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異世界の夜空に舞う流星群 「休止」  作者: 望月八月
第一章 赤い目の少年
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第9話 マスカレード・ダンスその一 後編

 場所は王宮の中央広場。

 王国運営会議の翌日。


 夜会参加のために一時的に帰還した子供達を学園都市へ見送った国王マティスや王妃レノーラ、グロット公爵、ゼフィーロ公爵、ラープラス公爵などを含む有力貴族達は解散した後、王家の夫婦とアルフォンス王子、及び公爵達はここに王子の誕生日プレゼントであるシンの披露を行う。


 前例はなかった王宮に奴隷を連れてくる珍しい見せ物を見に残ったものもいた。

 だが、別の目的で残った者もいた。

 その中の一人、グロット公爵は訝しげにソロス大佐の横顔を眺めていた。

 昨日まではほぼ確定した彼の失敗を国王に報告するではなく『レギオス』を王子に提示するのが不自然だった。

 本当に『レギオス』を購入したとしか。

 この短時間でそれは絶対にありえない。

 他に個体が生存んしていたらそれこそ人間社会の貴族が喉から手が出るほど欲しがるはず。

 運良く完全に噂一つ立てずに現れ最初の買取候補に容易く売られるのは奇跡中の奇跡。


 なら、やはり死亡の一件は全部仕掛けだったとしか考えられない。

 それだと目的はなんだったと疑問が湧いてくる。

 ここで生きた姿を見せるの意味はその目的に成功か失敗した。

 グロット公爵には急すぎる展開に追いつくための情報量が足りなかった。


 遠くから見える城壁から現れた囚人輸送用の馬車が兵士部隊に囲まれて徐々に接近していた。

 兵士部隊を構成する王宮衛兵はおそらくその管理を城門にて王立軍本部の部隊から引き取ったに過ぎない。

 そして外部から連行した部隊と違って警戒は主に対象の馬車に集中していた。


 その姿を見てそわそわしていたアルフォンスだった。

 今朝に『誕生日プレゼント』に会えると聞いてずっと上機嫌でワクワクしていた。

 母ににて金髪で緑色の瞳を持った彼は父親から引き継いだ物はいなかったと見えた。

 勿論それは今の段階で、成長したら父親の特徴が出てくる可能性が高い。


 馬車は止まって衛兵達が警戒体制でそれを囲んで警戒を限界までとぎすます。

 王家を守る近衛騎士や各々の貴族を守護する護衛騎士もまた油断なく馬車の扉を観察していた。

 その注目の中、ロックは解除されて扉が空いた。


 中からゆっくり、周りの者を刺激しないように出てきたシンはそのまま数歩を前進して止まった。

 それから跪くと動かなくなった。

 登場と同時に響いた観客の声には一切の反応を見せず、馬車から出てる間もずっと視線を地面に釘付けて周りを見ていない。


「おおお!本当に傷が癒えた!これは恐ろしいタフさですな!」

「汚らわしい魔族がこの高貴な王宮に足を踏みつけるのが許される日がくるとは...」

「おお!これが噂の『レギオス』ですか?聞いた通りですな!」


 等々の乾燥がところどころから聞こえた。

 観客の中にいたグロット公爵は刺すような視線でシンを見ていた。


 アルフォンスは用意された席から立ち上がって真っ直ぐシンに向かった。


「あっ!いけません、アルフォンス様!」

「アルフォンス!ダメよ!戻りなさい!」

「何をしている!早く止めてやれ!」


 と近衛騎士たちと両親が真っ先に反応して口にする。

 脅威である少年に集中したあまり、まさか自ら動くと思えなかった護衛対象に油断した結果、数瞬の遅れをとる。


 そしてそのわずかな遅れは命取りだった。

 アルフォンスを王宮衛兵と言ってもただの平民が触るはずもなく、それを許された近衛騎士は動いていたが貴族と衛兵が邪魔で自由に動けなかった。

 集まっていた貴族にいたっては大半状況を理解すら間もなかった。


 アルフォンスは素早くシンに近づき一歩前に止まった。

 そして「立って頭を上げろ!」と命じた。


 シンは騒ぎを聞いていたが状況はどうあれここにいる誰でもの命令を拒めばまずいと知っていた。

 だから、立って前方にいるアルフォンスを見た。

 輝いて見えたその緑色の瞳の奥に宿った純粋な喜び。

 眩しいほどに思えた無垢な笑顔。


 その武装解除の顔を視界に入れてシンは硬直した。

 どう反応するべきのをわからなかった。

 別に子供が苦手なわけではないが、北川辰巳として生きて17年間と闘技場奴隷として生きて8年間ずっと関わりを持つことがなかった。

 だいたい十七歳の人格が八歳の人格と統合したところで、十七歳以上の年齢的な性格を持っているわけでもないから子供に比較的に無関心な高校男子のままだった。

 そしてその無垢な眼差しと笑顔も、辰巳としても『レギオス』としても自分に向けられることがそうそういなかった。

 だから、戸惑ってしまった。


 アルフォンスは握手を求めているように右手を差し出す。


 シンが戸惑いがちに差し出された手を眺めた間に近衛騎士たちが近づいてアルフォンスをシンから引き離した。

 同時に複数の兵士が手にした槍の槍頭を魔族の首に突きつけた。

 騎士の腕の中で持ち上げられたアルフォンスは何が起きたのかをまだ理解せず不思議そうに自分を抱えて速やかに魔族から距離をとっている近衛騎士を見ていた。


「待て!」


 国王マティスは最初には焦ったものの、息子を安全な騎士の庇護下に見て兵士たちを止める。

 隷属の首輪に妨害されて何にもできなかったとはいえ、それが支配できない表情にも驚きしかなかった。

 国王として日々人が考えることを見極めるマティスは敵意も憎も感じ取れなかった。

 勿論主な理由はせっかくあげようとしたプレゼントを無駄に死なせるのが惜しいと思ったから、でも接触した瞬間にわずかでもアルフォンスに対してその感情が漏れ出たら迷わずその場で切り捨てる命令を下していたであろう。

