孫とわしと美少女ロボット
「おじいちゃん~ご飯できたよ!早く早くぅ~。えっ!?誰?」
「おじいちゃんだお☆」
研究室の中が沈黙に包まれる…。
孫の理科子は唖然としていた。
先ほどの説明をしなくては…。
「おじいちゃんな、若返りの薬で若返ったんじゃよぉ~」
「………………………………」
あっれ~?もしもし~理科子何しておるんじゃ…。携帯を取り出して一帯…。
「あ、もしもし!家に変態がいるんです!」
理科子は警察に連絡をかけていた。ってそれはまずい!
「止めんか!理科子!」
「きゃあ近づかないでこの変態!」
「よく見ろ!わしじゃわし!」
「ん?その目の下にある泣きぼくろ…あっ!おじいちゃん!?」
「そうじゃ!おじいちゃんじゃ。博士幸太郎2月19日誕生日60歳!」
「えっうええうぅ」
理科子は状況が読めないのか困惑した様子だ。
俺はさっき起きたことをことさらに理科子に説明した。
「そうか…なるほど。若返りの薬をね……………ってそんなの信じられるわけないじゃないっ!」
理科子が発狂する。頭を壁にドンドン打ち付ける。
「いやいや!ほ本当に本当なんだってば!」
「だって、だって仮におじいちゃんだとしてもこんなにイケメンになるわけないじゃないっ!」
「おっふ。しゃーないじゃろ!若い頃はイケメンじゃったんだから。」
「自分のことイケメンって自覚してるんだ…。引く」
理科子の眼がゴミムシを見る目に変わる。おいおいそんな目で俺を見るなよ。そういえば…一人称が先ほどから俺ってなったり、わしってなったりするが、これはまだ薬が完全に効いてないということなのか?時間がかかれば髪の色も黒くなるのかな…。
「まぁでもそのナルシストな感じはおじいちゃんっぽいかもね~」
「そんなにナルシストなのか!?俺」
「そうねだって自分のこと普通イケメンとか言わないよ?本当にイケメンの人って謙虚だし…凄い…とてつもなく、宇宙的にナルシストね」
「…」
「発明に関してはいっつも自慢話してくるし…それに」
「本当にそうですよね。マスターってばわたしを作ってくださるのは感謝しますが、色々とアレな機能を付け加えたりしますし、イケメンなのに残念な部分が多すぎますぅ」
「ぎょえっ!?フィギュアがしゃべった!?」
「フィギュアじゃありません~。マスターによって作られた美少女ロボットつぼねですぅ」とつぼねが理科子に会釈する。
こらこらお前が話し出すとまたややこしくなるから黙ってろって言ったのに…。
「おじいちゃんがこれ作ったの?」
「そうだけど。なにか?」
「……。おばあちゃんというものがありながら…。このエロじじぃ!」
「エロじじぃだとぅ!?」
「だってそうじゃない!このロボットの見た目…。明らかにGはあるじゃない!」理科子はつぼねの胸に指を指す。
「ばか!おまっ、ばあさんが若い頃のモデルで作ったんじゃ!俺が…そんな巨乳好きみたいに言うな!」
「マスター…わたしの乳房からマヨネーズを出すようにしましたよね。あれは変態だと思いますぅ。このどスケベインモラルマッドサイエンティストが」
つぼねは平坦な声で毒づく。
「それは、俺の遊び心が働いてだなぁ…」あ~良い言い訳が思い付かん。
孫にこんな性癖をバラされるじじいって一帯…。
「さ、最低!おじいちゃんのこと見損なったわ…」
「おい!どこに行くんじゃ!」
「ママとパパのとこに戻るのよ!せっかくおじいちゃんの大好物のピザ作ったのに……もう知らない!」
ウィ~ンと研究室のオートドアが開くと理科子は駆け足でササッと逃げていった…。話がややこしくなるからつぼねは黙ってなさいと言ったのにぐぬぬ。
「つぼね!お前のせいで孫に嫌われたじゃないか!どうしてくれるんじゃ!」
「ぷふっざまぁ」
くそっ!コイツまだ自我がわずかにあったのだな…こコイツの自我は性格が悪すぎだぜ!口調や呼び方をマスターに変えることは可能だが…つぼねの性格までは変えることは出来ないようだな。これからの研究テーマにつぼねの性格変換を追加せねば…。