表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/20

第8話 小さな舞踏会。

テアちゃんのおばあちゃんから、舞踏会用のお洋服を一式頂いた。今まで頂いたおさがりの服も、良いものだったので見繕って着ていこうと思っていたのに、、、驚いた。

黒の上着に緑の刺しゅう入りのベスト。タイはつるりとしたシルク。緑色。テアちゃんの瞳の色に似ている。


・・・失礼だとは思うが、、、こんな農村部で、こんなお支度??どうやって?一体何??


着付けは聖女様が手伝って下さった。髪を上げて、、、少し大人っぽく見える。僕は、、、10歳になった。


聖女様は薄い菫色のドレス。アクセサリーは銀、、、、綺麗です。

覗きに来たフェリとまた言い争っている。


「タイくらいちゃんと結べないの?貸してみなさい!」

「ええーーーーー」

「ほら、動かない!じっとして!」


フェリのタイは綺麗なブルー。聖女様の瞳の色だね????

黒の上着には金の刺繍、、、、


まあ、、、いいか、、、


こっそりついてきたらしい聖獣様は、聖女様とお揃いの薄い菫色のリボン。似合うね。二人を見上げて、尻尾を嬉しそうに振っている。



*****


「え?」


隣のミラさんの家に行く渡り廊下を渡ってから、、、驚く。素直に。


いつの間にこんなに集まったのか?正装した貴族と思われる紳士・淑女の皆さんが、、、ホールに50人くらい?思い思いのドレス。給仕をする執事。お客様の間を行き来する女中、、、メインのテーブルで腕を振るうコック、、、何??俺、、、寝ぼけてる?


「なあ、、、聖女さんよ、、思いっきり俺の頬をつねってみてくれ。」

「は?いいわよ?」


ぎゅううう、、、と、頬をつねられる。馬鹿力か???


「いてえよ!加減しろ!!」

「あら、、、思い切りつねれって言ったのはあんたじゃない?さ、私をエスコートしなさい。」

「・・・へいへい、、、」


菫色のドレスのエレナに腕を貸す。

ライアンは、先ほど迎えに来たテアちゃんと前を歩いている。テアちゃんは今日は濃紺のドレス。裾に、金糸で刺繍が入っている。かわいい。ライアンは、、、エスコートも練習してた、、、なかなか様になっている。エレナの隣をフェンが堂々と歩いている。


ミラさんが一段高いところに座って、みんなから挨拶を受けている。


「あら、来たわね、ライアン。こちらにいらっしゃい。」


小さいカップルは、並んでミラさんにご挨拶する。上手だ。

続いて、エレナに引っ張られて、俺も挨拶に出る。

「・・・この度は、お招きありがとうございます。」

ミラさんは機嫌が良いのか、扇子越しににやついているみたいだ。何??


側に控えていた紳士が、、、、え?ジャンじいじゃない?ない?よね?


「皆様、改めてご紹介いたします。ジャドウ国第七皇子、ライアン様です。この国にご遊学中でございます。」

おおーーーと、歓声と拍手が起きる。


「此度、我が国王の許しが出、我が末娘、ティアラとの婚約が整いましたので、御報告申し上げます。」


え????????


「そして、長いこと我が国の懸案事項でございましたエレナ様のご婚約が整われましたことを国民を代表して、お慶び申し上げます。」

おおおーーーーと、歓声と拍手、、、、てか、、、懸案事項って、、、ぷぷっ


「お相手は、この方、エタン国第二王子、フェリックス様でございます。」


「「え???」」


「3国のこれからのますますの繁栄を祈願いたしまして、、かんぱーーい!!」

「かんぱーーい!!」

「かんぱーーい!!」

わああーーーーと歓声が上がる。


何???どういうこと???


ミラさんを見上げると、満面の笑み。

当事者が、、、、よくわかっていないんですが、、、、、どういうことでしょうか?


「楽隊が、この雪で足止めを食らって、たどり着いておりませんので、妻がピアノを弾きます。バイオリンはマクロス伯が。それでは皆様、楽しいひと時を!!!」


程なく始まった演奏で、皆、踊り始める。


「あ、、、、あの、、、」

「あなたたちも踊っていらっしゃい。話はそれからね。」


ミラさんに背中を押されて、渋々エレナの手を取る。


「聖女様?私と一曲お願いいたします。」

「・・・・」

「こっちだって、よくわかんないんだからさ、そんな顔すんなよな?」

「そんな顔?もともとよ!」

「ああ、、、、まあ、、、いいか、、、」


にっこり笑って、フロアーに出る。


「あなた、、、エタンの王子だったわけね?」

「・・・ライアンは知らないことだ。ジャドウの中でもばれなかったのに。」

「・・・・・」

「そう言うお前は、ソランの王女か?なんで黙ってた?てか、、、なんで農作業なんかしてんだ??」

「この国は、全国民に徴兵制と、貴族には徴農制があんのよ、、、、ミラばあさんの代から。18歳から3年間。あと、代替わりするとき1年間。」

「あの人は、、、ミラさんは、、、王太后か?」

「・・・いや、、、先王の妹。大公殿の母親よ。私の大叔母様よ。」

「・・・・・足踏むなよな、、、」

「あんたが、ステップ間違ったんでしょ??」


ライアンはテアちゃんとセンターで踊っている。

練習のかいあって、上手に踊れている。

隣は、、、、、トムじい??

あれは、、、果樹班の青年?あのオレンジのドレスは、、、この前お茶をくれたご婦人??


「・・・しかし、、、お前、、、国の懸案事項、って、、、、ぷぷっ」

「あ?ケンカ売ってるの?踏むわよ?」












評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