過去編5
過去編5。過去のエピソーグをここで挟みました。ここに入れるかいれないか悩みました。が、過去編6に続くので入れました。
分かりにくかったら、申し訳ないです( ̄▽ ̄;)
過去編5
幼い頃の記憶
昔、私が好きな少女がいた。その少女の顔は覚えていないが、それでも忘れることが出来なかった。
昔、私はこの家の跡取りとして日々、厳しい教育を受けていたどこにも逃げ場がなく、つらかった日々。その日々から救ってくれた少女がいた。その少女とは、あるパーティーで出会った。息苦しいパーティーから抜けたいいっしんで、庭に出ると先に少女がいた。少女は、私に気がつくと、私に近付きこう言った。
「ねぇねぇ!!こっちこっち」
と少女は私の手をとり走り出した。
少し、走った後少女は立ち止まり、
「ここ!!ここを見てみて」
少女は、そう言って私に促す。
私は、訳のわからないまま、少女が指さしたところを見る。
すると、大量の蝶がいっぺんに飛んだのだ。
その光景は、とてもきれいで神秘的だった。その時は夜で、月が浮かんでいた。だからなのか、より一層きれいに見えた。
私がその光景に目を奪われていると少女は、言った。
「ねぇ、きれいでしょ?実は、これまだ私しか知らなくて、まだ誰にも教えてないんだよ?だから、あなたが初めてなの!!」
少女は、ニコニコしながら言う。
「ねぇ、また来て良いかな?」
私は、そう言う。 少女は、
「うん!!いいよ!!また、一緒にみようね!!」
しばらく、二人でその景色を見た。
私は、
「そろそろ、会場に戻らないと・・・・・教えてくれてありがとう。」
そう言い、来た道を戻ろうとすると、少女が
「ねぇ、辛いときは辛いって言っていいんだよ?無理はするともっと苦しくなるよ」
そう言った。
僕は、ビクッとして動きを止めた。この少女は、なぜそう言ったのか、なぜそう思ったのか分からなかった。だから、私は少し考えてから答える。
「仕方がないよ、僕は跡取りだからもっと頑張らなきゃ」
私は、言い聞かせるように言う。
すると、少女はよしよしと僕の頭を優しく撫でる。
「やめろっ!!」と、私は、少女の手を振り下ろす。
「ごめん」私は、振り下ろしたことを謝る。急に撫でられたことにビックリして、反射的に振り下ろしたのだ。すると、少女はなにも言わずにひたすら私の頭を撫でた。
私は、どうしてこの少女がこんなことをするのか分からなかった。でも、嫌な気持ちにはならなかった。それどころか、なぜか嬉しかった。優しく穏やかな気持ちになった。母が亡くなってからは私を撫でてくれる人はいなかった。だから、救われた気分がした。
その後、私は、会場に戻った。少女に一緒に戻ろうと言ったが、少女はもう少し残ると言い、別れた。
少女と別れる前に、私は少女にペンダントを渡した。そのペンダントは、母がくれたお守りで、母の形見だった。
その話を聞くと少女は、
「えっ!!いいの?これは、貴方のお母様の形見でしょ?それを私に?」
「いいんだ。君に持っていてほしいんだ。次にあったときに君だと分かるように。それに、母も君のような子に持っていてほしいと思ってるよ」
そして、最後に私は少女に名前を尋ねた。
「ねぇ、名前を教えてよ。僕の名前はアレク。君の名前は?」
すると、少女はニッコリと笑い名前を言う。
「・・・・」
その日から、僕の人生は変わった。そして、あのときの少女とまた出会えると信じて。願わくは、あの少女と・・・・・・・。
ありがとうございました!!