壊れるくらい、冬
この作品は自分のものではありません。他の人が書いた、その人の作品です。
彼には時間がありません。
あといくつ自分に頼むかもまだわかりません。
けれどもどうか、どうか彼のために心のどこかで覚えていてください。どうか彼のために、私ななるからのお願いです。
壊れるくらい、冬
凍った水が砕けてしまった
雲ひとつない青空は
そのまま熱を奪ってく
はぁ、とひとつの溜め息が
荒めの霧となって心を曇らせる
君にもらったマフラーに
顔をうずめてアタタマル
スマホを握る左手は
何度も時間を知る度に
ひんやり冷たく凍ってく
息を弾ませやって来た
約束通りにやって来た
はぁ、と乱れた呼吸が羊となって
青い空を包んでく
君がくれたマフラーに
目を細めて喜ぶ君が
僕の右手を強く握って
ゆっくりゆっくりアタタメル
壊れるくらい、冬
凍ってしまっていた僕を
君が砕いてくれたんだ




