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「目が赤く光るから悪魔」と言われましたが、本当の悪魔は貴方の隣の人です

作者: 井上さん
掲載日:2026/03/04

名前を借りました

「お前とは婚約破棄だ!」


 オーム王子が、夜会会場の真ん中で、ふんぞり返りながら言った。

私は、ワット。オーム王子と婚約していた。

今、オーム王子と腕を組んでいる女、アンペアと浮気していたのを知っていた。


「どういう事でしょうか?」


 とりあえず、理由を聞いてみよう。


「お前の目が赤く光って悪魔みたいだからだ!悪魔と結婚できるか!私はこの、聖女アンペアと結婚する!」


「嬉しいです。オーム王子!」


 オーム王子とアンペアは見つめ合った。


「かしこまりました。では、さようなら」


 2人を置いて、夜会会場から出る。


「「え?」」


 悔しがらずに泣きもせずに、すんなりと婚約破棄を受け入れたから、あてが外れた顔をする2人。



 目が赤く光るからって悪魔呼ばわりとは…

私の目の色は、赤い。そして、無駄に光る。

 ただ、光るだけ。

光る以外に何も起こらない。


 公爵家の令嬢だから、オーム王子と婚約させられた。

王子は、見栄っ張りで、尊大で、毎日勉強もせずに色々な令嬢と遊んでいた。


 常に3人と付き合っていたが、アンペアと出会ってからは、アンペア1人と付き合っていた。


相手が1人で我慢できるのかと思っていたが、アンペアに魅了魔法を掛けられていたから、他の女が入り込む余地が無かっただけだった。


そもそも、アンペアは聖女ではない。

悪魔だ。


アンペアこそが悪魔なのだが、オーム王子は私の話を聞かないだろうから、何も言わなかった。


 この後、本当にアンペアと結婚するのか、聖女に何かされるのか、見ものである。






 王城を出た時、声を掛けられた。


「お待ちしていました」


 見たことない男だ。


ただ、王子っぽい格好をしている。


「どちら様ですか?」


「私は隣国の王子ジュールです。貴方をお迎えにあがりました」


「お迎え?どうして?」


「話は馬車の中で。どうぞ」


 手を差し出される。


馬車の紋章は、確かに隣国のものだし、仕方ない…乗ってみるか…


ジュールにエスコートされ、馬車に乗る。


 すぐに馬車が走り出した。


「覚えていないと思いますが私は昔、あなたに助けられたのです」


「助けた?」


「はい。命を狙われていまして。やっと敵を滅ぼしたので、あなたを迎えにきたのです」


「迎えにきて…どこへ行くの?」


「私の国です。あなたには、私の妃になってほしい…」


 ジュールは、真っすぐに見つめてくる。


「そう言われても…」


「戸惑うのも当然でしょう。ひとまず、私の国で過ごしてください。この国には、いたくないでしょう?」


「それは…まぁ…」


「妃になるかどうかは、私を知ってから考えていただければ良いですから」


「妃にならないって言ったら?」


 しばらくジュールは、考えていたが


「その時は…友人から」


「友人?」


「命の恩人を、放っては、おけませんから。あなたが心安らかに暮らしていくのを、見守らせてください」


「う〜ん…まぁ…それで良いなら…」


 私は、ジュールに隣国へと連れて行かれた。






 ジュールは第2王子だったが、王位継承権がほしい第5王子に命を狙われ、第1王子共々刺客に襲われた。


第1王子とは別に逃げ、森を彷徨っていた。

 夜、追ってきた刺客に襲われそうになるが、赤い光が2つ見え、魔物が来たと思った刺客が逃げた。

それで、今度は魔物に襲われるのかと思って身構えたら、女の子が出てきた。

 助かった…

赤い光は、女の子の目だった。とても綺麗だなと思った。


その後、しばらく潜伏していたが、第5王子を討伐する第1王子につき、無事に第5王子を倒した。


 立太子した第1王子に忠誠を誓い、王族として、役目を果たす事になった。

国が安定してしばらく経ち、そろそろ結婚を、と言われて、助けてくれた少女を思い出し、探し出した。


 少女は、隣国の王子オームと婚約していたが、王子は別の女アンペアと過ごしていた。

オーム王子が、少女と婚約破棄するつもりだと計画を立てているのを知り、婚約破棄されたら、少女を国に連れて帰ろうと狙っていた。


 ようやく少女を手に入れた。

男は、悪魔に魅入られたバカな王子に感謝した。

少女を手放してくれてありがとう、と。






 一方その頃。

魅了の効果が切れ、オーム王子が正気に戻った時には、国の財政が破綻し、内乱が勃発し、他国から攻められ、没落寸前だった。


「あっははははははは〜!た〜のしかったぁ〜!」


 アンペアが大笑いしている。


「どうしたんだ!?」


 オーム王子が聞くと


「私、国を没落させるのが好きなの!もうすぐ没落するから、もう、この国出て行くね!じゃあね〜」


 アンペアは、転移魔法で、どこかへ消えてしまった。


「そ、そんなぁ〜!」



読んでいただきありがとうございます

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