過去編6(後編)
過去編6の続きです。
過去編6(後編)
後悔2
散乱したルーナの部屋を見渡す。彼女はいつも、こんなことをドミニカにされていたのかと、考えた。ドミニカに嫌がらせをされメイドからも酷い扱いをされ、私にも信じて貰えず、頼る当てもなく1人でずっと、苦しんでいた。そう思うと、心が張り裂けそうだった。謝って、許しを乞うても到底、許してはもらえないだろう。それだけのことを私は、彼女にしたのだ。
ルーナの部屋は、散乱していて足の踏み場も無いぐらいだった。足元に落ちているものを拾う。罪滅ぼしと言っても、あれだけのことをしたのだ、部屋を片付けただけでは彼女は許してくれないだろう。そう、分かっていても許してもらいたかった。床に散らばる装飾品などを拾っていると、ふとあるものが目にはいった。
それは、緑色であまり高価なものではない。しかし、私はこのペンダントの価値を知っている。このペンダントは、私が母からお守りとしてもらった母の形見だった。そして、そのペンダントはあのとき、あの少女に渡した。つまり、これを持っているということは・・・・・・・。私の脳裏は一瞬にして真っ白になった。何も考えられなくなった。自分のしたことが自分の中で膨らんだ。自分を許せなくなったのだ。
そして、初めて私は悔やんでも悔やみきれないことをしたのだと、私は心底自分を恨んだ。
そして、もう彼女に愛されなくても幼い頃、誓った願いを叶えるために。
私は、ルーナともう一度やり直したいと思った。
ここで、過去編は終わりです。次からは現代編に入ります。その前に過去編の登場人物設定のまとめでも書こう思います。