6
んぴゅううう、んぴゅううう、んぴゅううう
6
んぴゅううう、んぴゅううう、んぴゅううう、という音がする。
たまに、んぷ、んぷ、という音も。
ん、ん?
これは、ミルフィーユのげっぷの音に似ているけど。
辺りは真っ暗で、何も見えない。
テレビで聞いたことのある、あの世とかいう場所なのかな?
とうとう、僕は死んで、そういう場所に来てしまったんだろうか。
う、う、う、と泣きそうになる。
確かに、物凄い光だった。
目が悪くなりそうな光線の渦、光がぐるぐると、身体の周りを回っている。
しばらくすると、カーテンが下りるように、光が消えて行く。
そして、ドッカーーーーーーン
その途中で、意識が消えた、と思う。
何も覚えてないし…
いや、覚えている。
た、た、確か、しずかちゃんと、け、け、結婚することになって、しずかちゃんのガラスの家に行って、ものすご~~~くおいしい食べ物を食べた。
おいしかったにゃあ、違う、違う、ミルフィーユなまりになっているし。
みんなも、死んでしまったんだろうか。
しずかちゃんとお父さんとお母さんも。
「んにゃああ」という声が聞こえた。
「にゃんで、真っ暗なんにゃ?」
「ミルフィーユ?」と僕は言った。
「ミルフィーユ? ほんとに、ミルフィーユ?」
良かった、あの世にいても、一人ぼっちじゃないって、嬉しい。
「にゃははははは」
笑うか、こんな場面で、ミルフィーユ。
「にゃんと、目を閉じていたんだにゃあ」
目を開けろよ、実際。
うわ、ミルフィーユの目が、ピカーーーーーっと光っている。
しかも、光線みたいに、暗闇を照らしている。
暗闇を照らしても、暗闇が見えるだけで、ここがどこかは、わからないままだ。
また、んぴゅううう、んぴゅううう、んぴゅううう、という音がして、真っ暗闇になった。
寝ていたんだな、そして、また寝たんだな、ミルフィーユ。
僕も寝ようかな、することもないし。
「サロンパス将軍に報告があります」という大きな声がして、僕は、ビクッと目を覚ました。
この声は、パフィ?
「周囲が真っ暗であります」
報告しなくても、そんなことは、わかってるよ。
「ここは、どこでありますか?!」
「ここはね、あの死んだ人達が行くという~~~、あの世だよ~~」
と怖がらそうとして、冗談ぽく言ったら…
うあああああああああああ。
きゃあああああああああああ。
うな~~~~~~~~。(アルファルファ?)
どしんどしん、どかんどかん、がらがらがらがら、どすどすどす…
どれだけ、人がいるんだよ、という状態になった。
「サロンパス~、あなた~、旦那様~~」というしずかちゃんの声までしている。
そんな呼び方をされると、何か照れてしまう…
結婚か~~、と周囲の喧騒をよそに、ぽわ~~~ん、となってしまった。
「やかましいにゃあ」とまた、ミルフィーユの目が光線を放った。
「寝られにゃいにゃあ」
パチッという音がして、周囲が明るくなった。
電灯が(あったのか)ついたのか。
「これは、どういうことだ。
この小動物共は、何なんだ!!」
という大音響で、僕達小動物共は、頭を抱えて、地面に倒れた。
まさか、アンモナイト氏まで、いるとは思わなかった。
「バウバウ」と言いながら、アンモナイト氏の周辺をどすどす走り回っているのは、パフィじゃないか。
明るくなったので、倒れたまま、周囲を見回してみたが、やはり、見慣れない場所だし、ここが、どこなのかは、わからないままだ。
ガラスの家でもいいから、帰りたい。
穴の中なら、もっといい。
「僕は、カルバンクライン」という声がした。
「私は、サラサーティ」
一体、誰?
「後少々お待ちください」
「もうしばらくお待ちください」
「長い旅も、終わりに近づいております」
「にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ~」とミルフィーユが、騒いでいる。
「終わりって、にゃに?」
「食べられないよ」と僕は先回りして言った。
「ミルフィーユ、お父さんがついているから、大丈夫だよ~~~」
とアンモナイト氏が、猫なで声で言った。
「お前にゃんか…」と言ってから、ミルフィーユがためらいを見せている。
ミルフィーユがためらい…
状況がわからないうちに、うかつなことは、言えないよね、ミルフィーユ…
「到着しました」
「全員、外に出てください」
遠くで、ぷしゅー、という音がした。
外に出ろ、ということは、今は、何かの中だということだろう。
僕を含めて、誰も身動きしなかった。
んぴゅううう、んぴゅううう、んぴゅううう、という音が聞こえてきた…
んぷ、んぷ、んぷ、という音も…
「起きてください!」
んぷ、んぷ、んぷ




