出会った
入学してすぐ私は友達が出来た。
相田友紀、永田千夏、升田梨子、坂口彩夏。
友紀は、明るくてリーダーっぽい。
千夏は、結構ボケるし変顔とかする子。
梨子は、天然で優しい子だ。
彩夏は、しっかりしてるがどこか抜けてる。
でも、四人は普通じゃない。
周りから見ると、かなり派手な子達だった。
「じゃあ、自己紹介するぞー。」
先生が言った。
私は自己紹介というものが苦手なのだ。
緊張するし、何言えば良いのかがわからない…
みんなが楽しそうに自己紹介をする中、
だんだんと自分の番が迫ってくる。
いよいよ私だ。
「立川栞菜です。えー…音楽が好きで、カラオケとかよく一人で行きます。
えー…あー…うん。
よ、よろしくお願いします。」
【拍手が鳴る】
私は普通なんだ。
自己紹介が終わり、もう帰る時間になった。
「栞菜ー、これから遊びに行こーよ!」
友紀が言う。
「うん、行く行く!」
そのとき、誰かに呼ばれた。
「立川ー。」
振り向くと、クラスで笑いをとっていた男の子がいた。名前、出てこない…汗
「…えーっと、あっ、そのっ…」
「田口大樹だよ笑」
田口くんは笑いながら言った。
「あのさー、自己紹介!すっげぇ怖い顔で悩んでたのに、
なんであんなに普通なんだよー!マジ笑い堪えるの必死で、死ぬかと思った!」
「それは、私が、普通だから…」
「いや、普通じゃねぇよ!見た目結構チャラそうじゃん?」
「いやっ、私可愛くないし、チャラくもないし、スタイルも良くないし、もう全然普通の人間で−−−」
「そーゆーとこっ、良くないぞ。
立川はー、男から見ても女から見ても、
可愛いと思うよ。」
初めて言われた。
こんなドストレートに「可愛い」と。
「普通じゃない」と…
「あ、ありがとう…//」
「照れんなよ。」
彼はまた笑いながら言った。
「大樹行くぞー!」
「おう!じゃ、またな!!」
「じゃあ、ね。」
彼は、最高の笑顔を見せて手を振り
友達の元へと帰って行った。
そして私は四人で遊びに行った。
友紀が口を開く。
「栞菜さぁ、大樹くんとめっちゃ仲良く喋ってなかったぁ?(ニヤニヤ」
彩夏が言う。
「それな!ねぇ、どうしたのぉ?(ニヤニヤ」
私は、
「いや、別になんでもないよ//」
と言うしかなかった。
だって、本当に何もないからだ。
すると千夏が、
「顔赤くね?(ニヤニヤ」と言う。
梨子は
「確かに!もう好きになっちゃった?(ニヤニヤ」と言った。
私は、
「だから何もないってば!///」と言った。
そのときには、もう気付いていた。
田口大樹に、
私は恋をしていた。