「目が赤く光るから悪魔」と言われましたが、本当の悪魔は貴方の隣の人です
名前を借りました
「お前とは婚約破棄だ!」
オーム王子が、夜会会場の真ん中で、ふんぞり返りながら言った。
私は、ワット。オーム王子と婚約していた。
今、オーム王子と腕を組んでいる女、アンペアと浮気していたのを知っていた。
「どういう事でしょうか?」
とりあえず、理由を聞いてみよう。
「お前の目が赤く光って悪魔みたいだからだ!悪魔と結婚できるか!私はこの、聖女アンペアと結婚する!」
「嬉しいです。オーム王子!」
オーム王子とアンペアは見つめ合った。
「かしこまりました。では、さようなら」
2人を置いて、夜会会場から出る。
「「え?」」
悔しがらずに泣きもせずに、すんなりと婚約破棄を受け入れたから、あてが外れた顔をする2人。
目が赤く光るからって悪魔呼ばわりとは…
私の目の色は、赤い。そして、無駄に光る。
ただ、光るだけ。
光る以外に何も起こらない。
公爵家の令嬢だから、オーム王子と婚約させられた。
王子は、見栄っ張りで、尊大で、毎日勉強もせずに色々な令嬢と遊んでいた。
常に3人と付き合っていたが、アンペアと出会ってからは、アンペア1人と付き合っていた。
相手が1人で我慢できるのかと思っていたが、アンペアに魅了魔法を掛けられていたから、他の女が入り込む余地が無かっただけだった。
そもそも、アンペアは聖女ではない。
悪魔だ。
アンペアこそが悪魔なのだが、オーム王子は私の話を聞かないだろうから、何も言わなかった。
この後、本当にアンペアと結婚するのか、聖女に何かされるのか、見ものである。
王城を出た時、声を掛けられた。
「お待ちしていました」
見たことない男だ。
ただ、王子っぽい格好をしている。
「どちら様ですか?」
「私は隣国の王子ジュールです。貴方をお迎えにあがりました」
「お迎え?どうして?」
「話は馬車の中で。どうぞ」
手を差し出される。
馬車の紋章は、確かに隣国のものだし、仕方ない…乗ってみるか…
ジュールにエスコートされ、馬車に乗る。
すぐに馬車が走り出した。
「覚えていないと思いますが私は昔、あなたに助けられたのです」
「助けた?」
「はい。命を狙われていまして。やっと敵を滅ぼしたので、あなたを迎えにきたのです」
「迎えにきて…どこへ行くの?」
「私の国です。あなたには、私の妃になってほしい…」
ジュールは、真っすぐに見つめてくる。
「そう言われても…」
「戸惑うのも当然でしょう。ひとまず、私の国で過ごしてください。この国には、いたくないでしょう?」
「それは…まぁ…」
「妃になるかどうかは、私を知ってから考えていただければ良いですから」
「妃にならないって言ったら?」
しばらくジュールは、考えていたが
「その時は…友人から」
「友人?」
「命の恩人を、放っては、おけませんから。あなたが心安らかに暮らしていくのを、見守らせてください」
「う〜ん…まぁ…それで良いなら…」
私は、ジュールに隣国へと連れて行かれた。
ジュールは第2王子だったが、王位継承権がほしい第5王子に命を狙われ、第1王子共々刺客に襲われた。
第1王子とは別に逃げ、森を彷徨っていた。
夜、追ってきた刺客に襲われそうになるが、赤い光が2つ見え、魔物が来たと思った刺客が逃げた。
それで、今度は魔物に襲われるのかと思って身構えたら、女の子が出てきた。
助かった…
赤い光は、女の子の目だった。とても綺麗だなと思った。
その後、しばらく潜伏していたが、第5王子を討伐する第1王子につき、無事に第5王子を倒した。
立太子した第1王子に忠誠を誓い、王族として、役目を果たす事になった。
国が安定してしばらく経ち、そろそろ結婚を、と言われて、助けてくれた少女を思い出し、探し出した。
少女は、隣国の王子オームと婚約していたが、王子は別の女アンペアと過ごしていた。
オーム王子が、少女と婚約破棄するつもりだと計画を立てているのを知り、婚約破棄されたら、少女を国に連れて帰ろうと狙っていた。
ようやく少女を手に入れた。
男は、悪魔に魅入られたバカな王子に感謝した。
少女を手放してくれてありがとう、と。
一方その頃。
魅了の効果が切れ、オーム王子が正気に戻った時には、国の財政が破綻し、内乱が勃発し、他国から攻められ、没落寸前だった。
「あっははははははは〜!た〜のしかったぁ〜!」
アンペアが大笑いしている。
「どうしたんだ!?」
オーム王子が聞くと
「私、国を没落させるのが好きなの!もうすぐ没落するから、もう、この国出て行くね!じゃあね〜」
アンペアは、転移魔法で、どこかへ消えてしまった。
「そ、そんなぁ〜!」
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