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転生した日

目が覚めたら見知らぬ気の部屋の中だった。

(いや、馬車かな?)

あたり一帯がとても血なまぐさい。

私は落ち着いてお爺さん神が言っていたことを思い出した。

「お前が今から行く世界では魔獣と呼ばれる魔を宿す生物が存在する。お前にはその魔物に襲われた6歳の少女に転生してもらう。………本当はもっといい条件で飛ばしてやりたいんだがあいにく条件に合う女の子が見つからなくてな。その少女も快く承諾してくれた。最低限の必要そうなものは周囲に用意しておこう。あと、お前には長生きしてほしいからな普通の人間より初期のステータスを強めにしておく。だが鍛錬しないと何もできないからな、そこは心得ておけ。」

と、こんな感じ。

その他のこともいろいろと教えてもらったが、女神さまはずっと寂しそうにこちらを見ていた。

まあそれはいいとして、今は最高にこの場所から早く退きたい気分だ。

血の匂いとなにかが腐ったにおいが混ざり合って猛烈に気持ちが悪い。

(とりあえず荷物をまとめないと…)

馬車の中はかなり狭かったのでお目当てのものはすぐに見つかった。

大きなカバンが二つと、小さなカバンが一つ。

外をのぞくと、死体が二つ血まみれで転がっていた。

たぶん両親なのだろうがほとんど食われてボロボロでどっちがどっちかなんてわからなかった。

(うわっ………)

とてもひどいありさまだった。

覚悟はしていたが吐き気がする。

それに比べて私の体は同じく殺されて食われたはずなのに血で汚れてすらいなかった。

たぶん、お爺さん神が配慮してくれたのだろう。

ありがたやー。

お爺さん神に拝んだことでだいぶ心に余裕ができたのでこれからのことを考える。

「さて、まずは荷物を整理しようかな?」

生きるために必要なのは食料と水だが、それじゃあ人間として生活するには足りないのでそれに衣服と旅に必要そうなものを加えていく。

この体じゃ全然持てないので最低限でまとめていく。

そうやってカバンの中をあさっていくとかなり重たいきんちゃく巾着袋があった。

中身を見てみると、きらきらとした薄い丸い金属………お金が入っていた。

金や銀、銅など様々な金属でできているお金が各二種類ずつ大小サイズで入っていた。

(これ全部でいくらあるんだろう。そういえばお金の単位とか聞くの忘れてたなー。――――――金が一番金額的に多いよね?)

小さなバックの中にはたくさんのおもちゃが入っていた。

ぬいぐるみやらお面やらよくわからないものまで入っていたが私には必要のないものなのですべて出していく。

そしてそこに必要なものを詰めていった。

小さいリュックサックなのでパンパンになったがどうにかすべて収まった。

私は満足してどや顔を決める。

その時パカパカガラガラと音が近寄ってきた。




私は馬車の入り口の隙間からこっそりとみてみる。

その音の正体は別の馬車だった。

「おい、だれか死んでるぞ!」

馬車の馬を操っている大男がかなり低い声で叫んでいる。

男は馬車をかなり近くで止める。

すると中から一人の男性と二人の女性が出てきた。

(うわー、どうしようかな………。逃げる?)

何となく隠れてしまって出るに出れなくなってしまった。

「うわーこりゃひどい状況だな…。ウルフにでもやられたか?」

「あいつら集団で襲ってくるもんね。その癖に一体一体のスピードが高くて超めんどくさいよね。」

「とりあえずこの方たちを葬ってあげましょう。」

「そだね。」

そういうと髪の短い女性はぶつぶつと何かを地面に向かって唱え始める。

『ソウルホール』

するとちょうど木下らへんの土が掘られて大きめの穴ができた。

(すごい、あれって………)

私は初めて見るものに目が離せなくなった。

気を取られすぎて後ろから近寄ってくる足音に気が付かなかった。

そして、

「!」

「!」

目が合った。

さっきの大男だ。

「あっ………」

「おい!馬車の中に小さいガキがいるぞ!!!」

その声に皆がこっちを向く。

(しまった………)

仕方がないので私はしぶしぶ馬車から降りた。

「本当だ、かわいい…じゃなくてよかったわ。あなたは生き残れたのね。」

私はどう返していいかわからなくて苦笑いをする。

「ごめんなさい怖がらせてしまって。私の名前はアイリーンよ。で、このちっこいのがリズ。」

それを聞いたリズは「ちっこい言うな」とアイリーンをにらんでいる。

アイリーンはそれを無視して話を続ける。

「で、この不愛想なのがジェイ。その熊がタローよ。」

最後だけなんか日本人みたいな名前だった。

「あなたのお名前は?」

名前………何だったかな。

そう、確か

「ユリカ………」

「ユリカちゃんね!!!よろしく。」

そう言ってアイリーンは手を私の前に出す。

私は握手は一緒なんだーと思いながらその手を取った。



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