表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未来のきみへ   作者: 安弘
新天道編
226/253

激戦の地

 玄武が向う最中、第二陣スマイル部隊が向ってきた。ドレイクは腰を落とし、斬神刀の刃先を背後に向けた。目を見開き、刃先を一気に振り切る。すれ違ったスマイル部隊はそのまま、ミカ達の方向へと向っていく。


 「ちょっと、なんで斬らないわけ?ミカ達に負担がかかるでしょ!」


 「大丈夫よ、リディーネ。」


 「えっ?」


 「抜刀術奥義 癸の型、限無斬・・・貴様らの業は俺が断ち切ってやる。次に生まれ変わるとしたら何がいい?もちろん決められはしないがな!」

 

 ドレイクは斬神刀を鞘に収めると空中を飛行していた第二陣スマイル部隊兵は血雨を降らせながら地上へと落ちた。血の雨を見ながら口をアングリしているリディーネを無視しながら玄武はアルヒャイ・キャッスルへと飛行を続ける。


 「こちらに向ってきているエネルギー体を確認!」


 「第二陣部隊はどうした?」


 「エネルギー反応はありません!」


 「おのれぇ~、やりおるわ!コンプリート機能を発動せよ。」


 「コンプリート機能発動!!」


 統括司令官の言葉に兵士のひとりがスイッチを押した。すると緊急表示のされたボタンが出現する。そのボタンを押すと待機していた第三陣スマイル部隊兵の表情に変化が見られた。白い装甲の継目から血のような真っ赤な液体が流れると装甲が真紅に染まっていく。眼からも血のような液体が流れていくと真っ赤になった姿は激怒しているようにも見えた。


 「行け、スマイル部隊!最強の力を見せてみろ!!」


 統括司令官の激が飛ぶと第三陣スマイル部隊が飛び去っていく。順調にアルヒャイ・キャッスルへと向っていくドレイク達は目前に迫ってくる殺気を感じ取っていた。


 「新手か!」


 「どうってことないわ!アタシの火炎で丸焼きにしてやる。最大闘気 獄熱地獄!!」


 巨大な火炎輪が真紅に染まった第三陣スマイル部隊に放たれた。地獄絵図のように燃え広がる火炎に勝利を確信したリディーネ。しかしその妄想を打ち砕くように火炎海の中からスマイル部隊が飛び出してきた。驚愕したリディーネに代わり、リナが雷撃を放つ。


 「玄武!降下しろ!」


 ドレイクの激に玄武は急降下するとスマイル部隊との激突を回避した。急降下した玄武にスマイル部隊も追撃に移行する。スマイル部隊の一斉射撃に玄武は紙一重でかわしてはいるが劣勢は続く。


 「茶玉極限闘気  クル・ヌ・ギアス!」


 闘気を極限にまで高めたドレイク。大地から茶色の透明な液体のようなものが浮き上がってくるとスマイル部隊を包み込んだ。本来ならその身体は乾燥して粉と化すが機械人形には通用しない。しかし包み込んだ液体によりスマイル部隊の足止めはできたようだ。


 「よし、一気に行くぞ!」


 玄武は速度をあげるとアルヒャイ・キャッスルの壁をぶち抜き、内部に侵入した。一方、地下シールドで篭城しているミカ達に危険が近づいていた。コンプリート機能発動により第一陣スマイル部隊が地下シールドを破壊しながら接近してきた。ミカの最大理力エラト・アグライアにより巨大な桜の葉で頭上より近づいてくるスマイル部隊の進軍を阻止してはいるがその理力もそう続きはしない。


 「このまま、篭城していても・・・」


 「白虎、皆を連れて退却するぞ。」


 (アレは食べないのか?)(白虎)


 「それどころじゃないってば。ミカちゃん、マイコちゃん。俺の近くに来て!」


 白虎が出現すると大きなホールを創り出した。その中にマイコとミカ、アレスが入ると白虎と共に消えてなくなった。丁度そこにスマイル部隊が地下シールドを破壊して辿りついたがそこにはミカ達の姿はなかった。しかしすぐに生命反応を感知すると再び地上に飛び出し、生命反応のする方角へと飛び去った。


 「危なかった・・・後少しでやられるところだった。」


 安堵していたアレス達は別の方向からアルヒャイ・キャッスルが見える場所に来ていた。スマイル部隊が突然、能力をあげたことには驚いたがなんとか回避することはできた。しかしすぐに戦闘は開始される。