 今は警戒した表情を浮かべているのだが複数の刃物が首に当てられたら誰もがそうなる。


「立ち上がったのは命令に従ったからで、近づいたのはアルフォンスだ。責任を問わん」


 と国王の言葉を合図に兵士達が槍を引いて、元の位置に下がった。

 周りの貴族達が困惑した中でアルフォンスは母のレノーラに引き渡されて軽い説教を受けていた。

 その間、赤い目をした少年をずーっと眺めていたのは二人。

 国王マティスとグロット公爵。

 だが、見られた彼もまたこっち側を見ていた。


 頭を上げた今、周囲の人々が視界に入っていたシンは冷静に見ているものを分析していた。

 その光景は彼にとって全く見ていないものではなかった。

 視線、動作、表情それら全ては時々行われた父の会社の家族イヴェントで見たものと似ていた。

 侮蔑の目を向けられたのも魔族の奴隷として一生を生きていた彼にとって珍しくなかった。


「その辺で勘弁してやれ、レノーラ。十分にわかったであろう。アルフォンスよ、あれはお前の物だが思い通りにできるのは少し成長してからだ」


 マティスは説教の時間が少々長引いたと王妃を落ち着かせた。

 そしてアルフォンスにこれはただの披露の場と、本当の意味で所有権を貰いそのおもちゃと遊べるのはまだまだ先と説明した。


「わかりました、お父様。ごめんあさい」


 興奮しすぎてやらかしたことに気付いて反省の色を見せたアルフォンスだった。

 その後、シンはまた馬車で連れて行かれ貴族達も談笑をたっぷり楽しんだら解散した。


 *****


 グロット公爵家の屋敷にて。

 数時間後。


「お帰りなさいませ、閣下!そしていらっしゃいませ、トランバーグ卿、セリーネ卿」


 帰宅した公爵は二人の客人を連れてギデオンに迎えられた。


「これはどういうことだ、この短時間で本当に別の『レギオス』を手配したのか?ありえない!」


 エヴァンスは執事に軽く頷いて真っ直ぐ執務室へ向かった。

 部屋に入るなり後ろを向けずに問う。

 それは質問ではあったが特定の誰かに向けられたわけではない。


「前の情報がデマだったということはないですか?」


 すぐ後ろについていたトランバーグが確認する。


「ない、たとえ『レギオス』でも、あの怪我から治るには最低三週間ぐらいかかる。前に重症をもらっていたらいつも完全回復にそれぐらいの時間がかかっていた。今日見ていた『あれ』は傷跡だらけだったが怪我をしていなかった完全に別の物だ」


 とエヴァンスが言った。

 何度も瀕死の状態まで追い込んだ奴隷の次に舞台に出せるまでの時間を知っているエヴァンスがシンに起きた変化を知らないゆえの間違い。

 そして傷跡が多いのが奴隷にとって当たり前、不自然さのかけらもないことだ。


 大佐の隣に歩くと小さく見えるが平均的な体格をしたセリーネ子爵家次男ジョゼフ・セリーネは整った顔立ちを持ち、長い金髪と薄い青色の目をしていた。

