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ブラック企業にすり減らされた社畜が主人公になれるアプリを手にしたらどうなるか→  作者: ぱちぱち


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第121話 私の雇用に関しては『リリー案件』でして

 毎朝の日課である魂羽織にプレミアムレンタル権者を入れ込む作業中。『リリーベル』を起こした際に『遠藤についてはもう大丈夫』と言われたため、どうやら俺のボディガード生活はこれにて終了の模様だ。


 実質1週間程度だったが、結構面白かったなぁ。政治の世界って本当に根回し根回し根回しの連続で想像していたよりもずっと泥臭い現場だったが、政治家って職業に対する意識は結構変わったかもしれない。ニュースなんかで報道されているのは本当に一部だけなんだな。



「それがむしろ問題かもしれないんだ。勝手にイメージをマスコミに操作されてしまうだろう? イメージ戦略の主導権をマスコミに握られるのは命を握られてるのと変わらないんだ。人気商売はどれも同じだろうけどね」


「なるほど」


「だから、自分でやりたい事、やる事を発信するという君が言う手法は良いと感じる。Amamiya NEWSで扱われるならそこらのネット媒体よりも注目度も高いだろう。だが、あれは信頼度評価で視聴者数が大きく左右されると聞いているんだが」


「Amamiya NEWSの信頼度評価はソースによって変わるので情報ソースの取り扱いをきちんとしてれば大丈夫じゃないですかね。後はまぁ、発信する際に視聴者の興味を惹けるかですが。まぁ、この辺は遠藤先生の専門でしょうし」


「違いない」



 そう言って遠藤議員は苦笑する。最後の挨拶に伺ったら何故か仕事の話しになってしまったが、まぁ、仕事上の関わりだと他に話題がないからなぁ。あと、前に聞いていたアナウンサーの話だが「止めときたまえ」と割とガチ目に忠告された。彼女たちは基本的にプロスポーツ選手や実業家などしか眼中にないため、仮に出会いがあったとしてもまぁ望んだ結果は得られないだろう、と。


 話を聞いているとなんというか身分とか財力ごしに見られている気がして確かに止めた方が良さそうだな、と思い直す。一昔前だとテレビ局のアナウンサーなんて高嶺の花の代表みたいな職業だったし、一般会社員なんてお呼びじゃないって事か。


 ……仮にクマコーとしてだったらいけそうな気がしないでもないが、それはそれで面倒臭そうだから止めとこう。



「所で海里くん。君はオカルト専門の護衛官だと雨宮社長から伺っているんだが、実は私の支援者にオカルト関連で困っている人が結構居るんだが」


「申し訳ありません、私の雇用に関しては『リリー案件』でして」


「! それは、申し訳ない。リリー様には良しなに伝えて欲しい」


「承知しました。ああ、オカルトでの困りごとでしたら腕のいい業者の紹介程度なら出来ますので、詳細を雨宮セキュリティーに伝えて頂ければ」


「分かった。渡辺くんから連絡させよう」



 ぺこりと遠藤議員に頭を下げて彼の事務所を出る。恐らく引き抜きがあるから『リリー案件』と言えって言われてたんだが、遠藤さん顔色が真っ青になってたよ。『リリーベル』はどういう扱いなんだろうな、これ。


 ちなみにオカルトの業者については田井中さん経由での紹介になるため、雨宮セキュリティーは紹介料を取って田井中さんへ繋ぐだけのただの受付だ。そして田井中さんからその地域にあった彼の知り合いの霊能者に割のいい仕事が振られたり田井中さんが自分で行ったりミキちゃんが行かされたりすると。


 田井中さん、不動産業が好きで結構な上がりも出してる筈なのに霊能関係の収入が本業よりも多いんだよな。ソースは本人のボヤきだ。実際に一回の霊障対策で100万円とかもらえちゃうし、田井中さんから仕事を紹介されてるミキちゃんもVVVのお給料は結構あるのに単発バイトの霊障対策の方が明らかに稼ぎがデカいし。


 「うちなーだとこんなに貰えなかったなぁ」ってこっちはこっちでボヤいてたから、東京の相場が高いのかもしれない。まぁ、人が多い所には霊障は付き物だし、その分動く金額も大きいんだろう。


 じゃあ公務員はどうなのかとこの間知り合った霊障対策課の秋村さんに聞いてみると、こっちもこっちで高給取りらしい。ただ、民間と違って歩合給的なものがないため腕のいい人間は民間の方が儲かるとの事。その分装備費とかは国が出してくれるそうだけどね。その時に好待遇にするからうちにくる?的な事を言われたが本業が好きなのでと断ると、田井中さんも同じ理由だったなぁと嘆いていた。あの人、お金じゃなくて好きだから不動産屋やってる人だからね。






