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チキンとオカルトのある日常  作者: 華表 泰信
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ガールヒッツボーイ

不定期ですがよろしくお願いいたします。

 頭に鈍い痛みと自分の横たわっているアスファルトの硬さを感じながら俺は意識を取り戻した。


 視界には気絶する直前に見た二人の女の子が映っている。自分が気絶する前までの記憶と今の状況から、俺とぶつかったのは頭上にアホ毛の生えているほうの子だろう。


 もう一人の俺の通う高校のブレザーを着た子はアホ毛の子を追いかけていたのか?俺が気絶する前は般若の能面のような表情していたし。…ん?何か見覚えがあるような顔だけど……ダメだ、思い出せない。まあいっか、そのうち思い出すだろ。


 ブレザーを着た子は俺が目を覚ましたことにほっとした様子だが、アホ毛の子は煮物を作っていて落とし蓋を忘れて吹きこぼしてしまったときのようにあたふたしている。


 「あの、大丈夫ですか?自分が誰か分かりますか?」


 心配そうにこちらを見ながらブレザーを着た子が尋ねてくる。


 俺は制服に付いた砂利を払いながら立ち上がって答えた。


 「ああ、大丈夫。少し頭が痛いけどそれ以外は問題ない。そのうち痛みは引くだろうし、記憶もしっかりあるから。」


 「良かった、そしてすみません。私の妹がぶつかってしまって。ほら理沙、いつまでもあわあわしてないで謝りなさい。」

 そう言って彼女はアホ毛の子(理沙という名前らしい)を自分の前に立たせる。すると立たされた子は何か不思議な生き物を見るように彼女を見てからこちらを向いて頭を下げる。


 「さっきは本当にごめんなさい。」


 「別にいいよ。それよりそっちの方は怪我とか大丈夫?」


 「はい、見ての通り大丈夫です!」


 そのように言って彼女は両手を腰に当てて胸をそらす。とてもつつましやかなm…と思った瞬間に2人からの冷たい視線が俺に突き刺さったためすぐに考えることを止める。(何についてのとは言わない)

 そして、さっきはアホ毛に気を取られていて気付かなかったが、目の前に立つこの子は俺の通う高校の近く(高校のある山の麓)の中学の制服を着ていた。中学の制服を着ているからには中学生なんだろうけど、それにしても見た目が幼い。ランドセルを背負ってしまえば小学校に見えてしまいそうなくらいだ。


 「…ねえ、おにーさん。さっきから失礼なこと考えてない?」


 そんなことを考えていたため更に冷たい視線を向けられ、そっと彼女達の視線から逃れるようにして自分の腕時計を見ると余裕を持って登校できる時間ぎりぎりの時間になっていた。このなんとも嫌な空気から抜け出すために俺は提案することにした。


 「いや、考えてないよ。それより学校に向かわないか?そろそろ余裕持って登校できない時間になりそうだ。登校時間ぎりぎりで登校すると朝から精神的に疲れることになるから避けた方がいいと思う。」


 するとブレザーを着ている方が彼女自身の腕時計で時間を確認する。


 「……まあ、そうですね。ではさっさと行きましょう。」


 そう言って彼女は学校へ歩き始め、その後ろを理沙と俺はついて行く。

 俺の考えていたことについて何か言われると予想していたのだけど、意外とあっさり流したな。


 そう思いつつ、歩く後ろ姿を見たところで彼女が誰なのかに気付いて思わず「あっ!」と声を上げてしまった。


 「?どうしました?何か家に忘れ物を……あっ」


 ブレザーを着た子がこっちに振り返りながら尋ね、俺の表情から俺が何に気付いたのか理解したようだ。いや、彼女が誰なのかに気付いてしまった今ではそんな呼び方はできない。なぜなら彼女は学校で『高嶺の花』と呼ばれ、校内4大美少女と称される内の1人


 「自己紹介がまだでしたね。私は姫宮 優華といいます。こっちは妹の理沙。以後お見知りおきを。」


  だからだ。


 何故今まで気が付かなかったのだろうか。たとえ気絶から復活した直後で頭がうまく働かなかったとしても少し会話したところで思い出せず、あまつさえ後ろ姿を見て気が付くなんて、俺はストーカーかと自分自身にツッコミを入れたくなった。

ここまで読んでくださりありがとうございます!次回もいつ投稿するのか未定です(汗)

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