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戦争と兄妹  作者: KAIN
第四章:激闘と兄妹

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第四十八話

「殺すだなんて」

 マスクの女は、妹に銃を突きつけられながらも、動じた様子も無く、飄々とした口調で言い、クスクスと笑って見せた。

 そして。

「そういう怖い事を言う娘には、『お仕置き』が必要ね」

 そして。

 女は、すっ、と。

 右手を上げた。

 そして。

「さあみんな」

 女が言う。

「その娘に、『お仕置き』をしなさい」

 そして女が。

 すっ、と右手を振り下ろす。

 その言葉と同時に……

 男達が、ゆっくりとした動きで妹に近づいて行く。


 一人が、妹の前に立ちはだかる。

「退けっ!!」

 妹は言いながら、銃の引き金を躊躇う事無く引いた。

 乾いた銃声。

 そして……

 妹の前に立ちはだかる男の額に、銃弾が命中し、男が大きく身体を仰け反らせた。

 額から血が噴き出し、その男は倒れる……

 僕は、そんな光景を想像した。

 そうだ。

 今までだって、何度も見てきた光景、銃で撃たれた人間は、皆……

 皆、そうなるのだ。

 僕は、そう思っていた。

 だけど……

 だけど……

 妹に、額を撃ち抜かれたその大男は……

 その場に、どん、と足を踏ん張り……

 そして……

 仰け反らせた身体を、まるで……

 まるで、何かで引っ張られたみたいに……

 真っ直ぐに、立て直す。

「な……!?」

 妹が、驚愕に目を見開く。

 それが、一瞬の油断を生んだ。


 妹を囲む様に建っていた大男達のうちの一人が、ぬうう、と手を伸ばした。

 まるで大蛇の様に音も無く伸びた手が、妹の銃を握りしめる手首をがっ、と掴み、そのままぐいっ、と横に引っ張った。

「ぐうっ……」

 妹が呻く。

 男はそのまま引っ張った妹の手首をぎりり、と捻る。

「うっ、うう……」

 妹が呻きながら、手に力を込める、だけど。

 どんどん強く腕を捻られ、ついに……

 ついに妹は、銃を取り落とした。


「玲奈っ!!」

 僕は叫んで、妹の方に駆け寄ろうとした。

 だけど。

 がっ、と。

 背後から頭を鷲掴みにされ、そのままだんっ、とアスファルトの上に身体を押さえつけられる。

「うぐっ……!!」

 僕は呻いて、目だけを動かしてそちらを見る、さっき僕を、あのマスクの女の前まで連れて来た、あの大男が、僕の身体を押さえつけていた。

「は 離せっ!!」

 僕は叫んで身をよじるけれど、大男の手は巌の様にびくともしなかった。


「兄様っ!!」

 妹が叫ぶ声。

 慌てて男の手を振りほどこうとするが、やはり大男の手はびくともしない。

 そして……

 妹の眼前に、さっき額を撃ち抜かれた大男が立ちはだかる。

「玲奈っ!!」

 僕はもう一度、妹に向かって叫んだ。

 だが妹の姿は、大男の背中に阻まれて見えない、そして……

 大男が、握りしめた拳を、妹に向けて繰り出す。


 ぼすんっ!!


 と。

 鈍い音が、響いた。


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― 新着の感想 ―
[良い点] えぇ~っ、男たちってただ操られてるだけじゃない!(; ゜Д゜)額を撃ち抜かれても動けるって……さっきの液体がなにか人体の仕組みを変えちゃうような怖いやつの可能性!?
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