地獄の杉村①
皆さんは、人生において尊敬に値する人達はいるだろうか?
両親と答える人や学校の恩師など色々だろう。
今回は、私の職場での尊敬に値する先輩(変人)を紹介しようと思う。
彼こと杉森(仮)先輩に出会ったのは、私の最初の赴任地、つまり1年目の駆け出しの時である。
そこの事務所で私の3つ上の先輩として杉森先輩と出会うのであった。
杉森先輩はとても後輩の面倒見が多く、仕事の効率も良い、優秀な社員であった。
仕事が忙しい時でも、1年目である私を気遣ってくれる優しい先輩である。
そんな先輩であるが、唯一欠点があった。
それは、他の同僚からあだ名とともにこう呼ばれていることだ「地獄のミサワ」と
地獄のミサワについて元ネタがわからない人はググって見てほしい。すぐにイメージが湧くだろう。
どんな感じが事例を挙げてみよう
仕事の時間が終わると、おもむろに席から立ちあがり、私の席の後ろでつぶやくのである。
「最近、握力が凄いんだよね~。筋肉がついてきちゃってさ~。」(手をぐーぱーしながら)
はたして、誰に対して言っているのかわからないが、先輩に失礼な態度はいけないと思い
「何かジムにでも通ってるんですが?」
すると我が意を得たりと、杉村先輩はどや顔で
「ボルダリングをやってるんだよ。分かるかな?壁を上るスポーツなんだけど。凄く面白いんだけど、何せ自分の肉体で上るから、最近握力が上がっちゃってさ~。」
私が「ボルダリングですか~。カッコイイですね。」と答えると先輩は満足したのか席に戻るのであった。
そんな先輩からは、学んだことがたくさんある。深読みをする能力も培われた。
「あいつら、メロンにしてやんよ。」
これはかの杉村先輩の有名発言の一つ、相手を脅す言葉である。
皆さんはお分かりだろうか?初めて聞いたときは私も意味不明だった。
高級なメロンにはよく、箱の中で果物の下半分がネットに包まれて入っていると思う。
一応冗談ではあるが、先輩は、お前の顔面をぼこぼこにして、頭上部分をネットで覆うようなケガをさせることを、たった一言「メロン」に凝縮させたのである。
ちまたの女子高生もビックリの略語である。
そんな先輩は、非常に優秀なので、今は本社勤務になっており、周りからは出世頭と言われている。
時々、本社に用事があり、先輩に会うと
「本社勤務ツライわ~。やっぱ俺は現場の人間だからさぁ。早く現場に戻してくれって希望してんだけど、なかなか戻れないんだよねえ。」
流石先輩、出世にはまったく興味がないんですね。
私は「先輩は本当にすごいですね。流石ですよ。」と色々な意味を含ませて将来の重役に対してゴマをするのであった。
今回は別の同僚にスポットを当ててみました。
なんか最初は、仕事の内容を深く掘り下げるつもりだったのに
紹介したい人物が多過ぎて・・・。