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魔王育成計画(仮)  作者: 蒼井エル
第一章 ウェスタリア大陸編
5/5

レベル4 夢

森を抜けるとそこには立派な宿屋があった。


2階建てで窓がたくさんあり、少なくとも全部で10部屋はありそうだ。

木らしさを活かしながら所々金属の装飾があり、全体的に明るい印象だ。


ゼルト「ふう・・・。何とかたどり着いたな。今日はここに一泊しよう。」

ヴァンク「分かりました。部屋は別々がいいですよね?僕が手続してきますよ。」

ゼルト「いや、部屋は一緒でも・・・。」


ゼルトが言い終える前にヴァンクは宿屋の中に入ってしまった。

追いかけようとすると、外にいた40代くらいの傭兵に話しかけられた。


傭兵グラム「あんたたち森を抜けてきたようだな?ポトラ村の人間か?」

ゼルト「(ヴァンクのことは隠した方がいいな)・・・あぁ。その通りです。魔王討伐の旅に出たばっかりで。名前はゼルトです。一晩よろしく頼みます。」

グラム「任せときな!魔物が来ようと返り討ちにしてやるよ。それよりもう1人の奴も一緒に旅してるのか?子供のようだが。」

ゼルト「森で出会って、何となく行動を共にするようになったんです。」

グラム「森で・・・。なるほどな。まぁゆっくりしていきな。」


ゼルトはグラムと話し終えると宿屋の中に入った。

中もこれまた外観同様、ものすごく明るい印象だ。

疲れた冒険者を癒す場所としては最適かもしれない。


ヴァンク「ゼルトさんすみません。部屋が1部屋しか空いていなくて・・・。僕は野宿でも構いませんので・・・!」

ゼルト「構わないよ。一緒の部屋にしよう。」

ヴァンク「そんな・・・。ありがとうございます。」


2人は夕食を取り、風呂に入って寝支度を整えた。そして寝付いたゼルトは夢を見ていた。



(何だ・・・?あれはヴァンクか?姿が少し違うようだが。誰かと戦っているのか?ヴァンク・・・?泣いているのか? ・・・・。)


・・・トさん・・・ルトさん・・・ゼルトさん!


もう朝になっていた。ヴァンクに起こされていたようだ。

ゼルト「ヴァンク・・・。夢か。」

ヴァンク「なかなか起きないからビックリしましたよ。昨日は色々ありましたから無理もないですけど・・・。」

ゼルト「すまない。朝食をとって一息ついたら出発しよう。」


2人は朝食をとってから出発の手続きを済ませ、グラムに挨拶して宿屋を後にした。

少し行けばエルラーザだ。





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