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閑話1

いや何も言わねぇよ!?



"さぁ!アイドルになりましょう!"




「いやならねぇよ!?」


帰って来て、テーブルの上にあった俺宛の封筒を開けると、そんなことが書いてあるA4紙が入っていたので、取り敢えずツッコミと共にテーブルに叩きつけた。


「お帰りなさいませマーヴ様、次のお仕事が届いております」


「ちょっと?サヤさん?もしかしてその仕事というのは、これのでしょうか?」


そう言って叩きつけた紙を指差す。


「振り付けと歌詞は此方です。2時間後にリハがあるので遅れないで下さい。場所は此方の建物の大ホールです。月花の者ですと受付に言えば案内して貰えると聞いていますので。では、私はこれにて」


「え?ちょっと!?私の話を聞いて!!りっすんとぅーみーー!!」


「あ、そうでした」


おおう、俺の言葉は届


「他のメンバーの方はもう会場に居るらしいので早めにお願いしますね」


かなかった………。


って、え?もう向かってるの?と言うか確定事項なの?わーい?


聞いてないよ?ぼく、、、。




~1時間経過~




誰だ!こんな複雑な振り付けにしたやつ!!どっかの坂なアイドルグループかっ!?


あの場に放置されてしまった俺は、眠い頭に高速処理系の陣式を複数展開しながら会場とやらに向かった。


振り付けはともかく!歌詞だけはインデックスにインプットしたから問題はないけどナニコレ!?曲調もテンポもくそも無いんだけど!?


脳内の空いたスペースを愚痴に回していたらいつの間にか会場に着いてしまった。


つか誰だよ!こんな仕事OKしたやつ!基本A級以上の討伐系か閣下の護衛だけって俺言ってたじゃん!?なんでこん…あ、どうも月花の者ですけど…え?あ、はい。……~………あ、この部屋ですね、ありがとうございます。え?サインですか?…はい、どうぞ。あっ、がんばります、はい。失礼しま~す。



なんでもうすでにファンが出来てるの!?



「やっときたのね~」


「遅いですわ」


「もうみんなある程度出来てますよ」


「ん…」


「ま~う"さま~?お着替え手伝いましょうか~?うへへ」


「色欲駄龍は黙ってるのです…。マーヴ様のお着替えは私がするのです~ぐへへ~」


「では今からリハやるので此方へ来て下さい。マーヴ様のお着替えは私が行いますので他の皆様は先にステージへどうぞ」


控え質の扉を開けると、各々のイメージカラーである青、黄、白、赤、ピンク、紫、緑のラインの入ったアイドル衣装に身を包んだメンバー達が談笑していた。


「なぁ、サヤ」


「はい、なんでしょうか。因みに今回の茶番の話の出所は閣下だと聞いております。先日、国王様が例のスタンピートの件で国民が不安を抱えているのではないかということで、気晴らしの為に何か催し物をしようということになり、この茶番が組まれました」


あ、そう…。


「決定したのが先週と言うことで数日前に告知はあったのですが、ちょうどマーヴ様がスタンピートの原因のダンジョン内でヒャッハーしておられましたので、マーヴ様のみ今日の告知となりました」


うん!2週間近く潜ってたからね!?知らないのも当然だね!?でもさ!もっと適任が居たじゃん!?蒼月の踊子の連中とかさ!?


「蒼月の踊子様はバックで踊るそうです。なんせ人数が多いですので」


多くはないと思うよ!?46とか48より断然少ないよ!?


「クライアントがOK出したので諦めてください」


りふじんんんんんn




……仕事明けのテンションとは怖いものだ。リハ2回目でOKが出てしまった。




何も言わせねぇよ!?

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