名鳴り
名を残すことを
望む人は多いけれど
名を残さないことを
望む人は少ない
君の替わりは
いくらでもいると
のしかかられても
蹴飛ばされても
ただ静かに笑う人がいる
遣われる
沢山の人の中で
尊敬される人がいて
尊敬されない人がいて
信頼される人がいて
信頼されない人がいて
決して名前は残らないけれど
僕達のために
なくてはならないことを
ひっそりとやっている人がいる
君の替わりは
いくらでもいると
それでも
今
この瞬間に
君の熟す
その幾つかのことに
僕達は生かされている
紛れもない
その本当より
虚夢ばかり見上げる
僕達の手は短すぎて
君の名前には届かない