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(後編)

前回までのまとめ。BUMPを全く知らないケンジくんと初めてのBUMPライブへ行くことに。ドキドキしながら、遂に当日を迎えたのだった。


遂に初めてのBUMPライブ。ドキドキしながら待ち合わせ場所で待っていると、「お待たせ〜」と言ってやって来たケンジくんは、かつての朴訥とした優しい印象とは打って変わってしまっていた。

V系バンドのメンバーのごとく、前髪を逆Vの字に決めて茶髪に染めてやってきた。アチャー。と思った。顔に出ていたかもしれない。だがしかし、話してみると昔からの優しいケンジくんだった。


しかし、こんなザ・大学生デビューするやつが果たして今までいただろうか。会場のマリンメッセ福岡に向かうバスの中でも彼の大学生デビュートークは続く。

「バンドサークル入ってサァ!ギターまじ練習中w」

「ちーこい、のギター簡単って聞いたけどマジむじー。え?ちーこいって何かって?小さな恋のうたっしょ!モンパチの!」


彼の軽快なトークを愉しむうちにあっという間に会場へとバスは着いた!ライブまでまだ時間あるくね?と言っていた彼に、グッズ買いたいから早めに来たというと成程と言った感じで文句も言わず一緒に並んでくれた。やっぱり良い奴ではある。少し抜けているけど。


1時間以上は並んだだろうか。グッズ列ではCOSMONAUTの曲たちが流れていた。天体観測やるかなー!天体観測聴きてー!とケンジくんはしきりに言っていた。ケンジよ。恐らく天体観測はやるだろう。藤くんよ、彼のためにも天体観測をやっておくれ。と祈っていた。また、一緒にグッズに並んでいるうちに、ケンジくんも何か欲しくなったようでパーカーを買おうかなぁと言っていた。私も買おうと思っていたのでお揃いになってしまうのを危惧していた。まぁでも良いか。購入を終えて、外で合流するとまさかの同じ色のパーカーだった。まぁでも良いか。仕方ないか。周りを見渡せば皆同じ服をきているし。うん。


ちなみにこの時買った王様キーホルダーはすぐに杖が折れてしまってショックだった。あれ、折れやすい仕様でしたよね?


お揃いのパーカーへと着替えた私達は荷物を預け、アリーナスタンディングの待機列へと並んだ。早く来たのにはグッズ購入以外にももう一つ理由がある。それは、ブロックが一番前だったからだ。しかも整理番号もかなり前の方だった。ふふふ。これはもしかするとかなり近いんじゃ無いか?ふふ。ニヤニヤが止まらない。ケンジくんにもここで初めてその事を伝えると、すごくテンションが上がっていた。そんな近くで見るのは初めてだ!うぉー!とテンションが上がっていた。私もそれに合わせてうぉー!とテンションが上がっていた。うおー!


やがて開場の時間となり、入場が始まった。走らずゆっくり進んでくださいみたいなアナウンスもありつつ、自分のブロックへと進んだ。最前だった。最前ブロックの一番前の柵へと来られた。ケンジくんはやべー!近けー!会場ひれー!と騒いでいた。私も同様に騒いでいた。ケンジくんはまだ始まってもいないのに感動した様子で、本当にチケットをとってくれてありがとうと涙目ながらに感謝を告げてきた。私もこんなに喜んでくれるのなら、ケンジくんを誘って良かったと思っていた。


実はマリンメッセ福岡に来るのは2度目だ。昔に親に桑田佳祐のライブに連れられて来たことがあった。その時もすごく感動したのをおぼえている。最後の方に演奏した漫画ドリームという曲がすごく格好良かった。その時からロックバンドやバンドサウンドが好きになっていたのかもしれない。


そんな事を考える私の耳に聞き馴染みのあるBGMが流れてきた。ボレロである。てん、ててん、ててててん!のやつである。私世代の人なら、デジモンで流れてたやつ!となるはずである。開演時間が近づくにつれて、緊張して来て口数が少なくなっていた。ケンジくんもそれは同様のようで2人ともキョロキョロとしていて不審だった。


やがてボレロが盛り上がりの最高潮を迎え、てん!ててん!てててん!がでん!!でででん!!!ででででん!!となっていった。あれ?これ?もしかしてそろそろ始まるじゃ?と思うと、更にボレロは盛り上がりを見せていき、私の心臓の音も同様に弾んでいった。でれれーん、でれれれれん!のリズムでボレロは終わり、すぐに暗転した!!!やばい!!始まる!!


