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第11話 冬のひと時。

「長者三代続かず。かあ、、、」

「あ?」

「初代が築き上げて、2代目で傾いて、3代目でつぶれる、って格言よ。正にね。」


「・・・・・」


「お茶飲む?」

「ああ。」

「いっそ、二人共このままこの国にいたら?よっぽどいいと思うけど?」

「・・・・そんなことになったら、、、王子を攫われたとか?もっともらしい言い分で攻め込んだらどうする?」

「ああ、、、、やりそうねえ、、、、ふふっ、、、結局、聖女がいようがいなかろうが、第七皇子が生きていようが死んでようが、なんとでも言いようがある、ってことね?」


相変わらず、、フェンはブラシを十分堪能したのか、お腹を出して寝ている。

ライアンはフェリがおぶって帰ってきた。もう夢の中だ。


コトリ、と、お茶の入ったカップを置く。


着換えて、いつものように台所脇のテーブルでお茶をしていると、先ほどの一連の、、、舞踏会も、恐ろしい会話も、、婚約話も、、、無かった気がするけど、、、


「まあ、よろしく頼むよ、聖女様、、」

「・・・・・聖女じゃないってば、、、、」

「ああ、婚約者殿?」

「は?バカなの?」



*****


冬の間は雪かきばかりかと思っていたら、雪が落ち着いたら果樹班の剪定の作業に駆り出されたり、、、その切った枝で、豚のベーコンを作ったり、、、やることはたくさんあった。

フェン用のそりを作ってやったので、ライアンとテアちゃんが乗って遊んでいる。

もちろん、運搬にも使う。剪定したリンゴの枝をそりに積んで、家畜班の燻製小屋まで運ぶ。


女性陣は、夏の間に十分に干しておいた麦の茎で、帽子を編んだり、カバンを作ったりしている。若い娘さんには刺繍の指導が入ったり、、、男の子もボタン付けや繕い物は自分で出来るようにみっちり教えられる。


あの、、、舞踏会に使われていたホールは解放され、冬の間は剣術の練習場になっている。これも、男女とも。奥様方がことのほか乗り気で驚く。

いつか、ライアンが、、テアちゃんより剣術が下手だとトムじいに言われたと、べそをかいていたが、、、なるほどね、、、テアちゃんの剣さばきは中々だ。もちろん、ライアンもかなり練習した。切磋琢磨、、、って感じかなあ、、、


俺も、、エレナに毎回踏まれてはいられないので、まあ、、練習には出る。

ジャンじいに、若い者の指導を任される、、、、年はそんなに変わらないけどね、、、


「脇をもっと締めたほうが良い。そう、そう、、力み過ぎるな。」

一人一人、アドバイスしながら打ちあう。みんな素直だなあ、、、


「せ、先生、よろしくお願いします。」


この国は女性でも爵位の継承が出来るので、女性も徴農される。婚約が公的に認めらたお相手も一緒に来ることになる。結婚していればなお。ここで、愛をはぐくむのか、お相手の本性を見てしまうのか、、、、3年は長いな、、、

明るいはちみつ色の髪の女の子と打ちあう。基本はしっかりできている。中々なものだ。

「いいですね、、もう少し、握力を付けましょうね。」

ほっとしたように、頬を染める。カワイイデスネ。


「はい。次は私よ。よろしくお願いいたします。先生?」

「・・・・」


お前はいい、、、、と、言いたいところだが、、他の子たちの視線が痛い、、、

仕方ないから、剣を合わせる。いつかは棒切れだったなあ、、、手加減は、、したら怒るだろうな、、、


「エレナ、踏み込んだ時も、周りをよく見ろ。」

「くっ」

・・・お前に言われたくないとか、、、思ってるな?


「力で押すな。ほら、ここだ。」


パーーーン、と、エレナの剣を振り払う。




「お前ら!!!いつまで何やってるんだ??いい加減にしろ!!!」


俺たちは、ジャンじいに止められた。9勝7敗。

エレナが悔しそうだ。真冬なのに、、、流れる汗を手で拭う。


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