表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/12

魔触機装 ep11 徹底調教

 「え?

 男じゃないってどういうこと!?」

「まあ、見てみろ」


 襲撃者の覆面を剥がすと、眉目秀麗な顔が月明かりに照らされる。


「綺麗な顔をしてるわね。

 でも」

「生物的に確実にしりたいか?」

「いえ、いいわ。

 あなたが、私に嘘をつくメリットがないもの」

「そうか」


 そんな会話をしつつ僕は、襲撃者の女性の中へ侵入する。

 そして、彼女の体に巡っていた毒の中和とダメージを受けた内臓の修復。

 そして、最初から欠損していた腕に装着されていた義肢を侵食し融合する。


「で、ちゃんと生きてるの?」


 レイリアナの質問に女性の体で答える。


「ああ、問題ない。

 じき目が覚めるだろう」

「全く、悍ましいわね」

「この女が、目が覚めたら逃げられるように退室して貰ってもいいか?」

「逃がしてどうするつもり?」

「盗賊を倒したときに良いことを思いついたんだ」

「……他の奴らはどうするの?」

「この女に判断させよう。

 連れ帰ろうとした人物が重要な情報を握っている可能性がある」

「成る程、で、もう退室した方が良い?」

「そうだな。

 後は任せてくれ」

「任せる」





 こんなことになるなんてそんな後悔に似た感情が、刺客の女性の心に広がる。

 一人の男を背負い撤退する。

 本来は、見殺しにするのだが、今回の任務は、異常だ。

 もしものためのスケープゴートを用意しておかなくては、始末されてしまうかもしれない。


「待て」


 刺客が、振り返るとそこには鋭い目つきの女性がいた。


「お前達も刺客か」


 その言葉に同業者と判断する。


「同業者か?」

「……ああ、そんなところだ」

「なら良かったな」

「目標を仕留められなかったのか?」

「ああ、私たちは撤退する。

 気を付けろよ。

 あいつは、化け物だ」

「あいつ?」

「女だ」

「女が化け物?」

「ああ、あれは、誰でも良いから殺しておかなくてはならない」

「あなたは何所の所属なの?」


 女性の質問に怪訝に答える。


「お前は馬鹿なのか?」

「そう、そこまでは教えてくれないのね」

「なに?」


 嫌な予感がした。

 背負っていた男を放しその場を飛び退く。

 男は真っ二つに切断された。


 刺客の女性の背筋に悪寒が走る。


「はあ、私の可愛い妹分を死の淵に追いやっただけで飽き足らず。

 更に殺そうとするなんて、全く許しがたいわね」


 空気が破裂する音が鳴り響く。

 殺される。

 余りにも強大な相手だ。

 間違いない、最上位冒険者、そして鞭の使い手、禁じ手の鞭使い、禁鞭のグロリア。

 Sランク冒険者が何故こんな所に!


「あなた、何故まだ立っていられるの?

 いえ、それよりなんなのその悍ましいものは」


 その言葉の意味が分からずしかし、直ぐに自分の視界の端で蠢くものに気がつく。

 それは、あの時戦った女が纏っていた触手だった。

 刺客の女性は、驚き触手が生えた自分の腕を振り回す。


「そう、答えないのね」

「違っ」


 問答を続ける前に触手が勝手に動き出す。


「待ちなさい!」


 グロリアの鞭を触手が受け止め、自分を抱えながら逃げている。

 刺客の女性は混乱の極みに達した。


「何なんだよぉ!」


 勿論、触手が答えるはずもなく。

 暗闇の中へ消えていく。


 後に残ったのは、真っ二つになった死体とグロリアだけだった。


「まさか、あんなのが出てくるなんて……はっ!

 レイリアナちゃん!」






 命辛々逃げ出してきたと言うには、他力に頼り切った形だけど、しかし、問題は寧ろここからだ。

 標的の女が使っていた触手が何故自分を守っているのか?

 混乱した頭で考える。

 最悪な事に思い至る。

 もしや、あれは邪神の類では無いのか?

 現にSランク冒険者の攻撃を掻い潜りこうして逃げおおせたのだ。

 少なくともただの魔物の類では無い。

 何を目的として私に取り憑いたのか。

 そんなこちらの考えなど気にもしていないであろう触手がまとわりついてくる。

 抵抗する気も起きない。

 せめて苦痛なく死ねれば良いのだが、そんな望みが薄い希望抱きながら触手に飲み込まれていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