表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蝶が舞う  作者: 御通由人
20/33

第20章

 りんは帰って来るどころか、連絡もなかった。そのうえ、メールアドレスも携帯番号も変えたようで、光彦からは連絡のしようがなかった。

 毎晩、バス停からの帰途で、アパートの部屋の灯りが点いていないことを確認すると、彼は溜息をついた。

 家に入ると、すぐにキッチンに行き、それから、脱衣所、風呂に向かった。自分がいない昼間にもしかして彼女が来ていなかっただろうか?そんなことはあり得ないと思いながらも確かめずにはいられなかった。が、彼女が戻ってきた形跡は一切なかった。

 

 毎日が味気なく、何事に関してもやる気がなくなった。 

 鏡に映った顔を見ると、何歳も老けたように思われた。

 また、些細なことに腹を立てるようになった。

 ある時、会社帰りにコンビニに晩飯の弁当を買いに行った時、いかにも柄の悪そうな若い夫婦がいて、その子供二人がふざけて走り回り騒いでいた。それにイラつき、キレそうになっている自分に気づいて、光彦は驚いた。どちらかというと穏やかな性格の自分が、こんなことで苛立っていることに気づいて、愕然とした。 

 

 じりじりと焼かれるような気分のまま10日程経った時、りんが戻って来ないのなら、こちらから会いに行けばよいのではないかという考えがふと浮かんだ。


 ネットで地元の風俗店を片端から調べてゆくと、あるファションヘルスでりんの写真を見つけた。

 リナという名前になっていて、片手で目と鼻は隠しているが、髪型や口元の様子から彼女であることは間違いなかった。

 光彦と暮らしていた時は平日の昼しか出勤していなかったのだが、今は土日も出ていた。


 彼は迷った。

 彼女の気持ちを戻すにはじっと連絡を待つ方が得策かとも思った。

 しかし、今の状態がこれ以上続くのには耐えられなかった。吉と出るか凶と出るかは分からないが、とにかく決着をつけたい。

 次の土曜の昼に会いに行くことに決めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