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未来のきみへ   作者: 安弘
人道編
249/253

リナへのプレゼント

 「皆、元気にしてるかな?」


 マイコは徳寿とお茶を楽しんでいた。ふたりのいる場所は天道の中心都市であるキングダムシティだがピサロがいた頃とはかなり変わった。今では徳寿も隠居の身となりこうしてマイコとお茶を楽しめる時間がとれるようになった。マイコも徳寿と生活をしながら天道でロードギアの開発すると天道軍の主力機体に選ばれ、今ではミゲールカンパニーの社長としてバリバリ仕事をこなしている。お茶をすする徳寿は天道の空を流れる雲を眺めている。


 「知らせがないが良い知らせじゃろうて。」


 ◆◇◆◇◆◇◆◇


 「和尚、戻って来たぜ!」


 「お帰りなさい、ドレイクさん、リナさん。」


 ドレイクとリナの笑顔にルサンカと和尚は笑顔で応えた。ハデス城近くに土地と建物を購入した和尚は隠居生活を楽しんでいた。ルサンカは身体の不自由な者達の世話を行い、ルサンカの考えに賛同した者達と協力して医療施設の長となっている。


 「ルサンカも元気そうで良かったわ。」


 「和尚、飛行艇は無傷だぜ。しかも天道でグレードアップ済みだ。もちろん俺の愛車、モービルウォーカーもな。」


 「無事に帰ってきたところを見ると成功したようじゃな。」


 和尚の問いかけにドレイクは右手の親指を立てた。和尚はドレイクとリナを連れて自室へと歩いていく。和室に囲炉裏がある落ち着いた造りでドレイクは畳に「ドカッ」座り込んだ。ルサンカがお茶をたてると苦そうな表情をしながらドレイクは飲み干した。


 「結構いい場所じゃねぇか・・・落ち着くぜ。」


 「ほう、お主にも落ち着くという名の心があったとはの。驚きじゃわい。」


 「けっ、相変わらずだな、和尚は。」


 「それはそうと、ドレイク。天道の徳寿様が半年前に訪れての、お主達はすでにこの国に戻っているはずじゃとおっしゃっておったのじゃが、半年の間、何をしておった?」


 「ただの新婚旅行だよ、新婚旅行。俺達は六道平和に貢献したんだぜ!いいだろ、それくらい。」


 「あれが新婚旅行だったなんて・・・私はもっとロマンティックな旅行がしたかったわ。」


 「安心しろ、リナ。もっとロマンティックなものをプレゼントするぜ。」


 「アラ、本当?嬉しいわ。」


 「なんの話じゃ?」


 「和尚、お茶も飲んだことだし、ハデスに会いに行かないか?まだ、挨拶してないんだ。」


 ドレイクは立ちあがると和尚とルサンカを連れてモービルウォーカーでハデス城へと向った。和尚とルサンカは知らなかったことだがこの頃、黄泉の国ではある剣士と雷を操る者の話題が広がっていた。それは黄泉の国を治める王、ハデス二世にも伝わっていた。


 「ハデス様、例の者達なのですがいかがいたしましょう?」


 「いかがいたしましょうも何も俺にどうしろというだら!」


 城ではハデスが顔を真っ赤にしながら怒鳴り散らしていた。丁度今、この国に突如、何処からともなく現れた者達の対応について会議が行われた。ドレイク達がこの地を離れてからほどなくして、四匹の魔物が出現した。ハデスですら恐れる強力なマテリアルフォースを操る魔物達は黄泉の国を四等分し、ハデスですら支配下に収めていた。だが、半年前に突然現れた者達により四匹の魔物達は殲滅された。ハデスすら恐れていた魔物達を倒した者達に対応する手段などひとつしか思いつかない。そしてその時はやってきた。


 「おい、邪魔するぜ。」


 ハデスの前に数十名の兵士に取り押さえられながら黒いマントを頭から被った男が現れた。男から激しい衝撃が放たれると取り押さえていた兵士達が飛ばされる。ニヤリと笑みを浮かべる男を見てハデスの直感がすぐにそうだと答えた。震える声を押し殺しながらハデスは男に問い掛けた。


 「おっ、おまえの目的はなんだら?」


 「まあ、とりあえず挨拶だ。俺はドレイクで女房のリナだ。美人だろ。」


 黒いマントを取ったドレイクとリナを見てハデスは目を見開いた。面識のあるふたりならハデスは交渉できる相手であると察っしすぐに行動に出た。


 「おっ、俺に出来ることがあるのならなんでも聞いてやるだらよ。」


 「そうかい・・・なら、この国は俺が治めることにした。」


 「へっ?・・・なんだら?」


 「聞こえなかったのか?いいか、耳の穴かっぽじいてよく聞けよ。この国を四等分にして支配していた馬鹿どもは俺が倒した。黄泉の国を統一するのに邪魔な奴で残っているのはお前だけだ、ハデス。」


 ドレイクは斬神刀の刃先をハデスに向けるとマテリアルフォースを開放していく。その凄まじい気にハデスの歯はガダガダ震え出す。腰を抜かし逃げようにも脚が動かないハデスの姿を見るとドレイクは言った。


 「お前は俺と交渉するつもりか?俺とお前は対等か?」


 「いいえ、いいえ・・・滅相もございません。あなた様と私では月とすっぽん。いや、それ以上でございますだらです。」


 「そうか。ってことは俺がこの国を治めてもいいわけだな。っていうわけだ、リナ。いいよな?」


 「それって私が王妃ってことかしら?どうなの、ハデス?」


 「はい、リナ王妃さま。相変わらずのお美しさ。」


 「あなたも相変わらず調子がいいのね。理解したのならその王座は誰が座るのかしら?」


 ハデスは四つん這いで王座から降りると代わりにドレイクが座った。ポカンとしている和尚とルサンカは黙ってドレイクの言葉を聞いていた。


 「いいか、俺はタカヒトみたいに甘くはないぜ。黄泉の国はこの俺が仕切る!あと、和尚は年長者として敬え。ルサンカは医療施設の長として今後もやってもらう。ふたりは特別待遇だぜ、ハデス。」


 「おっ、仰せのままに・・・いたしますだら。」


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