第4話
「…着いたか、まあ一瞬だったけど」
俺はテレポートでとある場所にやってきた。家の中でも十分良かったのだがちょっと危ないものでな。
その場所とは、太平洋である。
「…それにしても海をこうしてみるとは思わなかったな」
俺はいま空中浮遊うしている状態である。まあヘリコプターみたいなものだ原理は。
「よいしょ」
俺が少し動かすと海が凍った。
「これで歩きやすくなるってもんだ」
歩けるほどのスペースは出来た。
「…じゃあ準備運動だ、《絶対零度》」
俺が唱えると空間ごと凍るような寒さで固まっていった。
「…やっぱ封印だな、これ。ヤバ過ぎるわ。現代で使って良い技じゃねぇ」
そっと収める
「次はなぁ…炎弾」
炎が燃え盛り海に突き刺さった。
「…まあこんなもんかな」
準備運動が終わったところで本番に入っていく。
「…確かこうしてたっけ、まずは《限界突破》」
発動はしていない
「…失敗したかぁ」
限界は突破できなかったようだ。
「…これは、こうして、こうだったっけ、一回ノート取ってこよ」
テレポートで家まで取りに帰った。
と思ったらすぐに帰ってきた。
「ただいま、まだ凍ってる…まあ取り敢えず魔導書を持ってきたからな、俺にとってのだが」
といってとにかく分かることだったりなどを書き殴ったノートを見ながら挑戦していく。
「…ダンジョン内転移はあるらしいが、ダンジョンはないからな。なんとか今日中に手がかりを見つけたいところ」
何とか無我夢中でコツを見つけていこうとしているのだが、解決の糸口が見当たらない。
「…これじゃね、まずは《スペルマスター》を使って《虚無空間》と《ダンジョン内転移》の複合、そこからさらに…え??」
俺はその方法で試そうと思ったが出来なかった。
「………もしかして、禁止されてる?この使い方だと…最悪だぁ、手がかりがぁ…テレポート、帰ろ、もう」
もう俺は家に帰ることを決めた。
「…よっと、ちゃんと家だな」
俺の家に到着…と言ってもテレポートしただけなのだがな。妹は部活があるから帰りが遅くなるのだろう。
「…手がかりがなくなってしまった。あれでだめならどうしろと…」
俺は部屋に駆け込んだ。部屋の中には散らかったファンタジー系のラノベがとても目立っていた。
「…片付けなきゃなぁ」
片付けるのが何となく辛いのだ。
そんな中空気を読まずに帰ってきたやつがいた。
「やっほー兄貴!聞こえてる?ゼリー買ってきてやったから!」
その声を聞いた瞬間に俺は倒れ込んでしまった。まるでこの感覚は魔力切れのように…。