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空のエリス  作者: 長部円
第3部
94/98

10 サンゴ帝国vs異世界軍

ゴールデンウィーク突入前に間に合いました。

10


アヴァロニア大陸の南方にあり、サンゴ帝国によって統治されているアウェス大陸の海沿いにも、オストグレンツェの東方沖から異世界の兵器が飛来。

ヴェルトヴァイト帝国と違い、サンゴ帝国は海の彼方からやってきた敵勢力を迎撃するための備えがなく、海沿いにあった集落の1つは敵の襲撃によって建物のほとんどが破壊された。

だが、敵の兵器は着陸して集落へ近づくにつれ、動きが鈍くなる。

そして、集落にたどり着くことなく完全に停止してしまった。


敵の兵器を停止させた要因は、アウェス大陸の土壌にある。

サンゴ帝国の民が暮らしやすいよう、長い年月をかけて改良された土壌に含まれる物質のいくつかはほとんどの金属を錆びさせる。

そのことを知っているこの世界の住人は、アウェス大陸でも錆びない金属を使うか、錆防止の魔法を使う。

それを知らずに着陸した異世界からの侵略者はもれなく、サンゴ帝国の"自然"に敗れた。

こうして異世界から来た兵器を封じたサンゴ帝国だったが、これから大量の錆びた兵器をどうするか決めかねていた。


ヴェルトヴァイト帝国では、かつてサンゴ帝国との外交はイルミナが担っていた。

当代の海の支配者であるヴェパルはその役割も引き継いでいて、パンゲーアにて女帝ノクスや第1皇女リリス、皇妹エリスたちが一堂に会した際、ヴェパルからはサンゴ帝国から異世界の兵器による侵略があったことと、後始末について相談を受けたことが報告された。


「母上が彼の地を諦め、サンゴ帝国と(よしみ)を通じたことは正しかったわね」

「はい…母様の治世にて結んだサンゴ帝国との誼は現状でも重視すべきことに変わりはありませんので、引き続きヴェパルには、イルミナお姉ちゃんと同じようにサンゴ帝国の重臣と仲良くしておいてほしいです」

「かしこまりました…お母様とお姉様、それにエリスお姉様のため、サンゴ帝国との友好をさらに深め、今回の件も協力が必要かどうかを打診しておきます」


ヴェパルとサンゴ帝国の宰相"イリディーノ"による会談の結果、異世界の兵器への対策についての協力は不要とされたが、破壊された集落の復興にはヴェルトヴァイト帝国からある程度援助することとなった。


----


一方、ヴェルトヴァイト帝国側の異世界の兵器への対策には大きな動きがあった。

ヴェルトヴァイト帝国によるテストゥド大陸征服の一環でエリスたちデー・クラフトがウリンの首都・エイケイを陥とした際、接収したウリンの機密資料には、先日オストグレンツェの守備隊が迎撃した敵の兵器に似た飛行物体も描かれていた。

テストゥド大陸の征服が終わるまでは、それらの兵器を用いたウリンの反攻(もしくは"第2のウリン"のような勢力の出現)に備え、チュンヤン王国の協力も得ながら、異世界の技術で造られた兵器を迎撃するための作戦や新兵器の製造計画などを立てたが、テストゥド大陸征服が終わる頃には、それらの作戦・計画は破棄こそされなかったが"お蔵入り"になっていた。

長い年月を経て、ついにそれらが日の目を見ることになった。


「これが"ドゥンクレ・ヴォルケン"の試作品…兵器というより新種の美しい魔獣のようね」

雲のような触り心地の素材を使ってメイたちが創り上げた黒い迎撃用兵器の試作初号機を見たエリスは、そんな感想を述べた。

ドゥンクレ・ヴォルケンの反対側には、サンゴ帝国の集落復興の見返りとして提供された、錆びて動かなくなった異世界の兵器が置かれている。

サンゴ帝国からすれば、どうやっても使い道のなかった無用の長物をヴェルトヴァイト帝国に引き取ってもらった、という認識だが、ヴェルトヴァイト帝国にとってはただの錆びた金属の塊ではなく、役に立つものである。

「さあ、ドゥンクレ・ヴォルケンの試し撃ちを始めなさい」

エリスの命令でメイはドゥンクレ・ヴォルケンの各部分を動かすと、異世界の兵器に向かって強力な砲撃を放った。

「無のエリス」でも使ったDunkle Wolkenは某RPG3作目のラスボスが元ネタです。

これをどう使って異世界の兵器を蹴散らすかはこれから書きます。

ゴールデンウィーク中に書けて公開できれば理想的ですが、現実的には(2024年)5月中が目途になりそうです。

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