 その彼が応接用ソーファに腰を下ろす公爵とトランバーグに続いて席に着くとこう尋ねた


「でも優れた治癒使いを使えばそれも可能になるではございませんか、閣下?」


 それを聞いて公爵は首をふる。


「いえ、治癒魔法は種族によって異なる。魔法に対しての体の反応が違うからと聞いている。治癒使いは皆プライドが高いから「手遅れ」とか、「下等な生物に使うのがもったいない」とか言い訳を使うが実際に治癒できないのだ、闘技場で怪我をしたどんな奴隷でもを治癒使いに見せているのは生き延びるかどうかを見極めることができるからだ」


 とエヴァンスは業界の常識を説明した。


「閣下、確かに昨日ソロス大佐の側近、ビビロ大尉が秘密裏に奴隷市場で少年を購入した伝令を先ほど閣下の留守中にいただきましたが、それは普通の人間の奴隷だったこと確認済みで報告されました」


 とギデオンはそう簡単に新しい『レギオス』が現れたと聞いて驚きを見せて入手した情報を共通した。

 最初に奴隷の購入と聞いて驚いた公爵だが、信頼しているギデオンが『確認済み』と言った情報を信じてまた考え込む。


「その奴隷を何らかの方法で偽装してもあの赤い目はまぎれもない「レギオス」の物だ」


 とだけ、ゆっくり告げたエヴァンスだった。


「...つっ!そういえば、昨日弟から聞いた話ではマウバー卿が宮廷魔導士長、アイズバッハ卿に接触したことを見た者がいます。あのお方なら何らかの方法で瞳を変化できますでしょう」


 エヴァンスの言葉を聞いて急にピンときた様子を見せて興奮気味にもともとギデオンに頼まれた王宮情報収集の結果を見せた。


「なるほど、私も昨日アイズバッハ卿がソロスの屋敷を訪ねた事を部下から聞いていた。確かにあの御仁ならば...」


 トランバーグもそれに反応して関係ないだと思った情報を思い出す。


「ということは...『あれ』は偽物?...ふ...ふふふ...ふはははは一杯を食らうところだった。いやはやこれだから駆け引きは止められん楽し過ぎる!」


 合点がいったエヴァンスは珍しく大声で笑って隣にいる三人を冷や汗を流させた。

 目に燃えている子供じみた遊び心の火が不気味に感じていた。

 純粋に楽しんでいる彼を見て誰もいかに危険な人物だとわからせている。


 特に、これを見るのが初めてのジョゼフは心臓が掴まれ、握り締められているような感覚に襲われた。


「だが、これでようやく全ての点がつながった。もう勝ち誇ったと思っているである、ソロス。あ〜、愉快愉快」


 冷静な口調で言っても唇から不気味なほど愉快そうな笑みは消えなかった。


「では、これを次の会議で...」

「いえ、そうしたら明らかに我々が死亡事件を知ってて伏せていたことになる。こういう時直接ではなく、噂を使うのが得策だ。でも使わず、切り札としてとっておくのは最善の使い道だ」


