過去 Ⅱ
四月一日に集まったのはいっそ見事なほど与太者の群れだった。
時折見える背筋の伸びた鋭い動作の奴はおそらく陸短出だろうが、ほんの一握りしか居ない。
後は由緒正しいヤクザの誠一郎でさえ呆れるばかりの満員御礼チンピラ祭りだった。
最初のひと月は行進と駆け足と敬礼を叩き込まれ、背筋を伸ばして真っ直ぐ立つ事さえ出来ない野郎は大半が辞め、盗みや恐喝犯、異性はいないものの同性に対する強姦野郎も残らず切り捨てられ入隊式を済ませると僅か半数、それでも公務員と云う立場は今の時代大きなメリットとなるのか、ざっと見る限り100人は下らない野郎どもが居残っていた。
親を殴って縁を切った以上、生活する糧は自力で片を着けなくてはならない。
いくら住む場所があっても飯だけは喰わない訳にはいかないし、当然ながら学費も払えない。
考えた結果、誠一郎は日本陸軍に入隊することにした。
入隊願いがぎりぎりで間に合って飛び込んだ結果として、今が有った。
誠一郎が入ったAチームは何とも云えない異彩を放つ顔触れが揃っていた。
やけにデカいヒグマの様な大山はまさに名は体を現すの典型。
変わった眼の色の雪代はハーフだろう。
上背は有るが痩せて猫背、眼鏡の奥の眼が理知的な信田、めちゃめちゃ良い体格で俳優顔の高田、足音を立てずに忍び寄る近藤以外は体格も年齢も誠一郎より上の奴等だった。
「おい、男女混成じゃ無かったか、何処に女性兵士が居るんだ?」
高田が長い手足を伸ばしたベッドから尋ねたが、
「お前が来たから逃げたのさ。」
「安心しろ、お前が女性兵と絡む事は無い。」
即座に入ったツッコミは大山と雪代。ムッとした高田に近藤が笑った。
「女日照りを解消しに来たのか?」
高田の眼が若い近藤を睨み付けた。
「俺が女で不自由すると思うか、煩わしいから此処に避難したんだぜ。ガキは大人の話に首を突っ込むな。」
「そりゃ失礼、餓えてるように見えたんでな。」
如何にも小馬鹿にしたような口調に高田が身を起こす。と、
「その辺にしておけ、考査が入る。」
雪代の言葉に二人は互いに矛を収めた。
誠一郎が見る限り雪代と大山は陸短出身、おそらく同期で仲も良いのだろう。
高田はタイプが全く違う信田と知り合いのようで時折低い声で話している。
体格的に優れた四人だったが近藤の動きには一歩も二歩も譲るしかなかった。
マーシャルアーツと云う格闘技をしていたと誠一郎には話して呉れたのはおそらく歳が同じだったからだろう。
まるで猫の様な滑らかで素早い動きは全く音を立てない。
大した物だと見ているとやはり寄ってくる。
「良かったら教えようか。」
見返すと角ばった顔の中に明るい瞳が笑っていた。
それは久しぶりで眼にした何の衒いもない笑顔、狼狽えるほどの優しい表情だった。
「お前さ、何だか辛そうなんだよ。俺と同じ歳だろ?
