運命の13時11分25秒
それは、あの時だっただろうか。
私が堕落の道へと転がり落ちていったのは。
夢に満ち溢れた高校生活も始まり、
後先の事を考える余裕もない自分に待ち構えていたのは、
堕落。
そして、それと共にやってくる
快楽。
あの時、友達にかけられた言葉が、何のためらいもなく私の心の鍵のを開け、堕落へと誘導した。
そう、
「同人誌とか、読む????」
たったこの言葉で。
ある日の昼、いつものように私達はお弁当を広げていた。
その中、私が思うのはただ一つ。
(刺激が足りない。刺激が足りない。刺激が足りない。刺激が足りない。刺激が足りない。刺激が足りない。刺激が足りない。刺激が足りない。刺激が足りない。)
そうだ!!
ちっぽけな頭でひらめいた。
友達に自分の好みのSMの同人誌を見せたらどうだろうか。きっと何か新しい刺激が得られるだろう。
と。
そして、13時11分25秒、その時が来た。
友達は同人誌を読み終わり、教室の隅から戻ってきた。
何か居心地が悪そうだ。
確かにそうだ。
普通の友達だと思っていた人に、いきなり同人誌を読まされ、挙句の果てにその内容はBLの過激なシーンもあったはずだ。
私はふと思い出す。
「同人誌とか、読む???」
そうだ。彼女からその話題を始めたのだ。
きっと、嫌ではないだろう。
すると彼女は携帯を私に差し出した。
「はいっ!」
「????!???!!」
そこには同じようなBL同人誌が開かれていた。
手に取り、読もうとしたが、流石に教室のど真ん中じゃこんなの読めない。
友達と同人誌を共有出来るなんて、もう幸せっ♪とか思いながら廊下に出た。
するとその瞬間、
\\\\どん!!////
誰かにぶつかったようだ。
「あっ、ごめん!…え?」
目を開けると目の前にはクラスの男の子が同人誌を開いたままの携帯を持って、フリーズしていた。
はじめは、彼も同人誌を読んでいるのかと思った。
いや、違うでしょっ、!!!!!
それは私の携帯!!
清楚キャラまとっていた自分が同人誌を読んでいるという事実をクラスの男の子にバレたと思うだけで頭がクラクラした。
あれ…わた、し、…倒れ…る…?
そして、次に目を開けた時には、
自分の部屋の天井が目の前にあった。
・・・
どうやら、堕落と快楽とかいう、ちょっと中二病っぽい夢を見ていたようだ。
そして自分の趣味がバレるという絶望的な事実もすべて夢だと思うと、ホットした。
「でも、きっと同人誌共有なんてしたら毎日夢のように楽しいんだろうな…。」
時刻はの13時11分25秒。
気づいたら私は同人サイトを開き、友達に渡していた。
そして彼女も私に同人誌を差し出した。
…!?
こ、これって、正夢!?!?!!!??!!?
この流れって…
つづく。