発明タブーな異世界で美少女ロボットを発明したら
若返りの薬
「あの…首が動かないんだけど…なんで」
「まだ頭しか作ってないからなぁ…」
「作る?何を?」
「美少女だけど…」
「それが私と言うわけか…」
桐原つぼね(未完成)は考え込み溜めて吐き捨てる。
「この変態マッドサイエンティストが」
「時期に体を作るから待っててくれ。ちなみに胸のサイズはわし的にGが良いのじゃが…」
「………」
あれっ?おかしいな…反応がない。もしかして人工知能システムに不具合が生じたのかな?
「そうかそうかGで良いか♪」
「よくねぇーよ!じじぃ!あ゛あ゛ん゛!?Gもあったら動きにくいじゃねえか!じじぃしか得してねぇわ!」
ふーん。口の聞き方があまりわしの好みじゃないね~。汚ならしい喋り口調を後で調節しておこうかな…。
「じじぃじゃない!マスターと呼べ!君は態度が悪いみたいだが…考えてみろ!誰が君を作ってやっているのか!」
「…えーと、変態インモラルマッドサイエンティスト略してHIS」
「HISだとぅ~!?もう許せんっ!君を良い子にするためにおいちゃんはこれから君の口調をですます調にしてやるわい!」
「自分のことおいちゃんはないわ…まじで引く。うぇへ」
クポォ!これはこれでいいんだよなぁ~。美少女の頭身がその甘いマスクで毒舌をわしに向かって言い放つ!わしの壺を押さえとるわい!つぼねだけに。
「おいちゃんはねぇ~君みたいな女子高生の日常系アニメが大好物なんだぉペロペロ~」
「マジでキモいキモいキモい…。世界で一番気持ち悪い生命体ランキングで群を抜いてトップに立てるんじゃないの?」
「これまた、毒舌が体に染みるのう。わしゃ生きてて良かったわい!」
「あのさ…1つ言うの忘れてたけど…」
つぼねは嫌そうな顔をわしに向ける。
「加齢臭…凄いんだけど臭すぎっ!」
「くべぱっ!いくらマゾを自負するわしでも今の言葉はえぐすぎるっ!おいちゃんショック!」
「マジで臭いよ。手があったら今すぐにでも鼻をつまみたいんだけど。あとそれから口臭も便器みたいな臭いだからあんまり近づいて話さないでくれる?臭すぎて頭痛いし…最低でも10メートルぐらいは…10でもキツいかな?離れてもらえたら助かるんだけど」
つぼねの怒濤の毒舌ラッシュでおいちゃんはグロッキーだぜ☆うぇ~い。涙がナイアガラの滝のように出てくるんじゃが。
「ならば…アレを試してみるかな…」
「アレって?ブレスケア?」
「まだ引っ張るのか!わしは意外にガラスのハートなんじゃから口臭にふれないでくれっ!。アレというのは、若返りの薬じゃよ」
「…………バイアグラ?キモすぎっ頭身だけのわたしの口を使ってあんなことやそんなことを…」
「そういう意味の若返りの薬じゃない!本物の若返りの薬じゃよ。先日わしが発明した体も心も若返りっ!さぁ若返ろう…あの頃にという薬じゃ。」
「薬の名前が長すぎっ。ネーミングセンスないね」
「うるさいうるさい!とにかくこのわしの発明で全人類が不老不死を手に入れることができるのじゃ。が、しかし!発明禁止法違反のため世に渡ることは無いのだがね」
「生命倫理を覆す発明をこのじじぃがしてるなんて…世も末、世紀末ね…。ところで、それはどうやって作ったの?」
「詳しい作り方は教えれんが、若返りの薬の効用はラットを使って実験してみた。そしたらある日成体のラットが幼体に戻ったんじゃ」
「心も…とかさっき言ってたけどラットの心は解るの?」
「そこは勘じゃ!マイク(ラットの名前)はきっと少年の心を取り戻したはずじゃ!」
「…インチキ臭いわね…あ!体も匂うからしょうがないのね」
「まだそこ引っ張るのぉ!もう勘弁してちょーだい!インチキじゃないわい!試してみせてしんぜよう…」
若返りの薬は三角フラスコに入っていて、色が毒々しい紫色。我ながら奇跡の産物をよく作れたものじゃわい。…さぁて飲む…か。緊張して手が震える、ラットに試したら五割の確率でラットが死んでたからな…正直不安だが、やってみないことには始まらない。決意を固めてわしは一気に若返りの薬を飲み干す。
「ゴクリッ…旨い!ジンジャーエール味に調節しておいて良かった。喉ごしも最高だぜ」ん?だぜ?若者の言葉を使っている。それも自然に。
「うおっほゲッホ」急に咳が出てきた。気持ち悪い。あれ?失敗したのか?このまま死んじゃうのか?デービス(若返りの薬で死んだラット)は確かに死んだのだから、わ、お、俺が死んでも理論上おかしくはない。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
体が熱い!熱くて死にそうだ…意識が遠退く…。
「大丈夫か!」
つぼねの不安そうな声が遠くから聞こえてくる …。目の前が真っ暗になった。