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未来のきみへ   作者: 安弘
修羅道編
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真打登場

 (おい、タカヒト・・・やばいんじゃねえのか?この俺様が手を貸してやろうか?

  俺様に身体を明け渡せばこんな奴ら瞬殺だぜ!)(赤玉)


 「ミカちゃんや皆を護ってくれるの?だったら・・・。」


 「おしっ!そうと決まれば、はやく心を開放しろ!」


 タカヒトは深呼吸して瞳を閉じると心を開放していく。みるみるうちにタカヒトの身体が赤く輝きを放っていくと閉じていた瞳がひらいた。その瞳は赤く輝いている。


 「へいへいへいへい 待たせたな、このやろう。真打登場だぜ!」


 「別におまえなど待ってはいないがな!」


 「ケッ、ノリの悪い野郎だぜ!とりあえず真打の挨拶だ!赤玉中級闘気 フレイム」


 赤タカヒトが腕を大きく振り上げると地面より出た火炎柱が茶ドレイクを襲う。茶ドレイクも地上に手を押し当てると地面から土柱を突き出し火炎柱のすべてを防いだ。

 攻守交替するかのように火炎柱を受け止めた茶ドレイクの後ろから牡丹リナが飛び出してくると頭上から雷撃が赤タカヒトに襲いかかる。


 「ナメンな!」


 雷撃を赤タカヒトは巨大な火炎の盾を創りだして受け止める。雷撃を受け止めると同時に火炎弾を撃ち込んで反撃するものの茶ドレイクの鉄壁の防御と牡丹リナの雷撃によるコンビネーションの前に少しずつではあるが赤タカヒトは押されつつあった。戦況不利と見た赤タカヒトが意識の中の紫玉に問い掛けた。


 「おい、紫玉!聞こえっか?・・・かなりヤバイことになっちまったぜ。」


 (・・・行き当たりバッタリの行動が裏目に出たな。自業自得だ!)(紫玉)


 「っんだと、コラ!何、上からもの言ってんだよ。

  ケッ、てめえの助けなんざいるかってんだよ!」

 

 (紫玉・・・お願い、手を貸してあげて。僕は皆を護りたいんだ。)(タカヒト)


 「?・・・タカヒト!おっ、おまえ・・・意識があるのか?」


 赤タカヒトはビックリして浮遊している場所で引っくり返った。赤タカヒトを狙って牡丹リナが雷撃を撃ち込んだがひっくり返ったおかげで運良くかわせた。


 「あっ、あぶねえ~~・・・」


 (うん、理由はよくわからないんだけどね。ねえ、紫玉・・・赤玉と僕と三人で協力していこうよ!じゃないと皆を護れない。) (タカヒト)


 「そうだそうだ。協力していこうぜ、紫玉。俺達とタカヒトが力を合わせれば確実に勝てるぜ。俺様には考えがあるんだ!」


 (おまえの考えには従えないがタカヒトには従わねばならない

 ・・・ところでおまえが真打なら私はなんなんだ?) (紫玉)


 「!・・・・まっ、まあ、いいじゃねえか。ほら、いくぜ!」


 (・・・・・) (紫玉)


 少し納得のいかない紫玉であるが赤タカヒトに力を貸すことにした。赤タカヒトの身体を包み込むように紫色のオーラが揺らぎだしていく。両手を広げ赤紫に輝くその姿は神々しく目を覆うほどだった。戦いが激化していくと察した緑てんとは桜ミカとポンマンと共に地上に降り立つと事態の成り行きを見守っている。


 「おらおらぁ~~きたぜ!きたぜ!きたぜぇ~~ 最高のパワーがよぉぉ~~!」


 赤タカヒトの身体のまわりを更に紫色の輝きが包んだ。緑てんと、ポンマンはその異様な変わり様に驚愕していた。しかし桜ミカだけはどんな姿になろうともタカヒトのことを信じていた。


 「リナ、奴は何か仕掛けてきそうだ!注意しろ。」


 茶ドレイクは牡丹リナに警戒するように伝えた。その様子を上空でうかがっていた赤紫タカヒトは一気に茶ドレイク目掛けて急降下していく。瞬時に間合いに入った赤紫タカヒトは拳と蹴りの連撃を繰り出していく。茶ドレイクは驚愕しながらもそれを素早くかわしていった。赤紫タカヒトは茶ドレイクに確実なダメージは与えられず、ほんの少しでも隙を見せると牡丹リナの雷撃が襲い掛かってきた。緑てんと達の援護を得ようにも牡丹リナは赤紫タカヒトとてんと達の二方向への同時雷撃を繰り出しているために期待はできない。

 消耗戦となっていく戦況を確認すると茶ドレイクは標準を緑てんと達に向けた。牡丹リナと茶ドレイクの闘気が異常なほど高まって、茶色と牡丹色の輝きが混ざり合うように広まっていく。一気に勝負を仕掛けてきた茶ドレイクと牡丹リナ!


