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1.目覚め

気がついた時、俺は硬い石の上で横たわっていた。加えて全身が濡れていて寒気がする。


何だろう。頭が熱くて、上手く思考が纏まらない。どっかに帰らないといけない気がするんだけど……


俺はそっと目を開けた。暗くてほとんど何も見えなかった。所々ぼんやりと光ってるところもある。……どこだ、ここ?


立ち上がろうとして見るけど、上手くいかない。体が自分のものじゃないみたいだ。


よいしょ


苦労の末、何とか立ち上がることに成功した。でもやっぱり違和感は残っている。


俺の体、どうなったんだろう?


そう思ったとき、俺の目の前に文字が浮かび上がった。




‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

種族:レッサーコボルド(F-)

状態:通常

Lv:1/5

HP:4/4

MP:1/1

攻撃:1

防御:1

魔力:1

敏捷:10


特性スキル:

〖嗅覚:Lv1〗


耐性スキル:


通常スキル:

〖鑑定:Lv1〗〖鋼化:Lv1〗


称号スキル:

〖ダンジョン最弱の魔物:Lv--〗

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



これは〖鑑定〗のスキルだ。村の大人から教えてもらったことがある。すっごい希少なスキルだって。他者のステータスや物の情報を世界樹の記録(ワールドレコード)から教えてくれるって。


俺も5歳の時に〖鑑定〗持ちの人にステータスを見てもらったことがある。確か、全部10に届かないくらいだったはず……村の大人? ああ、俺村に住んでいたのか? でも誰の顔も思い出せないぞ……


まあいいや。そのうち思い出すだろうし。


しっかし、このレッサーコボルド弱っ! 敏捷こそ10あるけど、他の数値は1か2しかないよ。5歳児以下じゃん。


希少スキルの〖鑑定〗を持ってるくらいか、秀でているのは。でも、このステータスだったらダンジョンに入ったら一瞬で食われてしまうな。はっはっは、かわいそうに……






と、そこで俺は気づいた。今ここは真っ暗だ。周囲には誰の気配もない。うん。これは間違いない。


……じゃあ、これは誰のステータスなんだ?




ポリポリと自分の頬をかく。明らかに人体ではないふさふさした感触が返ってきた。


え? え、なにこれ?


俺は慌てて全身を確認する。犬のような手、ふわふわした毛皮……




え? 俺人間だよ? え、もしかしてあのステータス俺のなの?


え? れ、レッサーコボルドってなに?




[〖レッサーコボルド〗:F-ランクモンスター]


[〖コボルド〗はダンジョンの比較的浅い場所に住むEランクモンスター。]


[その姿は二足歩行する犬そのもの]


[〖レッサーコボルド〗はその系列の中でも特に弱い個体。]


[素早さこそマシなものの、その他のステータスは非常に低い。]


[冒険者の間では“ダンジョン最弱の魔物”と呼ばれる。]






〖鑑定〗スキルがレッサーコボルドの種族情報を教えてくれた。


へ~、“ダンジョン最弱の魔物”ねぇ。かわいそうな呼び名がついてるもんだな。



……って違うわ! 俺が知りたいのはそこじゃない! なんで俺が人間じゃなくなってるのかってことだよ!


というか、まず、ここどこ? 





暗くてほとんど何も見えないし、お腹すいてきたし、のども乾いてきた。家に帰りたいよぅ










……落ち着こう。よくよく耳を澄ませてみれば、近くで水の音がする。そこでまずは水分補給しよう。あわよくばそこで自分の姿を確認するんだ。もしかしたら一時的に触覚がおかしくなってるだけかもしれないしな。視覚的な情報が欲しい。


歩き出そうとしたんだが、ふらついて上手く歩けない。ちょっと二足歩行が安定しない。思案の末、四足歩行で歩いてくことにした。




結果、たどり着いた先の泉で、犬の顔した自分の姿を確認することになった。


ちょ、ちょっとまって。もしかしからこの泉はなんか違うものを写してるのかもしれない。ほら、俺が右手をあげるとこいつは……左手をあげた。俺が左手をあげると右手をあげる。


……これは水面に写ったものとして正しい反応だよな?


……現実逃避は止めよう。この、水面に写っている犬っころは間違いなく俺だ。






俺、いつの間にかダンジョン最弱の魔物になってました。


うそん。

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