なのに世の中の不条理を一人で背負ったみたいでさ、見てると俺まで苦しくなる。少し発散したらどうだ。」
後に<地獄の>と形容される初年兵訓練だったが誠一郎達のAチームは呆れるほど楽々と熟していた。
だからだろうか、訓練が終わってからも余裕をかまして近藤と誠一郎は格闘技を楽しんでいた。
事が起きたのはそんな時だった。
何時もの様に近藤と組手を済ませて居室に帰りかけた時、廊下での騒ぎに気付き誠一郎は眼を疑った。
その中心に居るのは何時も落ち着いた雪代、綺麗な色の眼に酷薄な光を浮かべDチームの連中の只中に立っていた。
「だからなんだ、俺の眼がそんなに気に入らないか。」
育ちが育ちなだけに修羅場も幾つかくぐって来た誠一郎でも背中がひやりとする、それは唯の喧嘩では済まされない冷気を含んでいた。
「近藤、大山を呼んで来い。」
素早く消えた近藤には眼もくれず誠一郎は雪代の後ろにするりとついた。
「雪代、半殺し程度で収めろ。雑魚は俺が見る。」
告げた途端に飛び掛かって来た男を殴り飛ばす。雪代の背中を護りながら誠一郎は冷静に一人づつ倒し相手が居なくなると振り返った。
そこに大山達が駆けつけて来たが、市橋軍曹も飛んで来た。
「何をしてるか!」
雪代の手が掴んでいたのはDチームの一人、完全に意識を失ってぶら下がっているし、残りは周囲に転がっていた。
「殺したか?」
誠一郎の問いに雪代は緑灰色の眼を上げた。
「お前が殺すなと云ったじゃないか、加減したから腹が収まらん。」
剥れた表情が可笑しかった。
軍曹の説教は長かったが、誠一郎はこんな綺麗な眼を笑うような奴は何度でも叩きのめしてやると平然と告げ、呆れ果てた軍曹が匙を投げる形で騒動は終結した。
居室に帰る途中雪代が不意に笑い出した。
「何だ、壊れたか。」
「いや、お前良い奴だな。気に入ったぜ。」
「そりゃどうも。どうせなら女に気に入られたい処だが。」
返事の代わりに何時までも笑う声が夜中の廊下に響いていた。
二か月目からの模擬戦が始まると銃撃に慣れた陸短出の大山と雪代、そして高田に信田の独壇場となった。脚の速さでは近藤には及ばないものの、小銃の扱いと何より作戦の立て方、展開そして指示の的確さは誠一郎に良い意味での刺激を与えた。
「森田、雪代の援護に入れ。右から攻めろ。」
「了解。」
脚なら誠一郎も負けて居なかったし、眼もこれほど良かったのかと自分でも驚くほど良く見えた。
対戦相手はFチーム。殲滅戦では最後の一人まで狩らなくてはならない。
雪代の後ろを護りながら誠一郎の眼は油断なく周囲を見渡す。
ブッシュの僅かな揺れに撃ち込むと一人消え、残りは二人。
近藤、高田コンビと合流してたちまち狩り出した。
「近藤は良いぞ。弾を見切って走る。」
高田が嬉しそうに言うと雪代もチラリと誠一郎を見て、
「森田も眼が良い、的確に位置を把握している。」
年長者二人の目論見がどうあれ今のAチームに敵は居なかった。
思わぬ落とし穴に脚を踏み込んだのは油断からでは無い。
まったくの悪意の塊だった。
「お前、ヤクザ者だってな。」
不意に掛けられた声は誠一郎には馴染の無い声、今まで口を利いた事も無い他のチームの奴だった。
脚を止めて見れば知らない顔ばかりが居並んでいた。
「組長の親父に勘当されるほどダメダメ野郎だって聞いたぞ。だから喰いっ逸れて此処に来たのか?」
他人を中傷する為だけの声はざらついて聞こえる。
行き過ぎようとした前を塞いで続ける。
「未成年だから前科は無いだろうが、迷惑だよな。」
「まったくだ。日本陸軍にヤクザ者が居ると質が下がる。」
「なぁお前、辞めたらどうだ?」
黙ったままの誠一郎に嵩にかかって詰めて来た。
「どうせやる気なんか無いんだろ。イザって時に逃げられるのは困るんだよ。」
「お前みたいな奴に銃なんか持たせられない、どっちに銃口を向けるか判らないしな。下手すりゃ味方を撃つんじゃないのか。」
ボカッ!
