第2話
俺は何とか中田さんから逃げ切ることに成功した。身体強化を使っていたから何とか…ね。昼休みは終わり授業、普通に放課後だ。
(久しぶりに本屋に行こうか)
俺は本屋に行くことにした。手がかりを掴みたかったからだ。
(アリスのいる世界に行くためには創作物から取り入れるしか無いと思う。天才の皆様、知恵をお貸しください!!!)
そう言えばあの後中田さんは俺に用があるとか言ってただろうけど特にそんな急用じゃないだろうな。取り敢えず出向だぁ!
本屋に到着した後は一目散にラノベの陳列棚に向かった。様々なジャンルが揃っている。良かった、俺の知っている作品もちゃんとある。コイツらも買っておくとして…見当たるジャンルは……ここかな?
俺はファンタジーが陳列している棚に向かった。いろんなものもあるんだな。
…取り敢えず、金の許す限り購入してみよう。できる限りはやってみよう。
本屋で買い占めかと言うほど本を買ってやった。店員さんが驚いているのが少し面白いと思ってしまった。だって「あの子転売ヤー?」とか「どんだけ買うのよ、最近の若い子って…」とか色々と
家に帰るとツインテールが特徴的な妹が飛び込んできた。
「うぇーい!こんなに可愛い妹がいるんだぞ!もうちょっと喜べよ!」
「…荷物あるからやめてくれない?」
「こんなに本を買っちゃって…転売ヤー?」
「それ店員さんにも言われた」
やっぱ言われるんか?
「…でも兄貴変わったね」
「何がだ?」
「口調とか…ほら兄貴ってしょぼしょぼ声で何言ってるのか分からなかったもん」
「酷くない?」
…まあ転移する前がそうだったので否定のしようがない。
「…好きな人でもできたん?」
「は!?え!??ちょっと!!!??」
「…その反応、マジでいるの?」
「冗談で言うなよ!」
「否定しないとは…」
「あ…」
まさか妹にはめられる時が来るなんてな。兄貴としてダサいことこの上ない。
「…自分の部屋に行かせてくれ」
「分かったよ、叶わないだろうけど頑張れ」
「やかましいわ!」
全く、結構時間食ったぞ。
本棚にはラノベが陳列されている。もちろん転移前のものだがな。取り敢えず俺は課題そっちのけでラノベを見漁った。とにかく手がかりを探した。見当たらない。それでも見つけるしかなかった。
俺はとにかく読むのに夢中になっていた。だが読むのに夢中で気づくことが出来なかった。まさか妹が俺の部屋の扉を開いて「…やっぱ兄貴は兄貴だったか」と言われていることに…。