チキンの学校生活
この小説は不定期です。ご了承ください。
姫宮姉妹から逃げ出した誠は自分の通う学校のある山の登り口にいた。
誠が通う胡桃山学園の校舎にたどり着くにはこの先にのびる上り坂を登らなければならない。そして目の前には車が通るために敷かれたアスファルトの道に沿うようにして伸びる上り坂と学園をを代表する部活動の登山部のためにつくられた険しいが慣れれば近道となる登山道の2つが見える。
誠は登山道に慣れているため当然のごとく登山道に向かう。また今回は姫宮姉から逃げているからなのか、いつもより斜面を登るペースが速くなっていた。
登山道と登りきり、教室の自分の席に座ると誠はなんとなくほっとしていた。そのままボケーっとしているとクラスのムードメーカー兼情報屋である八木が話しかけてきた。
「おはよー千鳥、なんかやけに疲れてるみたいだけど、どうした?」
「ん、いや、なんでもない。ただぼーっとしていただけ。」
のほほんとした感じで八木に返事をした誠であるが頭の中は全く違う様子だった。
(あんなことがあるはずがない。今日の朝のことは夢、そうだ、そうにちがいない)
そして、厄介なことに巻き込まれたくないという思いから誠は自分に朝のことは夢だ言い聞かせていた。
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