誠一郎の横に立っていた味方撃ちの発言者が頭を抱えて蹲った。
叩いたのは雪代と大山。
「軽い音だ、中身の無いかぼちゃ並みだな。」
騒然とした周囲を他所に誠一郎は蹲った男を見下ろした。
「ひでぇ、二人で殴ったら頭へこむぞ。」
この二人の力量がどれほどの物かは最近一緒に格闘訓練をしている誠一郎は知って居た。
「何を云ってる、お前の代わりに殴ってやったのに。」
「何で言い返さない。幾らお前が呑気者でもやられっぱなしは俺は許さんぞ。」
雪代は真面目に怒っている様だった。
思わず笑って、
「ヤクザの家系は本当だ、縁を切られたのもな。俺からも殴って切ってやったが、知らない奴が何を云っても腹など立たんさ。殴るほどの事じゃ無い。」
大丈夫かと真顔で聞いている誠一郎を見て雪代と大山は顔を見合わせて笑いだす。
男気の有る呑気者と云われるようになったのはこれからだった。
梅雨が明けると茹だる様な暑さの中で走る、走る。
没頭した三か月があっという間に過ぎると一人の士官が前に立っていた。
「初年兵訓練の終了おめでとう。雪代、大山、高田、信田と森田、近藤。以上6名はG倶楽部配属となる。私はG倶楽部の責任者で中佐の神藤だ。」
初めて聞いた誠一郎とは違い雪代達は知って居る様だったが、たった六人で何をするのか。
その疑問は神藤中佐が明かしてくれた。
「此処がG倶楽部の拠点となる。」
新設された広い体育館、トレーニングマシンが並ぶ反対側は格闘用のスペースが採られている。
「まずはG倶楽部の役割とそれに従事する覚悟を聞いて置きたい。無理だと思ったなら遠慮はするな。半端な覚悟で人は殺せない。」
穏やかで紳士的な四十代半ばの中佐には不似合な言葉が事の重大さを表していた。
「G倶楽部は陸軍作戦総司令部直属、関東師団長旗下となる。
つまり私の上には師団長しか居ない。
任務はごく単純。
指令に従い捜査、捜索、探索、情報の準軍事活動と、戦闘、暗殺からなる軍事活動に限定される。それぞれの適正に合わせたトレーニングを積み専門職として動くが、総体的に一般兵士より遥かに高いレベルを維持しなくてはならない。
相当きついと思うが公には踏み込めない他国介入までも視野に入れて考えている以上、そして生死が常に関わる以上G倶楽部員に緩さは必要ない。
そして何より大事な事は重大な守秘義務が課せられる。
G倶楽部員以外にG倶楽部の欠片たりとも漏らす事は許されないと認識して貰おう。
日本陸軍が表なら我がG倶楽部は完全に裏組織となる。
作戦遂行中の死は訓練中の事故として扱われるがおそらくは遺体の回収は無い物と心得て貰う。
では、いったん命が下れば人の命も奪う覚悟が有るのかを、先ずは確認させて貰うぞ、雪代。」
それは現実味に掛けた問いだった。
誠一郎が自分の内心を探る様に、おそらくは全員が自身に問いかけていただろうが、最初に問われた雪代に迷いは無かった。
「承知しました。」
一欠けらも躊躇う事の無い応えはいっそ清々しい。
「大山。」
「・・・了解です。」
「高田。」
「了解しました。」
「信田。」
「了解。」
神藤中佐の眼が近藤に向けられる。
「お前達はまだ若い、退いても構わない。」
近藤は少し驚いた顔で、
「だって困るでしょ、格闘技の一番が抜けたら。
高田が横目で睨んだがこればかりは事実だった。
「そうか、では森田は?」
黙り込んだ誠一郎に中佐以下急かす事も無く唯待って居る。
「・・・・・・・・承知。」
「良いのか?」
問い質したのは中佐では無く雪代だった。
