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転生体について
加納広海の実験によって生み出された新人類。
存在を4次元世界に一部押し込まれる事で、3次元世界上からは時間軸の複数ヶ所に同時存在している状況に見える。
とは言え加納広海自身ですら数時間程度しか時間軸上の距離を離す事が出来ないので、転生体では数秒が限界。
基本的には時間軸のずれたポイントに自身の本体を置き、その複製を基底時間に投影する形の存在となる。
その為基底時間上の身体に受けた影響を恣意的にカットする事が可能。
ジルが持つ復元能力はこれの応用で、常に基底時間上の複製を使い捨てている事が3次元世界上では肉体が復元すると言う現象となって観測される。
もっとも、この状態は継続的な自死の連続でもある。
故に破棄される基底時間上の肉体にある意識が消滅する事、或いは基底時間上と相違時間上の自分のどちらが原典となる自分であるかと言った疑問に思考が至った瞬間、精神を病み始める。