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目覚め
初投稿作品です。ぬるっとよろしくお願いします。
ーまたか。
意識が目覚めた瞬間、そう思った。
私の記憶が正しければ、3回目。
3回目の人生の始まりだった。目の前に広がるのはベッドの天蓋で、2人の天使の絵が描かれていた。
今回はかなりいいところのお家に生まれたようね。
そんなことを考えていたら、ギィっとドアが開く音がして、人が入ってくる。
「リディア」
鈴がなるような声で愛おしそうに話しかけてきたのは、美しい女性だった。さらさらロングの金髪、濃い緑の瞳、整った顔立ち、そして貴族のような豪華なドレス。
「目が覚めたのかい、愛しのリディ」
もう1人、私の顔を覗き込むのは濃い茶髪に青い瞳の男性だった。精悍な顔立ちで、品のいい服を着ていた。微笑む姿がかっこいい紳士そうな人だ。
今回の私の名前はリディアなのね。
人事のように考えながらきっとわたしの両親であろう人々を見つめていた。