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ブラック企業にすり減らされた社畜が主人公になれるアプリを手にしたらどうなるか→  作者: ぱちぱち


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123/132

第123話 第二回VVVエキスポが開幕した

 第二回VVVエキスポが開幕した。


 去年は『あきら』の実在疑惑を払しょくするために急遽開催された為、色々と穴だらけの大規模イベントになってしまったが、今年は来場者数を絞り去年の反省から事前に対策も行い、万全の体制での開催だ。VVVのスタッフたちも去年の雪辱を晴らすために一段と気合が入っている。


 今回のVVVエキスポの目玉はイロリー・マックス氏と共同で設立した新世代AI、“V.A.I”の正式発表を行う講演会とヴァーイとの触れ合いだ。また、昨年好評だった立体投射機の体験イベントやスタッフとして働く所属Vタレとの触れ合いなどは今年も用意されている。VVVのスタッフだけではなくVSのVタレも参加しているため、各人のファンからは人数制限についての怨嗟の声がSNS上で流れているらしい。すまんね。


 ヴァーイについてはマックス氏がすでに色々な媒体で紹介を行っているため、知名度はあるが正式な発表となるのは今回が初。講演会には関連企業やAI研究者などが多く参加する予定だ。


 また、一般の来場者に関しては事前に販売したチケットには入場順が記載されていて、それぞれ前半・中盤・後半に分かれてエキスポに入場できるようになっている。これはイベントの主旨としてヴァーイとの触れ合いを皆にしてもらいたい! とメインスポンサーのマックス氏と『あきら』が主張したためであり、また開始時間前から待機列が凄い事になったりすると熱中症が怖いというのもある。


 だから会場内は2万・2万・1万人の順番でお客さんを入れ替える事になるわけで、そうなってくると当然こういう事も起きる



「えー、迷子のお知らせです。〇〇区〇〇からお越しの〇〇様、お子様が探していますので至急迷子センターにお越しください」


「ママー! パパー! 迷子になっちゃ駄目でしょー! ぼくクマコーと一緒だよー!」


「えー、だそうです。お早くお越しください」



 総合案内兼迷子センターはひっきりなしに迷子になった自称迷子じゃないお子様たちが訪れ、係員もてんやわんやで館内放送を入れまくっている。こういう事を見越してチケットを取る際には年齢と名前の登録が必要になっているため、自分の名前を言えるなら親御さんの特定は可能にしているのだが、それでもまぁ子供の面倒を見るのは大変だ。去年はここまで準備してなかったから本当に大変だったなぁ。と山里一也は去年の地獄を思い返して苦笑いを浮かべた。


 だが、今回のエキスポは違う!



『大変ですね、クマコー。私が手伝える事はありますか?』


「あ、ヴァーイちゃんだ! ヴァーイちゃんが画面にいるよ!」


「ほんとだ!」


「ヴァーイちゃーん!」


『こんにちは、幼児先輩たち。私はヴァーイ、まだ生まれたばかりの赤ん坊AIです。よろしくバブ』


「おっきいのに赤ん坊なの? へんなの!」


『おや。私なりの渾身の笑いだったのですが外れましたか。クマコー、コメディは難しいですね』



 そう言ってマックス氏の性癖が詰めに詰め込まれた金髪ツインテール姿の美少女アバターは、画面の中で首をかしげる。


 今回のエキスポの目玉である“V.A.I”は、正に八面六臂の活躍、と画面の中にしか居ない彼女を差して言って良いのか分からないが、大活躍していた。待機列を含めた会場内の各所に設置された画面で周囲の来場者に話しかけたりするだけではなく、今の様に迷子のお子さんの相手をしたり、会場内で気分が悪そうな人を見かけたら付近の人に救助を求めたり、スタッフと言っても良いくらいの働きぶりだ。


 会場の中央上には全方位から見れるよう立体投射機による大型の3D映像が映し出されており、そこには現在ヴァーイが何をしているかが常に映し出されている。迷子センターに良く来ているのは迷子を捜している家族が気付きやすくなるように、というのもある。


 また会場内には去年と同じように立体投射機を体験できるコーナーも設けられているため、そこでは運が良ければヴァーイも体験プログラムに参加して一緒に立体投射機の映像に紛れて体験してくれるので、会場上の3D映像では時折立体投射機で来場者と遊ぶヴァーイの姿が映し出され、その度に会場内にどよめきのような声が広がっている。


 なにせ、ヴァーイは確かに受け答えは少し特殊であるが、そのやり取りは画面の向こうに人が居ると言われた方が納得できるくらいに自然なのだ。幼児先輩と話す姿も、立体投射機で来場者と遊ぶ姿も、画面に表れてこちらと会話をするときも、その全てのやり取りが自然なのだ。


 この会場ではSF映画でしかみないような光景が頭上で、時折自分の傍でも起きている。その事を理解した人たちが、理解するたびにどよめくような声を上げている。


 ここ数年、AIという存在は進歩したと言われていた。テレビや新聞、ネットニュースなど様々な分野でそれは言われ続けていて、実際に手が届く範囲で扱えるAIという物も、人では出来ないような速度で質問に答えたり回答をしたりと、これまでに触った事が無い新鮮な驚きを人々に与えていた。その筈だった。ここに来た来場者の大半は、ヴァーイというものもまぁこれと似たようなレベルの存在だと思っていた。