 「リナ、いくぞ。複合技だ! 茶玉最大闘気 ガイヤ!」 


 「はあぁ~~ 牡丹玉オーバーエレメント リ インドラ メガラウンド!」


 「大地の怒り!茶玉牡丹玉複合技 雷激怒!」


 大地から巨大な大岩石が出没してくるとその大岩石に頭上から雷が降り落ちてくる。茶ドレイクと牡丹リナの創りし雷を帯びた大岩石が緑てんと達に襲い掛かる。緑てんとと桜ミカの防御に翡翠ポンマンの増幅力を合わせても雷激怒は防ぐことは不可能。そう判断した赤紫タカヒトは緑てんと達の前方へ瞬時に移動すると闘気を一気に高める。赤色と紫色のふたつの輝きが混ざり合うように強く光っていく。


 (赤玉よ。どうするつもりだ?

  いくら私達が力を合わせても奴らの複合技は受け止めきれないぞ!)(紫玉)


 「安心しやがれ!ここでタカヒトの力を使うんじゃねえか。」


 (えっ?僕の力??)(タカヒト)


 雷激怒は茶玉と牡丹玉の最大闘気の複合技であり、今の赤玉の上級闘気と紫玉の上級理力の複合技ではとても敵わない。そこでタカヒトの持つ徳の水筒を使い一時だけ能力をあげて雷激怒に対抗する。


 「それでも雷激怒に勝てる保障はないけどな!」


  (どちらにしてもやらなければならないみたいだな。) (紫玉)


 「そういうこっちゃ。やらなきゃやられる。やらなければ確実な死が待ってんだ。

  やるしかねえぜ!なぁ、タカヒト!」


 (うん、僕は赤玉と紫玉を信じてる。みんなで生き残るんだ!) (タカヒト)


 赤紫タカヒトが徳の水筒を口に含むと赤紫色に輝いているその身体を金色のオーラが包んだ。てんとが、ミカが、ポンマンが雷激怒の接近に何度目かの死にすべてを諦めかけている。迫り来る雷激怒を金色の赤紫タカヒトが受け止めると踏ん張りきれずに両足が地面に減り込んでいく。


 「ほう、受け止めるか。リナ、エレメントを高めろ!」


 茶ドレイクと牡丹リナが更にエレメントを高めると少しずつだが雷激怒が押し迫ってきた。両腕で支えているがあまりにも巨大な大岩石に金色の赤紫タカヒトは押されつつあった。気づけばてんと達のいる位置まで近づいていた。


 「もうダメだ!」


 あまりの恐怖にポンマンは身をすくめて座り込んでしまった。今、てんとやミカ、ポンマンのすべてが託されている金色の赤紫タカヒトの両腕は雷により焼け焦げ始めた。


 「あちっ、くそが! 熱いじゃねえか!!」


 激痛を堪えながらも守るべき大切な仲間の為に金色の赤紫タカヒトは渾身の力を振り絞っていく。これが最後の攻撃となる・・・。


 (僕は諦めない!皆を護るんだ!)(タカヒト)


 「おぉ~し、やってやるぜ!」


 (私はタカヒトと共にいる) (紫玉)


 「はああぁぁ~~・・・・!!

  赤紫玉上級闘気複合技 徳の力 バージョン 金色ぃ~紫炎キャノ~ン!」


 金色の赤紫タカヒトが金色に輝く紫炎キャノンを放つと迫りくる雷激怒と拮抗していく。徳の水筒の影響なのか更に勢いを増していく金色紫炎キャノンは拮抗を破ると雷激怒を押した。闘気が高まっていく金色の赤紫タカヒトとは逆にリナのエレメントは限界が近づいてきた。


 「あぁぁああ~もう、限界!」


 ついに力尽きたリナのエレメントが小さくなると雷激怒の力が弱まり一気に体勢が逆転して金色紫炎キャノンが押していく。弱まった雷激怒は砕け散り金色紫炎キャノンが茶ドレイクとリナに襲い掛かる。茶ドレイクはリナに覆い被さり金色紫炎キャノンの直撃を受けた。


 「ドレイク!」


 「ガハッ!・・・」


 リナを抱きかかえながらもその身体に受けたダメージは相当大きい。両膝を地面につけ、ドレイクにもはや攻撃を仕掛けてくる気配はない。


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