職場の中心で愛を叫んだ山田②
私の現在の職場には、山田(仮)と呼ばれる、高身長で好青年を思わせる風貌の変人がいる。
何を隠そう、彼は童貞という称号を背負い、30歳を迎えた魔法使いである。
彼の魔法は、嘘をつけない(自分のみ適用)とハウリングボイス(ただ声がでかいだけ)である。
この二つの魔法を駆使して、今日も元気に活動しているのであった。
それは何の変哲もない職場での出来事だった。
仕事の時間中に、山田が私の机のほうに歩いてくるのが見えた。
私は何か用事でもあるのかな?と考え、パソコンから手を放し山田を見据えた。
しかし、山田は私に用があったのではなく、私の左斜め前の席にいる、30歳中盤の既婚女性である
先輩に用があったらしく、話しかけ始めた。
山田「先輩!少しいいですか?」
先輩「大丈夫だよ。どうしたの山田君?」
先輩は綺麗な女性であり、非常に優しく私も時々質問することがある。
しかし、山田とは、仕事内容が少し違うので何を質問するのかと耳を傾けていると
山田「昨日、先輩が夢に出てきたんですよ!」
満面の笑顔で意味不明な発言が飛び出した。
先輩は小声で「えっ・・・。」と呟いたのみだった。
さすがに、どのような仕事のマニュアル書を読んでもこの対応の答えはないのだろう。
さらに、彼のハウリングボイス(ただ声がでかいだけ)により、他の席にも響き渡り
職場は静寂に包まれた。
私は、同期として友人として彼の窮地を救うべくただ一言
「お前、気持ち悪いな。」
と発言をして、仕事に戻るのであった。
後に、山田になぜあの発言をしたのか問い詰めたところ
山田「だって、二日連続で夢に出てきたんだぜ!」
と爽やかに回答がされた。
今日も私の職場は平和である。
最近思うのだが、エッセイとは何なのだろうか。
はたして、私の書いているこれはエッセイなのだろうか。
ジャンルに悩む今日この頃である。
とりあえず、適当にキーワードでも追加しようかな。