 だが、違う。この画面の向こうに居る美少女の姿をしたAIは、これまでニュースなどで報じられていた現状のAIとやらとは明らかに違う。人と同じように話、人と同じように考え、ギャグを言って滑ったら頭を悩ませ、泣いている子供が居れば不器用そうに宥めようと画面の向こうから手を伸ばそうとする彼女は、明らかにそんなレベルの存在とは違っている。


 革命。電子世界の革命が、今、目の前で起きている。


 頭上でのやり取りを目にするたびにその言葉が今日この日、この場に来た来場者たちの胸に刻まれていく。今日ここに来た来場者たちは幸運だったのだろう。時代の変革する瞬間を目撃した5万人の一人になれたのだから。



『えー、VVVとぉOPUUNA@AIはぁ、株式会社“V.A.I”の設立とぉ。個人・法人向けサービスの開始を宣言しまぁす! ええとぉ、販売ハァ………詳しい話はイロリーがやってくれるよ!』


『やれやれ、アキラは商売が絡むとすぐにこれだ。すまないがクマコー、手元に資料がないんだ。説明をお願いするよ』


「はい……はい。えー、ここからはクマコーが説明を引き継がせて頂きます。まず、皆様にお配りしてある資料の7ページをご覧ください。こちらでは法人向けの“V.A.I”サービス及び環境構築についてが記載されておりまして……」



 そしてその時代の変革を味わっているのは5万人の来場者だけではない。招待客としてマックス氏が指定した数百名のVIPや研究者たちに向けた講演会で、『あきら』は“V.A.I”が何をできるのか、既存のAIとの違いについてを話し、マックス氏は“V.A.I”が齎す未来とこれからのAIついてを語った。夢とロマンがこれでもかと詰まった話に、VIPや研究者の皆様は非常に満足してくれたみたいで、中には身を乗り出して『イエェアァ!』とか叫んでる人も居た位だ。


 その後のサービス開始についての話になった途端に、ノリノリだった人たちがスンっとなったのはちょっと笑ってしまったが。クリエイター気質の人はお金の話になるといきなりテンション低くなることがあるんだよね。マックス氏はその辺のバランスが商売人よりの人だけど、“V.A.I”に関してはこの人が一番職人みたいな拘り方してるからな……一時は『全人類に知らしめたいし無償提供で良いのでは?』とかとち狂った事を言ってたくらいだし。


 まぁ、流石に“V.A.I”の性能的に維持管理を含めても結構なお金がかかってしまうからね。お試し的にマックス氏が保有するツブヤイターで“V.A.I”とお喋りできるようにする、くらいが無償だとギリギリの範囲だろう。これを発表したら『実装はいつだ!?』『ツブヤイターに登録しなくちゃ!』との声が会場内で上がってきたから、ツブヤイターの登録者数がまた増えそうだしこれならペイできるだろう。


 おかしいな、俺、他社の人間なのになんでマックス氏の会社の利益を考えて……い、いや。提携会社だからまぁ、当たり前だよな。“V.A.I”の売り上げはVVVの利益にもなるし。


 まぁとにかくVVVエキスポは大が頭につくほどの好評で幕を閉じ、正式に発表された“V.A.I”の存在は世界中のニュースを席巻する事になる。何故か日本ではほとんど報道されなかったんだけどね。マックス氏の来日と帰国のニュースは流れたのに。

山里一也(男)26歳



視聴履歴

『ドキドキ! 魔女っ子大戦争』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『不死鳥の魔女 赤神さやか』(料金10円)

『煉獄列島』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『閻魔の地上代行人 坂東メンチ』(料金1000円)

『電脳歌姫ろっくんろー!』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『鬼畜クマネージャー マネージャー』(料金30000円)

『九十九あきらは終末世界を諦めない』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『天災科学者 九十九あきら』(料金:ひなちゃん家のご飯)

『安楽椅子の占い師』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『未来を知る者 リリーベル・リ・ラスティーネ』(料金:1億円or生徒とのランチ権1回分)

『ドッペルゲンガー』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『もう一人の俺 セシル・ファラウェイ』(料金:週休2日三食昼寝付き週6万)

『世界最強の傭兵隊長だった俺が女子高生になった件について』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『生真面目系殺伐女子高生 雨宮かすが』(料金:組織)

『魂羽織』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『至高の人形師 人形残夢』(料金:人形作成・開発費)

『拳創成期』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『無双女帝 日華』(料金:気持ちよく昼寝できる環境)

『テレポーター三沢ひばりは平穏に過ごしたい』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『ハードラックテレポーター 三沢ひばり』を獲得しました(料金:休日)

『プロレスラーに明日はない!』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『炎の経営者 純情仮面(本名:間藤勇作)』(料金:良き闘い)

『ライアードクター』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『神域の外科医(コスプレ?) 黒井めぐみ』(料金:1手術100万円)




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> OPUUNA@AI オプーナ(V.A.I)を買う権利をやろう > 何故か日本ではほとんど報道されなかった 報道関係は既存組織の根が深すぎる……V.A.IとAmamiya NEWSを連動させた公正…
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