「お前には護らなくてはならないものが有るだろう。表の部隊なら何時でも抜けられるが此処は・・・」
「良いんだ。もう手を切ったし。」
「後悔するぞ、迷ったままだと。」
高田の声は優しく聞こえる。
「迷った訳じゃ無い。即答しなかったのは・・・別れを確認していただけだ。」
誠一郎の肩に触れる手は信田のもの。
「お前は優しいから向かない。割り切れない事が多いぞ。」
「八つ当たりするさ。」
それ以上の反論は出なかった。
「解かった、此方としても助かる。現役東大合格者は押さえたい処だからな。」
中佐の言葉に全員が眼をむいた。
「何だと・・・それで何で此処に居る。」
「馬鹿野郎! 行けよ東大へ。」
「お前って頭良いんだ。」
近藤の声にだけ反応する。
「受かっただけだ、一度も講義を受けた事が無いし。それだって忘れてた・・・ごたごたしてて。」
「勝手な采配だが、大学側には半年の入学猶予を申し入れて在る。お前が何時でも復学できるように。」
今度は誠一郎が眼を見張った。それに応える様に、
「私は立場上全員のプロフィールを知って居る、その中から心技体揃った者を厳選した心算だ。森田、後悔は?」
「無い。」
今度こその即答に神藤中佐は鮮やかに笑った。
「ようこそG倶楽部へ、モルモット諸君を歓迎する。」
「森田誠一郎雅嗣・・・なぁ、いったい何処をどう呼んだら良いんだ。」
「お前、お侍か?」
「由緒正しい家柄だな。」
「上と下をくっつけて呼べば良い、モ・グだな。」
土の中を這ってそうだと呟くと大山は簡単に直した。
「じゃあモクだ。」
横着だと笑ったが実際は気に入った。
森田の名も、如何にもな跡取り然とした誠一郎雅嗣の名も切り捨てられるならモクでも御の字だ。
『コールネームは必要だ。何処のどんな作戦に出ても日本陸軍とは係わりを持たせる訳には行かない。東洋人なのは致し方ないとしても適当な呼び名を作って慣れて置け。』
中佐の指示で名前を決めたが笑ったのは、
「俺はウルフが良い。」
「どう見てもヒグマだろ。」
大山に突っ込んだのはやはり近藤。もっともだと頷いたのは高田だった。
「熊なんぞと呼んだら返事なんかしないぞ。」
どうでも押し切ろうとする大山に誠一郎-モク-が加勢した。
「返事をするまで延々と怒鳴る訳にも行かない、ウルフで良いだろう。」
嬉しそうな表情を見ると何かしらの拘りが有るのだろう。
雪代の番になって困った。
「ヨーロッパ系は御免だ。ウルフ、考えろ。」
振られての長考、やがて顔が上がった。
「ジ-ン。」
「面倒だ、それで良い。」
即決は雪代らしいとみんなで納得した。
「高田は・・・コオ。簡単で音も絡まない。」
「仕方ないな、だいぶ端折られたようだが。」
信田は鳥っぽいからバード、近藤は何となくローワン。
「何となくって何だ・・・なあ、長くね?」
「じゃぁ・・ロゥ。」
近藤が長い長い溜息を吐いて承諾した。信田に至っては肩を竦めただけだった。
日本陸軍第九期生、後に華の九期生と呼ばれるG倶楽部創立メンバーが此処に揃った。
初手から上手く云った訳では無い。
年齢も産まれも育ちも全く違う六人は事在る事に揉め、諍い、怒鳴りあい、葛藤の中で一歩ずつ進んで行った。
格闘技に天武の才を持つローワンは更にその腕に磨きを掛け他の追随を許さない。
マシントレーニングをこよなく愛するウルフが各自のプログラムを作ったのは正解だったようで、ローワンは特に熱心に身体を作っていたしモクも同様だった。
「決まったか?」
中佐が返事を聞いて来たのはその提案がなされてから半月後、プロポーズの返事待ち程度の時間を掛けたのは提案自体が重い物だったから。