そうしてモニターに映像が表示されて、グライダーで色んなところを飛んでるCGのような映像が流れていた。ずーっとワクワクしながら見ていると、メンバーが出てきて一曲目が始まった。


1. 三ツ星カルテット

一曲目は『三ツ星カルテット』!アルバムでも一曲目のめちゃくちゃ好きな曲!白いスクリーンにメンバーの影を映しながらの演出だった気がする。すごくかっこよかった。部屋で1人で聴いていた音楽をここでBUMPが好きな一万人位と聴いているのだと思うと感動した。ケンジくんをBUMPが好きな一万人に入れるかどうかは悩ましいところであったが、物販に並んでいる際「カルマも聞いたら格好良かったから聴きてー!」と言っていたので立派なBUMP好きで良いだろう。なんてったって彼は今紫のBUMPパーカーを着ているのだ。疑いの余地もない。


2. 宇宙飛行士への手紙

そして、続く二曲目は『宇宙飛行士への手紙』!

前編で話した通り、私は宇宙飛行士への手紙/モーターサイクルからファンになったのですごく嬉しかった。そして、この曲が始まるくらいで幕がバーッ!と開き、BUMP OF CHICKENの姿がはっきりとわかった。そして、私達はベースのチャマの目の前であった。増川弘明は少し遠いけど、藤くんも升さんもめっちゃ近い〜!と思った。増川弘明が遠いと言っても、2階席の人よりは全然近いんだろうなとも思った。そんな中、


トリケラトプスに触りたい ふたご座でのんびり地球が見たい


この歌詞の語感というかリズム感がライブで聴くとすごい良かった記憶がある。今でもある。


3. HAPPY

4. ゼロ

5. ギルド

6. 66号線

そこからもライブは続いていった。私は一曲一曲にいちいち感動していた。『HAPPY』はあのPVを何回も何回も見たし、『ゼロ』は目覚ましにしている時期もあるくらい好きな曲。あの荘厳で不穏なイントロが朝弱い私にはちょうど良かった。『ギルド』もフラッシュの延長でニコニコ動画で知った好きな曲。『66号線』もアルバム曲だけど好き。てか、COSMONAUTはどれも良すぎる。しかし悲しいかな、この辺は昔の事だからか記憶が朧げである。でも、途中のMCでチャマが頑張って話してた記憶がある。


7. Smile

そして、次は『Smile』!私はこの曲のバンドバージョンがとにかく大好き。だから、始まった時はすごく嬉しかった。音源でも後奏のところが大好きだけど、ライブで聴くと迫力が桁違いだった。これぞロックバンドと言った感じでメンバーがステージの中心へと集まり、音を重ねて熱を高めていくのがすごく格好いい。ジャカジャカとしたギターソロから、ラストのじゃんじゃんじゃんじゃん、じゃじゃーん!のリフレインまでずっと高揚して堪らなかった。記憶では少し長めにやってた気がするけど、実際はどうだったんだろう。ラストの盛り上がりはこのライブの中でも特に印象的に残っている。


8. グッドラック

9. R.I.P.

こんなに大好きな曲がずっと続くライブがあるのだろうか。そう、ここにあったのである。『グッドラック』は今でもBUMPの曲の中でベスト5に入るくらい好きな曲である。そして、『R.I.P.』。アルバムバージョンではなく、シングルバージョンの前奏ありだった気がする。疾走感のあるこの曲が好きで、体をとにかく揺らしていた気がする。


10.ホリデイ

11. fire sign

続く二曲は会場の後方にある小ステージでアコースティック編成で行われた。しかし、自分のいる位置からは遠くなる為、モニターで見ていたように思う。B面やカップリングこそ至高でごわすwwドゥフフwwという時期を乗り越えていた私であるが、まさか『ホリデイ』をライブで聴けるとは思っておらず、すごく嬉しかった。『fire sign』ではラーラーの箇所を合唱。ここに来て、割と古めのマイナーな曲たちを聴けて嬉しかった。お気づきだろうが、ここまで私ずっと嬉しいのみである。嬉しい楽しいの詰まった宝物みたいな時間を過ごした。これから始まる後半もそれのみである。


12. 星の鳥~メーデー

13. angel fall

14. supernova

15. beautiful glider

小ステージから帰ってくる際に、星の鳥が流れ初め、あ!これ来ちゃう!これ来るんじゃない?メーデーが!メーデーが来ちゃう!と思っていると、メンバーが正面のステージに戻るや否や『メーデー』が始まり、ライブの後半戦がゴングを鳴らした。そこから、『angel fall』を聴き入り、『supernova』で合唱し、『beautiful glider』で体を揺らした。この辺も私の記憶の欠損パート2である。人は悲しいくらい忘れゆく生き物なのです。無念!


