23.魔王討伐の旅再び
ほぼ1年ぶりだぁぁぁあああああ
なんとなくテンションが高くなる時って時々あるよね。
「ふむ、それで妾の下を離れると?」
「ええ、神命ゆえに無視などできませぬ故」
勇者との会談?が終わり次第閣下の元へ行き、先ほど話したことを8割程美化して伝えた。
「それは仕方ないのぅ。しかし、残りの契約はどうするのじゃ?」
「ハッ、任務が終わり次第此方へ帰り参る所存にてございます。帰り着きまして残りの契約を履行すると約束致しましょう」
「さいか…寂しゅうなるのぅ」
やべぇ、閣下を悲しませてしまった。もんの凄く胸がイタイ
「申し訳御座いませぬ」
「よいのじゃ、おぬしにはいつも世話になっておるからの。帰りの護衛についてはもう手配はしておるのだろう?」
「ハッ、つきましては信頼のおけるSランククラン[蒼月ノ歌姫]に護衛の引き継ぎを終わらせております」
「流石だの。にしてもよく蒼月ノ歌姫に頼めたのぅ。どうやって奴らに取り入ったのじゃ?ん?」
「あー、それについてはご容赦を頂きたく…」
20人のダークエルフ(♀)に神史と崇められ、(性的に)襲われかけたとか言えない。
「お…おお、何か訳ありのようじゃの…元気をだせ。ほれほれ」(なでなで)
目が深淵を覗いていたらしい。そしたら閣下が頭を撫でてくれた!一生憑いていきます!!
「有り難き幸せ!!」
「うむ!」
ああもうなにこの上司マジ可愛い上に超絶優しいマジ天使。
「マーヴちゃんが膝まついた上になでなでされてる…夢?」
オイそこのガチ天使その隠れてる羽根むしったろうかこるァ?
「ヒィ」
と、いう目線を送っただけでこの威力。流石俺氏。
「それで、いつ発つのじゃ?」
「彼方の都合に合わせまして、明日の夕刻頃となります」
「さいか、ならばそれまで王都を楽しむといいのじゃ。妾のオススメはルージュ・ブランケットという隠れ喫茶店かの。彼処の茶菓子は最高級品じゃぞ?一度行ってみるといい。妾はこの後国王との会談じゃからの。それではの」
「ハッ、失礼いたしまする」
いい情報ゲットぉぉぉおおおお
「すまない、[藤色の死神]のマーヴィラスとお見受けするが、少々よろしいか?」
歓喜の最中に誰かに呼び止められたと思ったら、なんと銀の壁(仮)である。さっき聞いた気がするけどこいつの名前なんだったっけ?
「…失礼、お名前を伺っても?」
「我輩、ライザー・シュトラウスと申す」
「シュトラウス殿ですな、よろしくお願い申し訳上げる」
ん…?シュトラウス…?どっかで…
「うむ、あまり知られてはいないが、ホワイト・シュトラウスの弟にあたる。兄が会ったらよろしくと言っていた」
[白い壁]の弟じゃねぇぇかぁぁあああ!!
「ホワイト殿の弟君であられましたか、これは失礼した」
「いえ、我輩もまだ二つ名も無い若輩者故、頭を下げていただくようなことはありませぬ」
国軍の将軍の弟君に頭を下げない一介の冒険者などいないと思う。取り敢えずそれは置いといて、
「えー、何か私に用があったのでは?」
「ああ、そうであった。我輩、兄の影響もあって国を守る盾として国守警備隊になろうと思っている次第である。その為に、今は勇者殿に随伴し、武者修行も兼ねてより他地域との見解を深めるべく旅をしているのだが、現最強クランの一角である月花の方々が同行すると聞き及んだ故、挨拶をしにきたのである」
え、何この人凄く武士っぽいんだけど。語尾を御座るにしたいんだけど。『挨拶をいたしそうろう』みたいな。
「これはご丁寧に。私、クラン[月花妖団]のクランマスターをしております、マーヴィラス・アルフィアと申します。以後よろしくお願い致します」
「うむ、では明日の夕刻であるか、その時に再び会いましょうぞ。では失礼致す」
そう言うと、彼は他の来客へと挨拶に行ってしまった。…なんて武士なんだろう。…銀武士壁なんてどうだろうか。ぶふっ
そうこうしているうちにパーティーが終わり、各家や団体毎に帰路へとつきはじめた。
「残念ながら私はそうもいかないのですよっと。はい、みーつけた~。冥、拘束」
「ッ!?」
『マーヴ様も拘束もしてお持ち帰りしていいですかぁ~?』
「却下!!」
『ちぇー』
「…ッ……ツ…!!」
一生懸命もがいているが、その縄は例え勇者であろうとほどけんぞ!ぶぅわかめぇ~。何故なら俺が本気だしてもほどけないから!…なんなんだろうねほんと。
「はーいこんばんわー。きみー、盗聴と盗撮は良くないですよ~。おやぁ~?ただの変態さんじゃないみたいだねぇ~。冥ちゃーん集合しよしゅうごー」
「呼ばれて飛び出て冥ちゃん登場なのです!」
はやっ!?ってそれよりも!
「それ著作権引っ掛からない?大丈夫?」
「元ネタを知らないから大丈夫なのでぇすぅ~」
「アウトかな。うん」
タ◯ちゃんだね?うん。
「………」
密偵ちゃんが怯えた顔でこっちを見ている。
どうしますか?
1.抱きしめる。
2.取り敢えず気絶させる。 <
3.情報吐かせて深淵の闇へ葬る。
「気絶ハリセンッ」
スパァァアアアア…パタッ
よし、重力軽くして…移動系付与して…リードつけて…よし!
「冥、閣下に連絡して。密偵らしき人物を捕らえましたと」
「はいなのです」
密偵ちゃん(仮)の運命や如何に!?
謝罪を要求?
残念だったな!
ごめんなさいほぼ読み専になってましたすみませんでしたm(__)m