『スナイパーは確信を持って引き金を引く。殺す意思を指先ひとつで表す。スコープの中で己が奪った生命を常に見据える事になる。だからこそ軍に限らず警察組織でも狙撃手は弱い心で務まるポジションでは無いんだ。
精神をやられる、心が壊れる、はっきり言って自殺の確率が高い。だから良く考えてくれ。』
モクは考えて、考えて、考えた。その結果。
「承知した。ただ一つだけ聞きたい、ローワンと違って射撃の腕が飛び抜けて良い訳じゃ無い俺に振った理由は?」
中佐は酷く真面目な表情で男の眼を見返した。
「誰よりも冷静、冷徹、冷厳。そして優しい。無駄に苦しませない為に一撃で仕留める努力の出来る男だと見た。」
モクがスナイパーとして立った時誰もが反対した。
ジ-ンは特に、
「モクにさせる位なら俺がやる。」
もっとも暗殺まで含む戦闘兵士としてローワンが立った時も同じように云い出し、全員の苦笑を誘ったのだが。
「苦労性だよな、庇いたくって仕方ないらしい。」
鼻に皺を寄せてローワンが笑う。
「俺達がコケたら奴も堕ちる、此処は頑張り処だぜ。」
徹底した個人教練はモクの腕を上げて行った。
冬に入る頃には六人の中でダントツのレベルを誇り中佐の眼の確かさを全員が実感していた。
年を越した頃から正式な任務が入り始めたがそれとてジタバタしながら足掻きながら、がむしゃらに突き進んでいったに過ぎない。
マニュアルも手引きも無い。痛い眼に合いながら、悔しい思いをしながら唯走り続けた。
「言葉と土地を知らないと駄目だ、迷子の戦闘兵士なんて馬鹿丸出しだぞ。」
プノンペンから帰還したローワンの第一声に答えたのはジ-ンだった。
「語学と地理の講義を入れよう。世界情勢まで含めておかないと役に立たないだけじゃない、死ぬ事になる。」
コオとバードが陸士大出身と聞いたのはその頃。
ふたりを講師として詰め込み始めたのは春にもならない時期。
命が掛かれば真剣になった。そこからジ-ンが伸び始めた。
軍事外交には特別な才覚が要る。神藤中佐はジ-ンにそれを求めたのだ。
任務に出る度に足りない処を思い知り、急増ながらも手を当てて行く。
やる事は山済みで追いつかないが怒涛の様な一年を迎える頃には形が整って来ていた。
初めてモクが人を撃ったのもその頃だった。
イエメンを調査中の国連大使が誘拐されG倶楽部に捜索救出の任務が与えられた時、出たのはローワン、コオそしてモクだった。捜索確保まではしたものの救出ヘリの遅れで完全に脚が止ってしまった。
敵の真ん中でまず動いたのはローワンだった。
「あそこを突破する、援護を頼む。」
「承知。」
それは無謀ともいえる特攻。
だがその後何年経っても他の手段は見つからなかった。
駆け抜けるローワンとコオの背中を見ながらモクはひたすらトリガーを引いた。
ゆっくりと静かに確実に・・・
反動はG倶楽部に帰還してから不意に訪れた。
手の震えが止まらない、夜が来ても眠れない、表情が強張ってそれを隠そうとたいして好きでも無い煙草を咥えると、不思議な事に震えが収まった。
「スナイパーは敵の命を奪う。だが味方の命は救う。」
自分の煩悶を隠しきった心算だったがローワンには見抜かれていた。
同じように咥えた煙草に火を点けて、
「お前が居たからこうして生きている。ありがとよ。」
「ああ、こっちもだ。」
中庭でただ二人、だらしなく壁に凭れて煙草をふかした。
いつ死んでもおかしくない状況の中で六人は手傷を負いながらも生き残り、強制的に場馴れして行った。




