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ダーク・プリンセス  作者: ノリック
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「始まり、そして旅立ち」1 ミシェル5


―――幾日か経った日の日曜日の朝、光が、カーテン越しに差して明るくなってきた。チッチッという、小鳥のさえずりが聞こえる。私は朝になったのが分かると、ベッドから起き上がりパジャマから普段着に着替え始めた。


(今日は―――ニッシュとの――デートの日……)


私は不安と期待の中で、昨夜選んだお気に入りの服(青が基調のひらひらのシャツに、短く切ってある白いジーンズ)を着た私を鏡で確認すると、ベッドに座り込んだ。


(ニッシュは、どんなデートを考えているのかしら……?)




ニッシュとは、中等学校からの同級生である。


彼とは初めてのクラスから一緒だった。最初のうちは、男の子、女の子、それぞれで行動していて、彼の事はあまり分からなかった。でも、やっぱり男の子側からも女の子側からも打ち解けていく者はいて、クラスは次第に仲が良くなっていった。その上、私はレイピア術もやっていたので、「男の子顔負けの力自慢」(それはちょっと複雑ではあるけれど)なんて冗談めかして言われるぐらい、男の子の中にも打ち解けていった。


そんな中に、ニッシュがいた。


私は自分の家で父から習う他に、中等学校のレイピア術部にも入っていたのだけれど、そのレイピア術部にはニッシュもいて毎日顔を合わせていた。ニッシュは小等学校時代にレイピア術を知って、学校のレイピア術部を中心に活動していたようだ。


中等学校でのレイピア術の練習で私とニッシュが初対戦したとき、私はニッシュを圧巻してしまった。ニッシュは悔しそうに歯を食いしばって、「ありがとうございました」と一礼した。


私はその後、ニッシュと話をする機会があって、その時の話題になるとニッシュは、「あんなに強い女の子がいるなんて、信じられなかったよ。俺もまだまだだなぁ」って、振り返っていたっけ。


二年生の時もニッシュとはクラスが一緒で、その頃には、私達は普段のことを飾らずに喋っていた。


三年生の時はクラスが違っていたけれど、その当時、私はそのことを気にすることはなかった。


そんな時、他校のレイピア術部との二校対抗試合の団体戦があった日。私は学校では敵がいないほど強いのだけれど、その団体戦はニッシュが一緒のチームだった。


その対抗試合、大将の私は無難に勝ったのだけれど、中将に初めて抜擢されたニッシュは苦戦した。でも、際どい相手の突きを、体を反転させながらかわして放った、槍術と剣術を融合させたレイピア術ならではの見事な相手の左肩への一閃で逆転勝ちして、その勝負を終えた。


団体戦は五人で対抗戦をするのだけれど、その試合は三勝二敗と勝ち越した。




「今日の対抗試合の、勝利を祝って、――――乾杯!!」


「かんぱーーーい!!!」


二校対抗試合が終わった後、打ち上げがあった……


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