上手なイチゴ狩り園の選び方
久しぶりにちゃんと仕事の知識をかきました。
今回は、イチゴにスポットを当ててるので少し参考にしてみてくださいね。
ただ、あくまで私の見解ですので、多少違うと思ってもあまり責めないでくださいね。
ちょっと真面目な話
皆さんは、イチゴは好きでしょうか?
1月以降になると、テレビでは、イチゴ狩りがたびたび放送されることがありますね。
今回は、少しイチゴについてお話したいと思います。
いちご農家には大きく分けて2種類あります。市場出荷と観光直売所です。
市場出荷は、大田市場、築地市場等の市場に出荷して、量販店やレストランを経由して皆さんに商品が届きます。
観光直売所は、お客さんが直接ハウスに来て、その場で食べて貰ったり、併設した直売所で販売する方式です。
主に市場出荷の場合は、簡単に説明すると、育苗段階で特殊な技術をすることで、実を作るのを早めて、年内から出荷をします。
早くて、11月からですかね。クリスマスが値段が高いのでそこに出荷を合わせています。
観光直売所の場合は、市場と違い年内に出荷する必要はないので、年明けから開園できるように栽培します。
いちごは、値段もそこそこしますので、美味しいものが欲しいと思うのですが、どれがいいのか分かりづらいですよね?
結論から言えば、市場出荷された量販店で販売されるイチゴを買うよりも、直売所で購入するほうがおいしい場合が多いです。
なぜか・・・これは、イチゴに限った話ではなく、トマトでも当てはまるのですが、市場を経由する場合は、皆さんの手元に届くのに日数がかかります。
すると、樹の上で完熟したものを出荷すると、痛みが早いため、まだ未熟な状態で出荷をするのです。そうすると必然的に直売所のほうが完熟した美味しいイチゴが食べられます。
トマトなどは、顕著だと思います。特に夏場のトマトは、暑さによる痛みが早いので、物凄いグリーンの状態で出荷します。冬場になれば、ある程度、熟した状態の出荷になります。
また、皆さんはイチゴの品種については、どう考えているでしょうか?
イチゴは品種によって市場用の品種と観光狩り用の品種があります。『とちおとめ』のようにどちらも有名な品種もありますが、生産者は使い分けています。
何が違うのか?それは市場流通性・・・すなわち棚持ちですね。棚持ちとは、傷みにくい品種のことで、簡単にいえば実が固い品種になります。
観光直売所に行くと、よく見かける品種で『章姫』があります。これは、静岡県で育種された品種ですが、とにかく収量がとれます。なのでイチゴ狩りでは非常に重宝する品種です。
しかし、量がたくさん採れるなら市場でもいいのでは?と思いますが、残念ながら非常に実が柔らかいため傷みやすく市場流通には乗りません。
そのため、観光直売所の方が、市場流通に比べて品種が数多くありますね。
ちなみに、観光直売所では、今お客さんを集客するために様々な工夫がされています。
一つが『高設栽培』です。そしてこれに対になるのが『土耕栽培』です。
どちらも一長一短です。高設栽培は、ベンチと呼ばれる設備をお客さんがイチゴを食べやすい高さに設置してイチゴを栽培します。
地面で栽培しないため、下にシートを張ってあるのがほとんどであるため、バリアフリーに気を付けたイチゴ園もありますし、キレイな格好で来園しても汚れにくいのがポイントです。
女性の方が、特に好みますね。ヒールを履いてもイチゴ狩りができますから。しかし、欠点として、味がのりにくい事です。地面の土で栽培するわけではなく、高設ベンチに設置された、わずかな土壌(培土)で栽培するためコントロールが難しく、味がのりにくいのです。
では、『土耕栽培』は先ほどの逆になります。まず味がのりやすいことです。そして欠点としては、屈んで食べる必要があることと、地面ですので汚れやすいことです。
皆さんが、これを読んでどちらを優先するかでイチゴ園選びが変わるかと思います。
ただ『高設栽培』のほうが味が・・・と言いましたが、イチゴの味は、生産者の技術ですので、美味しいところは美味しいのであくまで参考程度です。
二つ目の工夫が『品種』です。先ほど少し触れましたが、イチゴは品種により、特性が様々であり複数の品種を作るのが難しいです。
そんな中で、食べ比べをできるイチゴ園が多くみられるようになりました。1つのハウスに複数品種あると凄い楽しいですよね。
まぁ、私の知ってる範囲では、基本的に栽培してるのは『章姫』でそれに付随して他品種を合わせてることが多いですね。何せ『章姫』は量がとれるので。もちろん、『章姫』も美味しいのでよいのですが、後半のシーズンになると味が落ちやすいですね。
上記の通り、様々な工夫がされたイチゴ狩り園がありますので、皆さんのオススメを探してみてくださいね。
ちなみに、私のオススメ品種は『やよい姫』になります。その名の通り、弥生(3月)の品種であり、後半に味が良い品種です。
なので、1月~2月にかけて、段々味がよくなるのですが、3月以降に暖かくなってくるとイチゴの味が落ちやすいので後半のイチゴ狩りにオススメです。
また、変わり種として『桃薫』です。なんと桃の味がします。私も食べてみて本当に桃の味がして驚きました。まぁ、イチゴを食べに来てるのだから桃は違くないか?とも思いますが、この品種の場合は単体で栽培することはまずないので、ほとんどが食べ比べ圃場にあると思いますので、探してみてくださいね。
さて、たまには農業関係のエッセイもちゃんと書かないといけないと思いまして・・・。
また、そのうち他の野菜や果樹でも書こうと思いますのでよかったら見てくださいね。
何か希望があれば、知ってる範囲で書きますので。