 「皆、気をつけて!エネルギー反応がする。さっきの奴らが近づいてるよ!」


 マイコが叫んだその時、空中より飛来してくるスマイル部隊から一斉射撃が行われた。ミカは理力を高めると瞬時にレインボーウォールを形成してそれらを防いだ。射撃を止めたスマイル部隊はレインボーウォールにしがみつくと鋭い爪でそれらを引き裂いていく。ミカは複層にウォールを形成していくが破壊速度のほうが圧倒的に高い。


 「くそっ!白虎、俺達がやるぞ。メテオ・ボール!!」


 白虎の背後に異空間が出現するとそこから隕石が飛び出してきた。しかしそれらはスマイル部隊兵に当たることもなく、完全に回避すると再びレインボーウォールを破壊していく。


 「くそ、ダメか!」


 「攻撃パターンの分析が終了したわ。ロードギアで出るから援護して!」


 マイコはロードギアをバトルモードに変形させる。細かい分析を終えたデータをロードギアのメインコンピューターが読み取っていく。ロードギアが起動するとマイコが言った。


 「ミカ、ウォールを解除して!」


 ミカが頷き、ウォールを解除するとスマイル部隊が一斉に向ってきた。それらをロードギアが迎え撃つように構えると両腰に装着されていたナイフを取り出した。両手にナイフを持ち、スマイル部隊兵に向っていく。ロードギアからミサイル弾が放たれるとそれはスマイル部隊兵に激突した。爆発した中から無傷のスマイル部隊兵が飛び出してくると粒子砲による射撃が始まる。ロードギアから粒子状のシールドが出現するとそれら粒子砲は跳ね返されるように四方八方へと飛び散っていく。


 「粒子砲の成分分析は完了している。そんな攻撃は効かないわ!」


 ロードギアは粒子シールドで身を守りながらスマイル部隊兵に接近していくと両手のナイフで突き刺した。二体のスマイル部隊兵は機能を停止すると地面に倒れた。銃撃戦が無効と判断したスマイル部隊兵はロードギアのナイフより長めの小太刀型ナイフを手にした。接近戦を予想したマイコは速度分析を急いで行うとロードギアのほうが若干ではあるが機動力があるとの結果がでた。


 「無傷で勝とうなんておもってない。いくわよ!」


 ロードギアはスマイル部隊兵に接近していく。迎え撃つスマイル部隊兵は機動速度が若干ではあるが遅く、ロードギアについていけない。少しずつではあるがマイコのロードギアの分があり、アレスとミカは戦況をうかがっていた。


 「ミカちゃん、マイコちゃんのロードギアが有利に動いている。今のうちに理力の回復に努めて。俺はロードギアを支援するから」


 アレスはそう言うと白虎を出現させた。メテオ・ボールを放つとスマイル部隊兵に直撃していく。圧倒的有利になったアレスとロードギアはスマイル部隊兵を追い詰めていくように見えた。その一部始終をモニターで見ていた教授が悲しげは表情で言った。


 「憐れな者たち・・・スマイル・システムをただの機械人形兵器と思っている。スマイル・システムのコンプリート機能。その真の恐ろしさを知ることになろう。」


 少しずつではあるがロードギアからの攻撃が当たらなくなりつつあった。それはアレスの攻撃も同様である。それとは逆に今まで当たらなかったスマイル部隊兵からの攻撃がロードギアに当たるようになってきた。


 「どういうこと?なんで?機動速度が速くなっている?・・・もっ、もしかして、ロードギアの攻撃パターンを読んだ?成長する機械人形なの!」


 マイコの予感は的中した。真紅に染まったスマイル部隊兵はロードギアの両腕を切断して斬り落とすと距離をとった。ジッとしているとそれまで破壊されていた各部位が修繕されていく様子が見てとれた。ほんの一瞬にして修繕は完了し、何事もなかったかのようにスマイル部隊兵は立っている。ロードギアはというと両腕を切断、ダメージはかなり高い。そんなロードギアに対してスマイル部隊兵は追撃をかける。手にした小太刀型ナイフで急接近するとロードギアに斬りつけた。回避すべく高速移動するがそれよりも早い機動速度でまわりこむとロードギアの脚部を斬る。


 「きゃあぁぁぁ~~!!」


 バランスを崩したロードギアは地面を削るように倒れこむ。アレスも援護に向おうとするが目前にきたスマイル部隊兵と交戦中となった。ミカもふたりを包み込むようにレインボーウォールを形成するがそれすら鋭い刃で切裂かれようとしている。


 「マイコちゃん!しっかりして!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