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未来のきみへ   作者: 安弘
新天道編
245/253

決着の時

 「グフフ・・・貴様が創造神の力を得る可能性がゼロではないことくらいは承知しておる。ワシも見せてくれよう。六道の王として君臨する者の完全なる力を!!」


 ピサロは腰を落とし両手を頭上にあげた。周囲の空気が冷たく重く迫ってくるとピサロの身体を三色の輝きが包み込んでいく。それらの輝きが消えると十二枚の翼、八本の腕には鋭い剣が握られて重量感ある身体を四本の脚が支えていた。


 「システムを失う確率は数パーセント。レインウイルスの浸入と同時に起動し、独立プログラムにより構築されたデータは我が最高傑作と言ってもよいだろう。完全体・・・そう、表現できる。我が分身であったキュリオテス、スローネ、デュミナスの能力を受継ぎ、最強形態と化した。我が名はライテス・・・天道を、六道を創りし神である。」


 「完全体・・・神・・・?貴様が神を名乗れる道理などない。まあ、いい。完全体を名乗る貴様を無に化すことは我が使命。創造神、究極体の力を拝ませてやる!」


 十二枚の翼を羽ばたかせたライテスは創造神タカヒトに迫ると八本の刃を突き刺した。突き刺さった刃から血が流れ落ちることはなく、残像を残して創造神タカヒトはライテスの背後に移動している。ゆっくりと振り返るライテスは笑みを浮かべていた。


 「創造神を汚し、我の記念碑としてくれよう。その時こそ我がすべてを得た記念日でもある。」


 ライテスから八本の刃による怒涛の斬撃と同時に四本の脚から繰り出される蹴技。さらに虹色玉の能力が創造神タカヒトを追い詰めていく。虹色玉は全ソウルオブカラーの能力を操ることが出来る唯一無二の最強色玉である。


 「火炎、氷水、流星、雷、地震、風・・・ありとあらゆる力を操る虹色玉に完全体と化した我が肉体をもってすれば、いかに創造神といえども取るに足らない存在。」


 「・・・貴様は勘違いをしている。」


 「フン!我が刃にて追い込まれておる者が何を言っておるか!!」


 「火炎、氷水、流星、雷、地震、風・・・そして貴様の手にしている刃も・・・そのすべては創造神により生み出されたものだと理解することだ。」


 「グッ、ハハハ・・・貴様が生み出したそれらの力によって貴様は消滅するのだ。喰らえ!我が最大にして最高の技、セブン・デッド・フォーリング・ダウン!」


 ライテスの八つの腕からほとばしる大火炎が、すべてを凍らす氷柱が、呼吸を奪う水流が、地を揺らし動きを奪い、流星、雷、風撃が、そして鋭い刃が創造神タカヒトを死へと導いていく。瞬時にして消滅した創造神タカヒトにライテスは笑みを浮かべた。


 「記念碑としてくれようと思うたものを・・・消滅してはしかたない。」


 「消滅とは・・・何を語っている?」


 「・・・どういうことだ・・・何故、死なん!」


 「貴様の生み出したすべては我が創造したものにすぎん。我が創りしもので我を倒すことなど愚問でしかない。」


 「おのれぇ~・・・創造神を汚し、我は最高神へとならねばならんのだ!」


 「先ほど語っていたな、創造神に傷を負わせることなどあってはならないと・・・創造神に逆らう愚か者に神の鉄槌を与えよう。消滅せよ、ピサロ!」


 三対の翼を広げると両腕を交差させた創造神タカヒトから一閃の光が放たれた。ライテスに突き刺さるとそれは身体ごと押し飛ばす。自ら築いた世界から飛び出し、身動きも取れないままライテスは遥か彼方へと押し出される。ライテスの視界に巨大な真っ赤に燃えた恒星が映った。創造神タカヒトが放った一閃の光は衰えることもなくライテスを恒星に押し付けるとその身体が次第に溶けていく。


 「こんなことが!天道を、六道を支配せしこの私が!このピサロが!こんな幕があるわけがない!!あるわけがないのだ!!ギャアァァァ~!!!嫌だぁぁ~、皮膚が燃える!アギャアアァァァァァァ~~~!!!」


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