16. カルマ

17. 天体観測

そして、最後に盛り上げるぞ!と言わんばかりに『カルマ』が始まった!横からウォー!という声が聞こえ、顔をやるとその声の主はケンジくんだった。ここまで、一緒にライブにきたケンジくん完全に忘れてしまっていた。良かったね。ケンジくん。カルマも天体観測もやったよ。嬉しそうに飛び跳ねるケンジくんの横で私もぴょんぴょんと飛び跳ねていた。カルマを聴きながら、BUMPのフラッシュを教えてくれた友達が「カルマの歌詞は完全にアビスの内容なんでござるよーwww」と言ってたことなどを思い出した。あいつ元気かな。そして、『天体観測』が始まると横からウォー!という声が聞こえた。勿論そちらに顔をやるまでもなくケンジくんのものであった。ちなみに、私もウォー!と言っていた。楽しい時間はあっという間で気づくと演奏は終わり、BUMPのメンバーは帰っていった。しかし、私は知っていた。ライブにはアンコールというものがつきものなんだろう?私の通っていた学校の学園祭でも、吹奏楽部が拍手を促し、半ば様式美のようにアンコールを行なっていた記憶がある。母校の吹奏楽部でもあるのだから、BUMPもあるだろう。


アンコールのための拍手をしていると、どこからともなく歌声が聴こえてきた。らんらーらー、らーらーへいへーいへーへーい。成程。supernovaの合唱でアンコールをするパターンね。と思っていると違う方向からは、らーらー!らららーらーらー!と聴こえてくる。僅かに異なるそのメロディを聞くと、fire signの合唱部分のようだった。マリンメッセ福岡が2つの曲の合唱で入り混じる中、私はどっちともつかないラーラーラーという何の曲でもない合唱を行い、周囲の人の合唱を阻害する活動家になってしまっていた。もうどちらに寄せることもできず私が混乱していると、BUMPのメンバーが出てきてアンコールが始まった。助かった!そして、メンバーによる軽いグッズ紹介が終わり、遂にアンコールが開始したのだった。


EN1. 魔法の料理~君から君へ~

EN2. ダイヤモンド

まだこんなに素晴らしい曲が残っていたのか!最高のアンコールだと思って聴いていた。正直あっという間だった。ニ曲が終わり、終わりかな?と思っていると最後にもう一曲!という感じですラストの曲が始まった。


EN3. ガラスのブルース

最後にガラスのブルースはずるいよー!盛り上がるに決まってるよ。と思い、まんまと私は大盛り上がりした。あっという間にガラスのブルースが終わり、メンバー達が帰って行った。帰る前に下に降りてきて、近くに来たような気もする。私の朧げな記憶パート3。


最後にモニターに「GOOD LUCK」と映し出され、大団円となった。あー楽しかった!


ライブが終わってから、ケンジくんがマジでかっこよかった!本当にチケットありがとう!と言い、ライブの感想を話すなどしながら帰路についた。


そして、ケンジくんと別れ1人になってから、『COSMONAUT』の曲でもウェザーリポートや透明飛行船、モーターサイクル、セントエルモの火など結構沢山の曲が演奏されてないことに気がついた。まぁCOSMONAUTツアーではないもんな。でも聴きたかったなぁ。一応物販に並んでいる時に流れてはいたけども。まぁそれらがなかったにしろ、最高だったなぁ。


ここまで書いてみて、10年以上前のことにしては結構覚えているもんだなと思った。そして、『orbital period』のリバイバルツアーみたいに『COSMONAUT』もツアーをして欲しいなぁと切に願うのだが、ホームシック衛星程のリバイバルツアーを行うことのしっくりくる理由を見つけることが出来ず、今日も途方に暮れる私であった。えーい!理由がなくたっていいじゃない!私は『COSMONAUT』の曲達が聴きたいんだーい!わー!わー!と心で叫びながら、あの初めて行ったライブの日のことを思い出すのだった。

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