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ミルフィーユ戦記  作者: まきの・えり


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6/8

んぴゅううう、んぴゅううう、んぴゅううう

      6

 んぴゅううう、んぴゅううう、んぴゅううう、という音がする。

 たまに、んぷ、んぷ、という音も。

 ん、ん?

 これは、ミルフィーユのげっぷの音に似ているけど。


 辺りは真っ暗で、何も見えない。

 テレビで聞いたことのある、あの世とかいう場所なのかな?

 とうとう、僕は死んで、そういう場所に来てしまったんだろうか。


 う、う、う、と泣きそうになる。


 確かに、物凄い光だった。

 目が悪くなりそうな光線の渦、光がぐるぐると、身体の周りを回っている。

 しばらくすると、カーテンが下りるように、光が消えて行く。


 そして、ドッカーーーーーーン


 その途中で、意識が消えた、と思う。

 何も覚えてないし…

 いや、覚えている。


 た、た、確か、しずかちゃんと、け、け、結婚することになって、しずかちゃんのガラスの家に行って、ものすご~~~くおいしい食べ物を食べた。

 おいしかったにゃあ、違う、違う、ミルフィーユなまりになっているし。

 みんなも、死んでしまったんだろうか。

 しずかちゃんとお父さんとお母さんも。


「んにゃああ」という声が聞こえた。

「にゃんで、真っ暗なんにゃ?」


「ミルフィーユ?」と僕は言った。

「ミルフィーユ? ほんとに、ミルフィーユ?」


 良かった、あの世にいても、一人ぼっちじゃないって、嬉しい。


「にゃははははは」

 笑うか、こんな場面で、ミルフィーユ。

「にゃんと、目を閉じていたんだにゃあ」

 目を開けろよ、実際。


 うわ、ミルフィーユの目が、ピカーーーーーっと光っている。

 しかも、光線みたいに、暗闇を照らしている。

 暗闇を照らしても、暗闇が見えるだけで、ここがどこかは、わからないままだ。


 また、んぴゅううう、んぴゅううう、んぴゅううう、という音がして、真っ暗闇になった。

 寝ていたんだな、そして、また寝たんだな、ミルフィーユ。

 僕も寝ようかな、することもないし。


「サロンパス将軍に報告があります」という大きな声がして、僕は、ビクッと目を覚ました。

 この声は、パフィ?

「周囲が真っ暗であります」

 報告しなくても、そんなことは、わかってるよ。

「ここは、どこでありますか?!」


「ここはね、あの死んだ人達が行くという~~~、あの世だよ~~」

 と怖がらそうとして、冗談ぽく言ったら…


 うあああああああああああ。

 きゃあああああああああああ。

 うな~~~~~~~~。(アルファルファ?)


 どしんどしん、どかんどかん、がらがらがらがら、どすどすどす…

 どれだけ、人がいるんだよ、という状態になった。


「サロンパス~、あなた~、旦那様~~」というしずかちゃんの声までしている。

 そんな呼び方をされると、何か照れてしまう…

 結婚か~~、と周囲の喧騒をよそに、ぽわ~~~ん、となってしまった。


「やかましいにゃあ」とまた、ミルフィーユの目が光線を放った。

「寝られにゃいにゃあ」


 パチッという音がして、周囲が明るくなった。

 電灯が(あったのか)ついたのか。


「これは、どういうことだ。

 この小動物共は、何なんだ!!」

 という大音響で、僕達小動物共は、頭を抱えて、地面に倒れた。

 まさか、アンモナイト氏まで、いるとは思わなかった。


 「バウバウ」と言いながら、アンモナイト氏の周辺をどすどす走り回っているのは、パフィじゃないか。


 明るくなったので、倒れたまま、周囲を見回してみたが、やはり、見慣れない場所だし、ここが、どこなのかは、わからないままだ。


 ガラスの家でもいいから、帰りたい。

 穴の中なら、もっといい。


「僕は、カルバンクライン」という声がした。

「私は、サラサーティ」


 一体、誰?


「後少々お待ちください」

「もうしばらくお待ちください」

「長い旅も、終わりに近づいております」


「にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ~」とミルフィーユが、騒いでいる。

「終わりって、にゃに?」

「食べられないよ」と僕は先回りして言った。


「ミルフィーユ、お父さんがついているから、大丈夫だよ~~~」

 とアンモナイト氏が、猫なで声で言った。


「お前にゃんか…」と言ってから、ミルフィーユがためらいを見せている。

 ミルフィーユがためらい…

 状況がわからないうちに、うかつなことは、言えないよね、ミルフィーユ…


「到着しました」

「全員、外に出てください」


 遠くで、ぷしゅー、という音がした。

 

 外に出ろ、ということは、今は、何かの中だということだろう。

 僕を含めて、誰も身動きしなかった。


 んぴゅううう、んぴゅううう、んぴゅううう、という音が聞こえてきた…

 んぷ、んぷ、んぷ、という音も…


「起きてください!」




 

 

んぷ、んぷ、んぷ

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