も含まれていると云う。
可笑しかったのはコオハクがシュリまで巻き込んでジ-ンにねじ込んで帰国した事だった。
「コオの奴女好きだからなぁ。」
「ハクもだ。だがロゥが女を仕込むとは思わなかった。」
「顔触れが凄いらしいな、神藤中佐の息子ってあのガキだろう。ジ-ンが面倒見ていた。」
「マッドの妹も居る。お前も帰って見て来るか?」
バードの言葉にモクは笑って首を振った。
「戦闘兵士候補のゴツイ女に興味は無い、それより伏兵伍長をしていたキリ-の顔が見たかったぜ。」
「俺もだ。」
笑う声は長くは続かなかった。
十一月、コオからの一報はローワンの死亡とジ-ンの左腕切断を知らせて来た。
蒼白のコオの顔がモニターに映る。
『何故あの二人が事を急いだのかは判らんが、こればかりはキッドの責任は問えない。何よりキッドが一番堪えているしな。頼むからモク、キッドを怒るなよ。』
「・・・ガキを怒ってどうなる。それぐらいは俺だって承知して居るさ。ただ、ジ-ンに出来るだけ早く帰国させてくれるよう伝えてくれ。」
『了解した。』
コオが心配したようにバードも同じ事でモクの注意を促した。
「ロゥは余程気に入ったようだな、キッドとやらを。キリ-が上げた奴だからか、それとも本気で仕込むに足ると認めていたのか。十八の女のガキに入れ込むだけとも思えないが・・・」
「解かってる。心配しなくて良い。」
ローワンが死ぬとは誰一人考えもしなかった。
ましてやモクは特に。
焦れる様な三週間が過ぎて帰国したモクを迎えたのはピリピリと緊張したコオハクやウルフ達、ジ-ンは黙ってモクの眼を覗き込み低く告げた。
「済まん、俺のせいだ。」
怒る気は無かった。
例え反対の立場になってもローワンがガキを問い詰めるとは思わないし、戦闘職種ならば冷静に対応するはずだ。
だが、モクの口から出された言葉は決して冷静とは云い難い物だった。
「ロゥの生命は誰が引き継ぐ。」
モクにはすぐに解かった。誰がキッドかは。
その場の全員の視線が動くまでも無い。
若さの片鱗を失った暗い瞳、少年の様に引き結ばれた唇、蒼褪めた頬と握りしめた拳に早くして師を失った辛さを一人で背負う少女。
そうか、ロゥ。お前がキリ-よりも惚れ込んだのはこのガキか・・・
続けて呟いた言葉はまるで親友を取られた八つ当たりの様に自分の耳に届いた。
「納得がいかん、おいおい試させて貰う。」
ロゥは納得して死んだ。
こいつを生かす為に命を呉れてやった。
だが、それがなぜこれほど悔しいのか。
誰よりも一番近い位置にいた自分が抜かされた、それが悔しいのか。
この小娘に大事な親友を取られた事が悔しいのか。
自身でも判らない感情が抑えようも無く湧き上がった。
だがしかし、キッドは一言も無くただ行動で示した。
キリ-の腕に対抗できる訳では無い、それは当然だろう。
繰り返される日々の戦闘訓練、ジ-ン相手の語学や地理、歴史の講義。眼を見ればわかる。
どれほど真剣かは。
「ロゥはなぁ、嬉しそうだった。」
それは中庭での事。同期のウルフとコオが傍にいた。
「最近には珍しく楽しんでいたな。」
ウルフの言葉にモクが眼を向けると、
「キリ-並みになると云って・・・小娘なのは確かだが二年もすればキリ-と肩を並べる戦闘兵士になる、きっとジ-ンやキリ-が楽になる。奴の器はデカい。そう云ってた。」
あのローワンが其処まで見込んだ対象は今はキリ-に叩きのめされている。
毎日毎日、まるでボロ雑巾の様になりながら気を失うまでキリ-に向かい続けている。
やっと十九歳の細く小さな小娘はローワンの遺志を継いだのか。
ほんの少しだけモクの心が緩んだ。
「ジ-ン、あれに射撃を教えたいがどうだろう。」
云いながらも己の口が発する言葉を疑ったが止めようも無い。
ジ-ンは綺麗な眼をモクに向けた。
「ああ、なるべく教えてやってくれ。」
「良いのか、今だけでもかなりきつそうだが。」
一瞬ジ-ンは黙り込み、やがて呟いた。
「俺はロゥがのめり込むのを抑えられなかった。その結果がロゥの死と今のキッドに繋がる。キッドはロゥが唯一弟子と認めた相手で、これからを嘱望していた者だ。今の俺が出来るのはキッドの手をひとつでも多く増やし、伸ばしてやる事だけだろう。ロゥの代わりにな。」
「・・・女でも、か。」
大の男が、それも揃いも揃っていい歳をしたベテランG倶楽部員でさえ、仲間に死なれることがどれほど堪えるか。
指令が下されると周囲の緊張感は半端では無い。
やっと十九の小娘ではどこまで耐えられるのか。
だが、返された言葉は、
「まだガキだ、だからこそ今仕込んでおきたい。」
呆れるほどの集中力、研ぎ澄まされた感性、反射の速さとそれをも制御する冷徹な精神。
これは本物だ、とモクは思い知った。
戦闘兵士だけでは無い、スナイパーだけでも無い。
日本陸軍最精鋭G倶楽部をまさに体現する者、これこそがキリ-が手を引き、ローワンが惚れこみ、ジ-ンが護る戦闘兵士キッドの姿だった。
今はまだ技術的にはどれもが拙いが、確かに二年もすればキリ-と肩を並べる実力を持つだろう。
モクがキッドの笑顔を初めて見たのは三月、カリフの陸士大入学が決まりジ-ンの義手が出来た頃だった。
丸っきりの子供の顔。
口数も少なく会話も続かないキッドだが笑った顔は・・・
やはり子供の顔だった。
人に歴史あり。
モク小父さんの昔語りはこれで終わり、次に進みます。




