名前のインパクト
『私』は正式に語ってはいなかったが男性である。
しかし、名前が少しややこしく、どちらかと言えば女性の名前である。
そのせいで、昔から『~ちゃん』と呼ばれることが多かった。
病院の診察カードは女性と書かれていたり、小さいころは看護師の方にトイレに連れてかれた際に女子トイレに行かされたこともある。
もちろん、私は漫画のような女性のような顔つきの訳がないで、私が訂正すると『やっぱりそうだよね~』と苦笑いされた。
小さいころは、嫌であったが、大きくなるにつれ名前のインパクトがあることで人に覚えてもらいやすく、今では自分の名前が好きである。
職場に新人社員として配属されたときは、当初は女性が来ると期待されていたそうだ。
移動先でも、私の名前から女性が入ると勘違いされ、男性社員が同期に『どんな娘なの?』と期待交じりの質問をする。
同期が『男ですよ?』と返事をするとがっかりして席に戻っていったらしい。いやはや罪な男である。
そんな、私だが最近運が悪いことに、夜中の帰宅最中に車で信号待ちの最中に後ろから追突された。
『まじかよ~、最悪だなぁ~』と車から降りると、後ろの車の女性も降りてきた
「ふざけんじゃねぇよ!あぁ~めんどくせぇ~。」
いきなり罵声を発しながらの登場である。
ぶつけてきたくせに、なんと口の悪い女である。しかし、さらに後ろをみるとどうやら連続玉突きであり、後ろの女性も被害者であった。
なら、しょうがないと思いつつも女性の本音とは恐ろしいものだと痛感した。
少し時間が経過してから、警察が現場に到着して、現場検証が始まり、私も事情聴取をされた。
まぁ、結論から言えば、私が信号待ちでぶつけられたので相手方が100%悪いため簡易ですんだ。
むしろ、最初に暴言を吐いていた女性が冷静になると、御淑やかな感じに加害者に
「こちらは、特にケガ等はしていないので大丈夫ですよ~。」
との発言に、最初の豹変ぶりはどこに消えたのだろうと疑問である。人間の本性はとっさのアクシンデントに出るものだと痛感した。
私も、特にケガをしていないのだが、警察の方に念のため病院の救急に行ってくれと言われたので、夜中ではあるが病院に向かった。
救急とは、ドラマで多少みたことがあり、忙しいのかと思っていたが、夜中では、そうそうドラマみたいなこともなく普通であった。
そうして、『私さん~。』と呼ばれ私の番になり診察室まで向かった。
相手は、若そうな女医であった。キレイめな感じて若干のテンションが上がるのを感じつつ、診察を受ける。
当たり前であるが、特に問題もなかったが念のため、レントゲンを撮ることになった。
他の部屋から、私を案内するだろう看護師が診察表か何かの紙をみながら入ってくると、女医に質問をぶつけた。
「私さんは、妊娠はされているのですが?」
「はぁ?」
思わず私が返事をしてしまった。確かに腐女子の世界では男も妊娠するようだが現実ではあり得る訳がない。
すると看護師はこちらに気づき私をみると『誰だこいつは?』といわんばかりの表情で私をみた。
女医が理由に気づいたのか
「私さんは、男性の方ですよ。」
と冷静に発言すると、看護師も気づいたのかあわてて私に謝ってきた。
まぁ、私もなれているので『大丈夫ですよ』と返事をした。
その後、看護師にレントゲン室の前まで案内されると、先ほど入室する際に持っていた紙を私に渡してきた。
「名前を呼ばれたら、こちらの紙を渡してくださいね。」
紙を受け取ると、どうやら私の診断表のようなものであることがわかった。
名前をみて間違えたのだろうと紙に目を通してみると
名前 私
生年月日 19○○年○月○日
備考 妊娠未確認
・・・これは看護師も間違えるよな。
レントゲン技師に紙を渡すと、もちろん疑問の表情で私をみてきた。
『男ですんで』と私は何も悪くないのに、凄い恥ずかしい思いをしたまま言い訳をした。
現在、様々な名前があり、『キラキラネーム』なるものが多く、性別の判断も難しくなるとは思う。
私は、自分の名前が好きであるが、時々困ることもある。今後結婚することがあれば子供の名前は悩むことであろう。
ちなみに、私には姉がおり甥っ子がいる。名前は戦国バサラがすきなので、戦国武将が由来になっている。
昔の武将であれば、それなりの理由になるが、ゲーム、アニメが原因とわかると将来甥っ子はどのような気持ちになるのか将来が楽しみである。
最近バイオハザード7買いました。
メチャクチャ怖いのと、3D酔いで全然進みません。
小さいころにやったバイオ1の恐怖が蘇るような出来栄えで満足ですが、酔わない方法が知りたい。