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4.サクラサク

翌年の春。

優菜にサクラが咲いた。


なんと石川高校に合格できたのだ。


全ては蓮くんのお陰だ。一緒に通えたらよかったのにな・・・・・。


優菜の心の中は複雑だった。

そう。優菜の本当の目標は石高ではなく、蓮と同じ学校に通うことだったから。


その日、早速優菜はお母さんとケータイショップへ行きスマホの契約をした。

とっても可愛いディズニーのスマホケースも合わせて買った。


思わず笑みがこぼれる。

何か大人になった気分がした。


優菜はすぐに蓮に手紙を書いた。

石川高校合格の報告とラインのIDの連絡だ。


これで蓮くんとラインができる。

いつでも話せるようになるんだ。

でも、もし蓮くんが高校不合格で落ち込んでたらどうしよう?


そう思った優菜は、取り敢えず手紙には合格の報告だけで、喜んでいる内容は自粛することにした。


三日後、返事が届いた


『石高合格おめでとう。頑張ったね。俺も第一志望に合格できたよ』


よかった。蓮くんもW実業に受かったんだ。

自分のことのように嬉しかった。


そして優菜は晴れて蓮とラインができるようになった。


でも、優菜は焦る気持ちを抑えてラインを送る回数を極力減らした。

ラインはあまり頻繁に送るとウザがわれると雑誌か何かに書いてあったのだ。


一週間に一回程度、身の回りの出来事を報告し合う程度だ。

あまり近づき過ぎちゃいけない。

今のままでいいんだ、そう思っていた。


でも、会いたいという気持ちはだんだんと膨らんくる。


私は思い切って春休み中に『会いたい』と送った。


でも、返事はつれなかった。

『ごめん。今は忙しいから会えない』


―やっぱりな・・・・・。


自分でも予想していた答えだった。


友達と地元のショッピングセンターへ遊びに行った時だった。

フードコートのテーブルで思いがけない人影を見つけた。


優菜はそれが蓮だとすぐに分かった。


―蓮くんだ! どうしてここに?


次の瞬間、私は咄嗟に身を隠した。

すぐ横に女の子が座っていたのだ。


二人ともとても楽しそうに喋っていた。


やっぱり彼女いたんだ・・・・・。


でも蓮くんなら彼女がいて当然だ。


彼女を見て、自分なんか足元にも及ばないと思った。

敗北感と喪失感に襲われた。


そりゃそうだよね。私なんかが本気で相手にされるわけないし・・・・・。


私は蓮くんにとってただのライン友達程度に過ぎないんだ。

でも私はそれでいいんだ。

自分に無理やりそう言い聞かせていた。


優菜の本当の春はまだ来なかった。


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