一
文章を書くリハビリとして。
午前3時22分、何とか目が覚めた。
昨日全く食事をせずにいたので、空腹だ。
子供が寝入っている事を確認し、放置していた食材の入ったレジ袋二つを持って台所へ行く。
パスタを食べるつもりだったが、同居人がカレーを作って残っていたので図々しくいただく。
それから買ってきたモツァレラチーズを大雑把に切って醤油をかけ、カリフラワーを洗って電子レンジにかけてポン酢をかける。
飲み物は飲むヨーグルト。
食べ合わせなどからきし無視だが、帰宅も入浴も稀で、食事も不規則な肉体労働者としては、口に入れる瞬間幸せで、手軽で、腹を満たせて、栄養が摂れればいいのだ。
そんなやさぐれた考え方でいたら、今日は久々に身体の反乱にあった。
立ち上がると、天井が回る。
回る天井に辟易してしゃがめば、目の前がすぅ、とくらくなって、流れ星のようなものが見える。
挙げ句の果てには、大して食べていないのに、吐き気がする。
「妊娠かね」
と、声に出してみて、そのあり得なさに笑いが込み上げるのだが、笑いの衝動が本格的に嘔吐をよんでしまって、便座に抱きつく羽目になる。
―神様、私が悪かったと認めますから、とりあえず症状を止めて下さい。
信心もないくせに、神頼みをしてみる。
暑くなって汗が出て、やがて脂汗が出て、しばらくすると引いて、寒気がし、普段感じない腋臭に気づく。
握り締めていたケータイに気づき、震える指で119番を押す。
せめて文体(語尾)と語り手の自称の混乱だけはしてないように…気をつけないといけないと思いつつ。