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初めてのクエスト

女性陣の買い物に解放やっと解放されてから宿に戻ったユリカは、

「きゃあぁぁぁ！！可愛い！可愛いわぁぁ！」

きせかえ人形にされていた。

その表情はげっそりとしている。

戦闘用の装備を買いにいったはずなのに、今着ている服はなぜかフリフリしていた。

うっ、動きにくいっ…。

はっ、まさかこれで戦闘に！？

「そんなわけないだろ。」

と、心を読んだ突っ込みをしたのは扉から入ってきたジェドだった。

「わっ、ユリカ、可愛いよ。」

その後からタローも続く。

「でしょ？ユリカ、可愛すぎ。天使。」

リズはなぜか胸を張っている。

「ほら、もう時間だぞ。遊んでないでとっとと準備しろ。」

うん、これでクエスト行くわけじゃないよね、よかった。

そして一行は村に唯一のギルドまでやって来た。

一軒家みたいな成りをしているわりに、なかに入ってみると居酒屋のように賑わっていた。

ほとんどが男の人で思ってた以上に少年少女が多い。

彼らは家事などのクエストを受諾して報酬をお小遣いとしているのだろう。

なんといっても一軒家みたいなものだから、この人数がいると狭く感じてしまうのがネックだった。

「おお、今日は賑わってるな。」

あまりに珍しいものだから見渡していると、アイリーンが話しかけてきた。

「ユリカちゃん、あれが受付よ。あそこにある掲示板の紙がクエストで、あれを持っていくと受付さんがクエストの手続きをしてくれるわ。」

おお！すごい！

早速掲示板に近づいてクエストを見てみる。

そこにはいろいろな種類のクエストがあったが、家事の手伝いなどのクエストが多目な気がした。

その中から自分がやるクエストを探していく。

「あった！採取クエスト！」

すると、メンバーがびっくりしたような顔になる。

「読めるのか、文字。」

そういえば…。

これは神様から貰ったものなのかな？たぶん。

もしかして、この国では文字が読めない人の方が多いのかもしれない。

「驚いた。その年で文字が読めるなんて。」

んー、ここはなんか言い訳しといた方が良いかもしれない。

「いや、少しだけです。」

適当に誤魔化しておこう。

「でも凄いぞ。これで文字を教える必要はなくなったな。」

教えてもらえる予定だったのか。

まあ、文字がわからないとクエストも受けられないわな。

で、ここで一つ疑問が。

「もし読めなかったらどうするんですか？」

「それわね、読める人に頼んで読んでもらうのよ。ほらあそこに。」

と、アイリーンが指を指した場所には一人の女性がいた。

「こういう村では文字を読める人も少ないから、ああやって読める人がいたりするの。そういう人はそれを仕事にしているのよ。」

文字を読めるだけで働けるとは。

結構驚きである。

「まあ、読めなくても生きてはいけるからな。でも文字は読めた方が何かと便利だぞ。」

「そうなんだ。じゃあもっと勉強しておかないとですね。」

「ほどほどでいい、ほどほどで。」

「そういうリズが一番読めないだろう？もしかして、ユリカより読めなかったりして。」

と茶化すタロー。

「むぅ、異論が出来ない。」

「ふふふ、とりあえずクエストの受付を済ませてしまいましょうか。」

アイリーンは掲示板の紙を二枚取って、受付へ向かった。