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5. 初めての進化

さて、レベルが上限に達したので、進化も可能になったらしい。


レッサーコボルドの種族情報から考えると次はコボルドに進化するのか? つーか、進化の仕方が分からない。当たり前だが、人間だったはずの俺は進化なんてしたこともないし。


あ、もしかしたらこれは〖鑑定〗が教えてくれるのかな?


[進化先を表示します。]


よし、やっぱりな。どんとこい!


[進化可能なのは以下の通りです。]


[コボルド:ランクE]


[ラーマ―ドッグ:ランクE-]


やっぱあったな、コボルド。それにラーマ―ドッグか。よし、それぞれの種族情報を〖鑑定〗で調べてみるか。


[ラーマ―ドッグ:E-ランクモンスター]


[攻撃力と敏捷に長けた犬型のモンスター。]


[物陰に潜んで、牙と爪を用いた不意打ちを狙う。]


[さして強くはない。]


何この最後の一文、悲しい。種族情報で弱いって断言されるって……つ、次だ。コボルド頼む。


[コボルド:Eランクモンスター]


[敏捷に特化した犬型モンスター]


[二足歩行ができ、手で道具を扱う知恵を持つ。]


ふむ、どっちもありっちゃ有りだな。俺にはほかのレッサーコボルドが持っていない〖鋼化〗のスキルがある。この〖鋼化〗の発動が間に合っている限りは防御の心配はしなくていい。その点、ラーマ―ドッグもコボルドも敏捷に優れているから問題はない。〖鋼化〗の利点を最大限生かし戦い方ができる。


ただなあ、コボルドの敏捷特化(・・)ってのがなぁ。いかに敏捷が優れていても、攻撃力が低すぎたら倒すのに時間がかかりすぎるしなあ。


そう思ったとき、ふとスケルトンが持っていた短剣が目に入った。そういえば、短剣を持っていたスケルトンは攻撃力に補正がかかっていたな。あれ、俺でも補正はあるのかな?


試しに短剣を持ってみると、[攻撃力:4+5]となっていた。+5ってすごいな。俺の貧弱攻撃力が2倍になるもんな。


やっぱ道具はすごい。そう考えると道具が使えるコボルドがすごく魅力的に見えてきた。4足歩行のラーマ―ドッグでは道具の使用はまず見込めない。


うし。俺はコボルドに進化しよう。


そう思うと、俺の体が急速に発達したのを感じた。特に腰回りに肉がついたのが分かる。試しに二本足で立ってみると簡単にできた。レッサーコボルドの時には諦めた2足歩行もできるかもしれない。


[〖レッサーコボルド〗が〖コボルド〗に進化しました。]


[特性スキル〖嗅覚〗のLvが1から2に上がりました。]


[特性スキル〖忍び足:Lv1〗を獲得しました。]


[特性スキル〖器用:Lv2〗を獲得しました。]


特性スキルが上がった。新たなスキルもある。これが進化ボーナスか?


[通常スキル〖噛みつく〗のLvが1から2に上がりました。]


[通常スキル〖ひっかく:Lv1〗を獲得しました。]


通常スキルも上がったな。でも、〖鑑定〗も〖鋼化〗も上がんなかった。こいつらすっげえ便利だから上がってほしかったんだが。


[称号スキル〖ダンジョン最弱の魔物:Lv--〗を失いました。]


よしっ! 狙い通り。不名誉称号を返上してやったぞ!






‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

種族:コボルド(E)

状態:通常

Lv:1/15

HP:7/15

MP:3/8

攻撃:4+5

防御:3

魔力:2

敏捷:13


装備:

〖錆びた短剣:F〗


特性スキル:

〖嗅覚:Lv2〗〖忍び足:Lv1〗〖器用:Lv2〗


耐性スキル:

〖飢餓耐性:Lv2〗〖毒耐性:Lv1〗


通常スキル:

〖鑑定:Lv1〗〖鋼化:Lv1〗〖噛みつく:Lv2〗〖ひっかく:Lv1〗


称号スキル:

〖幸運の持ち主:Lv--〗

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐








ステータスは……レッサーコボルドのLv5の時とあんまり変わってないな。ま、妥当か。


新たに増えたスキルもしっかりと確認しておかないとな。〖鋼化〗の使い方が分からず、洞窟内を逃げ回ったことが懐かしい。


……つい昨日のことか。










さて、一通りスキルの検証を終えたところで、やっておきたいことはまだある。この短剣の錆び落としだ。刃を触ってみたらざらざらしていて切れ味が悪そうなのなんの。


幸い、レッサーコボルド自体に歩き回ったおり、刃を研ぐための石として使えそうなものを見つけている。コボルドに進化して少し手を動かしやすくなったから、今ならできるだろう。


あちこちにある泉でやれば水の問題もない。




俺は泉に手を浸す。少し冷たい。


俺は途中拾った石を短剣にこすりつける。初めはザラザラだった刃先も、繰り返しているうちに滑らかになってきた。


カンウァン鉱石から漏れてくる光にかざすと、ピカピカと光を反射してきた。


〖鑑定〗で確認してみると、〖鉄製の短剣:D-〗〖攻撃力補正:+17〗と出てきた。


うっわ、すげえ。錆を落としただけなのに攻撃力補正が三倍以上になったぞ。これで攻撃が21になる。うん、やっぱ装備ってすごいわ。コボルド選んでよかったとほんと思う。


さて、この後どうしようかな。最低限のLvは上げておきたい。今んとこまだFランクの魔物しか見ていないけど、ここにどこまでのやつがいるのわからない。仮に〖鋼化〗した俺の防御を突き破ってくる奴がいたら終わる。やっぱり強くなっといて損はない。


後は……短剣を持ち運びしやすいようにしたいな。スケルトンは鞘をもっていかなかった。現状、手で持つしか手段がなく、実に不便だ。何か魔物の毛皮でもあればいいな。よし、それを含めて狩りをしようか。よく考えたら今日はまだ何も食っていないから、食える魔物も狩ろう。


そのとき、泉の水面から水の塊が勢いよく飛んできた。俺はとっさに〖鋼化〗した。割と強い衝撃だった……と思う。でも〖鋼化〗状態の俺にダメージを通すものでもない。


水が飛んできた方向を見ると、水中を泳ぐ影が見えた。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ラマードッグのランクが統一されていない点 [一言] 期待してますのでエタらないでください
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