 早速、この一件を使って大ダメージを長年のライヴァルに与えられると思ったトランバグだがエヴァンスが直接攻撃を否定した。


「わかりました、閣下のご判断に従います」


 と大佐が公爵に頭を下げた。

 ギデオンとジョゼフもそれに続く。


 *****


 王立軍本部にて。

 グロット公爵の密会と同時刻。


 シンは本部に最初に連れてこられた部屋に今もう一度連れ戻された。

 それを見届けたソロスは執務室に戻った。

 今朝、日が昇る前に忍び込まれたので正式にこの部屋を出かけたのはこの一回だけ。


 この本部は王都の中の砦に近い印象が強い。

 王都とその周辺は王立軍の管轄だから、他の貴族が持ち込める兵力は厳重に制限されている。

 だから駐屯兵も憲兵も周辺巡回兵も全部この中から管理されてこの本部の責任だ。

 指令本部となっている本館の他に兵士が住まう兵舎館や武装保管倉庫、訓練場などの建物が城壁に囲まれて完全に孤立した施設。


 この厳重な警備をくぐって二度もシンを忍び込まれることができるのはソロス大佐ぐらいだ。

 ロデリックが購入した少年奴隷は今朝王都を出て学園都市に向かった一同と一緒に荷物持ちの一人として去った。

 子供の人間奴隷は非常に珍しいだが主に成長するまで貴族の荷物持ちとして使われている。

 他に適切な仕事がないから。


 これで、死亡、隠蔽と偽装の噂が広まれば人間の奴隷としての生まれ変わりは完成になる。

 唯一の問題は、隠蔽工作の信用性を上げるためにはごく少数の有力人物しか気づかないわずかな失敗をするしかなかった。

 それ以上明らかに失敗するとそれこそその少数に勘づくられる。

 そしてその人物達はその情報をただ噂として流す保証はない。

 むしろ、その貴重な交渉材料にもなれる情報を隠し玉として扱う可能性が高い。


 だが、


「大佐、国王陛下が及びのようです」


 と、ソロス大佐の執務室に伝令がきた。


 *****


 場所はまたグロット公爵家の屋敷となって、時は流れ翌日の晩になる。


 公爵は明かりもつけずに月光と暖炉に萌える小さい火だけに照らされた執務室で一人で机についていた。

 手を組んで肘を机に乗せた姿勢と感情を持たない冷静な表情。


 今日中に王都内にいる有力の王侯貴族にシンの正体は偽装したただの人間の奴隷だったという噂が知れ渡った。

 今週末にその知識は国の貴族全てが共通するものとなる。

 一ヶ月後には兵士の間、それからは全国民。


 なんでも、国王がソロス大佐を呼び出し「余が気づかぬとでも思ったか?!」と説明を求めた。

 ソロスは全部を吐き、深く反省していた。

 密会だったその話を聞いた近衛騎士団に属した若い騎士が準男爵である父におもしろ話として聞かせたと。

 それからその秘密が火の如く広まった事を想像するのは容易い。

 ただ、国王がアルフォンスが悲しむからと緘口令を出したおかげで、それは公然の秘密になり正式に認められる事はない。


 広まった情報の火事で燃えて散った公爵の切り札を見ているかのように暖炉の炎の明かりが男爵の目に反射された。


 そしてその静かで薄暗い、どこか静穏に感じる部屋でひっそりと扉がノックされた音が聞こえた。


「何だ?」


 来客を確認する従者がいなかったので彼は声を大きめにして聞いた。

 扉がゆっくり開くとギデオンの姿が見えた。


「意外。長年の付き合いで『一人にして』の意味と私の言葉の重さを知っているはず。急用か?」


 表情にも姿勢にも一切の変化を見せずに冷静に告げたエヴァンス。


「申し訳ございません...ただ、これは今知らせた方が良いかと思って。実は...」


