エピローグ 前編
当初、最終話は1回でまとめて投稿するつもりでしたが、本業との兼ね合いもあって完成の目処がたたないため、現時点で区切りよく公開できる形として前編・後編に分け、まず前編部分を公開することにしました。
エピローグ 前編
かつて、ヴェルトヴァイト帝国は大陸に領土を持たず、アマージエン島内の一勢力でしかなかった。
だが、次第に力をつけてアマージエン島を統一すると島の外へ遠征。
最初の標的である、島から一番近いアヴァロニア大陸ではアヴァロン王国をはじめとする人間たちの勢力が強く、なかなか思うように領土を拡大できなかったが、海では破竹の勢いで支配領域を拡げた。
大陸やそれに近接する島を除く領域がヴェルトヴァイト帝国の領地になると、大陸間の人や物の往来がほぼ絶えた。
それによるアヴァロニア大陸の国々の弱体化に乗じ、ヴェルトヴァイト帝国のアヴァロニア大陸征服の勢いは少しずつ増していった。
それでも、アヴァロニア大陸におけるアヴァロン王国とヴェルトヴァイト帝国の支配領域がほぼ同じに近づいたところでヴェルトヴァイト帝国の勢いは鈍り、戦況は一進一退を繰り返すようになった。
その状況を打破するために、時の女帝リリスは第1子ノクス、第2子イルミナに次ぐ第3子としてエリスを産んだ。
エリスは期待以上の働きを見せ、アヴァロニア大陸だけでなくテストゥド大陸やティグリ大陸の征服にも多大な貢献をした。
"この世界"に4つある大陸のうちアヴァロニア大陸を完全なる支配下に置き、テストゥド大陸とティグリ大陸も大半は帝国領である。
アウェス大陸はヴェルトヴァイト帝国と古くから友好関係を結んでいるサンゴ帝国が統一し、テストゥド大陸とティグリ大陸の帝国領以外の部分も帝国に友好的な勢力が統治している。
異世界からの侵略も、テストゥド大陸征服時に遭遇した"ウリン"と謎の要塞を中心とした勢力の合わせて2度退け、その後"3度目"は発生していない。
そして長く平和が続いたヴェルトヴァイト帝国で、小さくない動きがあった。
女帝の位がノクスから彼女の第1子リリスに譲られたタイミングで、エリスが率いていた"デー・クラフト"はほぼすべてがヘーアへ吸収合併される形で解体された。
エリス自身および彼女の手元に残されたものに対する処遇も、ノクスからリリスへの譲位が名実ともに完了してから"ヒンメルスパラストのセントメアリからの切り離し"として公にされた。
というわけで、今度こそ次(エピローグ 後編)が本当に最終話です。
エリスの最終的な扱いについてある程度想像できるような書き方で前編を終え、後編でも今のところ用意しているプロットでは意外な結末にするつもりはありませんが、文章化が難航しております。
なんとか11月下旬くらいに、遅れても年内には完結させたいと思っておりますので、もう少しお待ちください。
<2024/12/7 修正>誤字、書式設定ミスを修正しました