『めちゃめちゃ忙しい。週給6万の仕事じゃないぞ』


――税金も家賃も収めてないんだから丸々懐にはいるだろ



 1週間ほどのアルバイトから日常に戻ってくると、VVVはもうすぐ行われる第2回VVVエキスポの準備でてんやわんやのようだ。今回の目玉はなんといってもイロリー・マックス氏と共同開発したという事になっている“V.A.I”だ。既存のAIなんて鼻で笑えるほど高性能な自立思考も可能になったこのAIに可愛いヴァーチャルの姿を乗せ、当日の会場ではありとあらゆる場所に彼女が現れる可能性があると告知する予定だ。


 会場内に彼女は一人。どこに現れるかは彼女の気分次第。現れた場所で彼女と語り合う来場者の姿は会場中央に据えられた大きな立体投射画面に投影される事になっている。もちろん来場者たちは今回も3Dモデルを着こむことになるため、ちょっとした配信をしている気分が味わえるはずだ。


 ただそう言ったのが苦手だという人も中には居るかもしれない為、今回の来場者に関しては事前に予約した人物だけとなる。もちろん配信に使う可能性がある点は注意事項として通達しており、それに問題がない場合のみ予約は可能になっている。それ以外の人は配信の閲覧権を牛丼一杯くらいの値段で販売しているため、それで我慢してもらうつもりだ。


 そして、この予約に関してだが。発表から1時間ほどで全てのチケットが完売になった。チケットは5万人分用意したのだが、まるで足りなかったらしい。



「イロリーからね、5万人じゃ全然足りないって言われたんだけどそれ以上は捌けるか分からないでしょ? 折角ヴァーイちゃんのお披露目だし皆にもヴァーイちゃんとお話しして欲しいじゃない? そう考えたら本当はもっと少なくしたいんだけどこれ以上少なくするのは本当にダメって言われちゃったし」


「チケット価格5万円の超強気価格だったんですがねぇ。転売対策してるのにもうフリマサイトのテンバイヤーに20万で出品されてしかも売れてるし」


「あ、それは通報して晒そうか。うちのイベントは転売でチケット取ったら無効にしますって伝えよう」


「あらほらさっさー」



 鹿谷くんや猪上くんに指示を出してテンバイヤーのようなフリマサイトには通達を出しておく。もし扱ったら警察沙汰も覚悟してると伝えたら大体のサイト運営さんは素直に従ってくれた。中にはうちは善意の第三者なんで、と我関せずを通そうとする連中も居たが、弁護士経由で所轄の警察から連絡を入れさせたら次の日には従ってくれた。うちの本気度が分かったんだろう。最初からそうやって素直に行動してくれよ。


山里一也(男)26歳



視聴履歴

『ドキドキ! 魔女っ子大戦争』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『不死鳥の魔女 赤神さやか』(料金10円)

『煉獄列島』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『閻魔の地上代行人 坂東メンチ』(料金1000円)

『電脳歌姫ろっくんろー!』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『鬼畜クマネージャー マネージャー』(料金30000円)

『九十九あきらは終末世界を諦めない』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『天災科学者 九十九あきら』(料金:ひなちゃん家のご飯)

『安楽椅子の占い師』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『未来を知る者 リリーベル・リ・ラスティーネ』(料金:1億円or生徒とのランチ権1回分)

『ドッペルゲンガー』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『もう一人の俺 セシル・ファラウェイ』(料金:週休2日三食昼寝付き週6万)

『世界最強の傭兵隊長だった俺が女子高生になった件について』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『生真面目系殺伐女子高生 雨宮かすが』(料金:組織)

『魂羽織』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『至高の人形師 人形残夢』(料金:人形作成・開発費)

『拳創成期』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『無双女帝 日華』(料金:気持ちよく昼寝できる環境)

『テレポーター三沢ひばりは平穏に過ごしたい』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『ハードラックテレポーター 三沢ひばり』を獲得しました(料金:休日)

『プロレスラーに明日はない!』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『炎の経営者 純情仮面(本名:間藤勇作)』(料金:良き闘い)

『ライアードクター』(レンタル終了)

プレミアムレンタル権『神域の外科医(コスプレ?) 黒井めぐみ』(料金:1手術100万円)




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