 ギデオンは謝罪したが、どこか嬉しそうに見えて報告を始めた。


 *****


 場所はまた変わり王立軍本部の中にいるシンが与えられた部屋。


「いあ、見事に成功したなお前の策」


 ソロスはオリヴィアの術を使ってシンに愉快そうに告げた。


「それはよかったです。でも、見たところ僕に与えられた仕事の内容次第、大変なのはこれからだ」


 とシンは大佐を真っ直ぐ見て言った。


「ふふ、確かにそうだね。お前はこの国の王子の護衛となる、そして表としてお遊びで殿下が欲しがっていた奴隷を演じる事にもなる」


 ソロスは察しがいいと笑って、そしてもう隠す意味がないと思ったか、仕事の内奥を教えた。


「と言う事はこれからいろいろと勉強が必要ね」


 別に勉強を毛嫌いしているわけではないがこれからおそらく短時間で覚えないといけない膨大な量の情報を想像して思わずため息をつく。


「大丈夫、シンは理解が早いしすぐに上達する。問題ない」


 オリヴィアは落ち込むように見えたシンを元気付けようとした。


「シン?こいつ、名前があるか?」


 初めて聞いたソロスはシンとオリヴィアを交互に見て尋ねた。


「はい、私の家の別荘にいた最後の日に教えてもらいました。名前があった方が便利だと思っていくつかの候補を提案したがすでにあったと言われて私も驚きました」 


 オリヴィアは説明する。


「ほ〜、自分でつけたのか?」


 ソロスはシンを愉快そうに見ながら尋ねた。


「はい。ま〜別に言いにくいでしたら他のをつけられるのは構いませんが、ただオリヴィア少尉の名付け候補があまりにつつつっ!...自分がつけた方が馴染みやすいと思ってつけたんです」


 ソロスに答えたシンが途中で大佐の後ろを見てわずかに青ざめた、そして前半と比べて一段と早く続けた。

 顔には満面な笑みが貼り付けられた。

 だが、観察力に長けているソロスはなぜかこれ以上詮索せずに話題を切り替えた。


 *****


 そして、場所はもう一度グロット公爵の執務室へ戻る。


「なるほど、ふむ。と言うことはこの一件全てそのためだけに作られて私たちは全員まんまと乗せられたってわけか?これはお見事としか言いようがないな。やはりソロス大佐を甘く見るのは危険すぎる」


 と、ギデオンの報告を聞いて感心したように言ったエヴァンス。


「はい、いかがなさいますか閣下?この情報を流しますか?」


 ギデオンは主人の命令を伺った。


「バカ言え、それこそ国が滅ぶぞ。王家とその王家に使える貴族が魔族を国の心臓に招きその正体を隠したと知られれば民衆の氾濫も隣国からの敵対も避けられん、何よりミストリア聖豊国が我らを異端者と見て滅ぼすことは目に見えてる。」


 とエヴァンスは即答で否定した。


「それに、これだけの情報を持ってくる情報源を暴くことになる。このことを知っているのは指で数えるぐらい少数だけだからな。連続で持っている情報を使わなかったことになるが、これまでは全部正解だったしやらかすよりはマシ。これも伏せておく、いざという時にソロスと交渉する際に持っても便利だ」


 宣言したグロット公爵は微笑んで窓の外に広がっていた夜空に視線を向けた。

ここでマスカレード・ダンスその一が終了しました。

この踊っている仮面を被った人々の祭りを楽しめた方がいれば幸いです。

次の一話はこの章の最終話となる予定です、この章自体が物語の前置きみたいなものです。

よろしくお願いいたします!

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