表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蝶が舞う  作者: 御通由人
19/33

第19章

 翌朝、りんは機嫌良く、いつもと変わらぬ様子だったので、光彦は安堵した。

 しかし、夜、仕事から戻ると、りんの姿はなく荷物もなくなっていた。

 

 ダイニングテーブルの上に手紙が置かれていた。

「ごめんなさい。今日から寮に泊まることにします。私のせいで苦しめてしまって、本当に本当にごめんなさい。

 これまで一緒に暮らさせてくれてありがとうございます。料理を作らせてくれて家事をさせてくれて、本当に楽しかったです。

 時々は様子を見に来ますね。栄養が心配だから、時々食事は作らせてください。今日は鈴木さんの好きな肉じゃがを作っておいたので、チンして食べてくださいね」


 目の前が暗くなるという表現があるが、その言葉通り視界が急速に狭まっていった。人はあまりに落胆した時にこういうふうになるのかと思った。

 大切にしていたものを自分の無神経な言葉で手放してしまった。いくら悔いても悔いきれなかった。

 全身から力が抜けてゆき、彼はテーブルの前の椅子にへたり込んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